コーラは缶より瓶が美味しいって本当?その歴史や値段について!

1886年アメリカで誕生したコカ・コーラ。炭酸の爽快さと独特の風味で、今も変わらず人気の高い歴史ある炭酸飲料です。その味だけでなく人気なのは、ボトルのデザインにもあります。時代のニーズによって瓶からアルミ缶、そしてペットボトルへと変化してきたコカ・コーラのボトルですが、今なお瓶のコカ・コーラも販売されていて、ファンの間では根強い人気を誇っています。なぜ瓶のコカ・コーラが人気なのか?コカ・コーラの歴史を振り返りながら、今なお人気のある瓶のコカ・コーラの魅力についてまとめてみました。

コーラは缶より瓶が美味しいって本当?その歴史や値段について!のイメージ

目次

  1. 1コーラは本当に瓶が美味しい?
  2. 2コーラの瓶と缶で本当に味は違う?
  3. 3瓶入りコーラの歴史
  4. 4瓶入りコーラを見つけたらその美味しさを実感しよう

コーラは本当に瓶が美味しい?

様々な種類の炭酸飲料が出回っている今日でも、炭酸飲料と言えばコカ・コーラの名前は挙がるでしょう。1886年の誕生以来、長い歴史を持つコカ・コーラは、今も昔も変わらず世界中で人気が高い炭酸飲料です。

昔から親しまれているコカ・コーラですが、入っている容器によって味が違うなんて聞いたことありますか?なんと今主流の缶やペットボトルよりも瓶のコカ・コーラが美味しいだなんて、本当なのでしょうか?

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コーラの瓶と缶で本当に味は違う?

近年様々な炭酸が販売されていて、今では炭酸水やフレーバー炭酸水といった糖分の少ない炭酸が好まれるようになってきました。健康面でも糖分は出来れば控えたいし、美容面からしても、体型維持のためにも糖分がカットされている方が好まれる傾向にあります。

それでもたまに飲みたくなってしまうコカ・コーラ。あの何とも言えない甘みと爽やかさを味わえるのが、コカ・コーラの魅力です。その魅力がコカ・コーラの長い歴史を作ってきたのでしょう。

コカ・コーラの原材料は、糖類(果糖ブドウ糖液糖、砂糖)、炭酸、カラメル色素、酸味料、香料、カフェインです。時代のニーズによって、糖分ゼロやカフェインゼロの製品も販売されて来ました。けれどオリジナルのコカ・コーラは、瓶のコカ・コーラも缶も、そしてペットボトルも、容量は違えど原材料はどれも同じです。

瓶は炭酸を強く感じる

ネットで販売されている瓶のコカ・コーラの商品説明を読むと、容器によって炭酸の圧が違うという記述もあります。事実なのか定かではありませんが、味の違いを感じるのには、炭酸の強さも関係していそうです。

瓶やペットボトルは、中身がみえて炭酸のシュワシュワとした泡立ちを目でも楽しみながら飲むことが出来ます。その視覚効果で、より一層炭酸を強く感じます。また見た目だけではなく、缶やペットボトルは保存している時に、炭酸が微量に抜けるので風味が落ちる傾向があるようです。

瓶は口当たりが良い

缶のコカ・コーラは軽量で持ち運びにも手軽さはありますが、飲んだ時に、口に触れた缶が金属のような匂いや味がしてコカ・コーラの風味を邪魔します。

一方で、瓶のコカ・コーラは容器に口が触れた時の感触が、缶やペットボトルと比べると、瓶のツルッとした感触とキーンとした冷たさが、旨さを倍増する様に感じます。ワインやビールにも種類別に専用のグラスがあるように、コカ・コーラも瓶だと旨さが増すようです。
 

瓶はよく冷える

よく冷えた瓶に入っているコカ・コーラは、氷入りのグラスで飲むコカ・コーラが美味しいのに似ています。瓶は冷やすと、冷たさが缶やペットボトルよりも持続して、握っている手の方が冷たくなるほどよく冷えます。

同じコカ・コーラでもぬるくなってしまったものは、炭酸のシュワッとした感じも減り、美味しさが半減してしまいます。缶やペットボトルのコカ・コーラも、飲み始めは冷えていても、ぬるくなるのが早く、炭酸のキレも抜けやすいです。

瓶の190mlが絶妙な量

缶のコカ・コーラの容量は、160mlから500mlまで販売されています。190ml缶は100円前後、350mlの容量の缶は120円前後の値段です。またペットボトルの容量は、280mlから2,000mlまで販売されていて、よく見かける500mlの容量では、150円前後の値段で販売されています。一方で、瓶の容量は190mlのみです。値段は100円前後です。

190mlの瓶は、「美味しい!」と思ってから飽きないうちに飲み干せます。炭酸のキレも良いまま一気に飲み干す爽快感と「もう少し飲みたい!」と思わせる、日本人にとっては丁度いい容量なのでしょう。コカ・コーラのような炭酸飲料は、一度開けてしまったら飲み干すしかないという点でも、この容量が丁度です。

原材料は同じでも、瓶のコカ・コーラが美味しく感じるのは、コカ・コーラの風味を損なわず、炭酸のキレを感じやすい冷たさと「美味しい!また飲みたい」と思わせる余韻の全ての条件を満たすことで、味の違いを生んでいるのでしょう。

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瓶入りコーラの歴史

コカ・コーラの歴史は古く、1886年米国ジョージア州アトランタの薬局で、コカ・コーラは初めて販売されました。場所はジェイコブスファーマシーと呼ばれる薬局で、創業者はジョゼフ・ジェイコブス博士です。ジョゼフ・ジェイコブス博士は、自分の薬局の一角でカウンター形式の喫茶店を始めました。

当時の米国の薬局は、薬局と日用品店そして一角にカフェがあるのが一般的で、薬局の一角の喫茶店スペースは、ソーダ―ファウンテンと呼ばれていました。

アメリカ発の炭酸飲料コカ・コーラ

コカ・コーラの美味しさの秘訣となるシロップを作り出したのは、薬剤師のジョン・S・ペンバートン博士です。彼がジェイコブスのソーダ―ファウンテンに香り高いカラメル色のシロップを持ち込みました。そのシロップを炭酸水で割って提供したことから、コカ・コーラの歴史が始まります。

グラス1杯5セントの値段で売り出されたコカ・コーラは、ジェイコブスファーマシーのフランク・M・ロビンソンによって、コカ・コーラと名付けられました。そしてコカ・コーラのロゴは、この時フランク・M・ロビンソンによって書かれた筆跡が、そのまま今日に至るまで使われています。

その後、アトランタのビジネスマンであったエイサ・G・キャンドラーが、コカ・コーラの事業権利を買い取り、ザコカ・コーラカンパニーを設立し、コカ・コーラの製造と販売を軌道に乗せていきます。そして全米へとコカ・コーラを広めていく事になります。

初めてアメリカで瓶詰めが行われたのが、1894年3月12日。それまでソーダファウンテンの中だけで楽しまれていたコカ・コーラを外でも楽しめる飲料として広めようという動きが出てきます。

1899年、テネシー州チャタヌーガの弁護士ジョゼフ・ホワイトヘッドとベンジャミン・トーマスがエイサ・G・キャンドラーからコカ・コーラのボトリングの権利を得たことで、瓶詰めの販売の歴史が始まります。

コカ・コーラの瓶は独自デザイン

当時のコカ・コーラのボトルは、直線的な構造をしていてボトルの色は無色透明か茶色が一般的でした。そしてボトルにはコカ・コーラの刻印も入っていました。

コカ・コーラの人気が高まるに連れて、模造品の炭酸飲料が出回るようになりました。ザコカ・コーラカンパニーは、「たとえ暗闇で触れても地面に砕け散っていても、コカ・コーラだと分かる特徴的なボトル」の開発に乗り出します。

1915年インディアナ州のルート・グラス社が、ザコカ・コーラカンパニーの要望に応え、カカオ豆のイラストをヒントにボトルのデザインを練りました。真ん中が膨らみ、底の方に向かって細くなるフォルム。そして縦方向に何本も溝が走る独特なデザインを考案しました。

そして1916年、ジョージア・グリーンと呼ばれるジョージア州の森にちなんだ緑色のガラスを使用したコンツアーボトルと呼ばれるコカ・コーラの瓶が誕生します。コンツアーボトルの誕生によって、コカ・コーラの人気はさらに高まり、1900年にはわずか2社だったボトリングを手掛ける会社も、1920年には約1,000社にまで拡大していきます。

1924年には、コカ・コーラの美味しさを家庭へも持ち帰り楽しもうというニーズを狙って、携帯用6本入りカートンが発売されます。家庭の冷蔵庫で冷やして、家の中でもコカ・コーラを楽しめるということで、運びやすい6本入りカートンは、大人気商品となりました。

1935年には米国で初めてコイン式の販売機が開発されます。ガソリンスタンドに備え付けられていたクーラーボックスの代わりに設置され、ドリンクのセルフサービスが可能になりました。

またコンツアーボトルのデザイン自体も高く評価され、雑誌や広告以外にも芸術作品や映画などにも使われ、広く知られる存在となりました。そして1960年にはパッケージデザインとして初めて商標登録され、日本でも2008年に、初めて文字や図形が付いていない容器そのものが立体商標として登録されました。

1955年米国では、消費者のニーズに合わせて、キングサイズの容量355mlの瓶やファミリーサイズの容量770mlの瓶のコカ・コーラの販売が始まりました。

日本国内でのコカ・コーラ瓶製造

日本でコカ・コーラが販売されたのは大正時代。1919年(大正8年)には、食品大手輸入商社・明治屋で発売され、大正から昭和初期にかけて、都会人を中心に飲まれていたようです。

終戦後まもなく、それまで輸入品であったコカ・コーラですが、1946年(昭和21年)以降、日本国内の6カ所にボトルを製造する会社が設置され、その後炭酸ガス工場も操業して、1949年(昭和24年)国内での製造が本格的に始まりました。
 

瓶のコーラの値段と販売場所

政府が許可した販売場所は、民間用は外国人客が多い全国のホテル、ゴルフ場、ボウリング場、外国人クラブ、外国人学校など合計96箇所に限定されていました。そして1957年(昭和32年)には、レギュラーサイズの190mlの容量の瓶のコカ・コーラの製造が始まりました。当時コカ・コーラの値段は35円(その内瓶の値段は15円)でした。

1957年(昭和32年)5月8日は、日本の「コカ・コーラの誕生日」とされ、初めて日本人の手で製造販売の業務がスタートして、米軍に納品されました。同年5月には民間用コカ・コーラが販売されました。

そして同年9月にはファミリーサイズの容量が770mlの瓶詰めが軍民マーケットで販売されましたが、不振のため翌年販売中止になります。同年にレギュラーサイズの瓶の値段が15円から10円に改訂されます。

1962年(昭和37年)にコカ・コーラの瓶自動販売機「全自動コインクーラー」が登場します。これは日本初の清涼飲料用自動販売機でした。コインを入れて、ロックが外れた瓶を引き抜くという半自動式の販売機でした。

1972年350ml容量の缶のコカ・コーラが、値段70円で発売されました。そして翌年1974年には、容量1リットルの瓶のコカ・コーラが180円(その内瓶の値段30円)で発売します。容量190mlの瓶レギュラーサイズは、50円へと値上がりしました。

今や缶やペットボトルのコカ・コーラが主流になり、瓶のコカ・コーラをあまり見かけませんが、今でも酒屋や喫茶店、ラーメン屋さんや居酒屋などで販売されています。またネットでも購入することが出来ます。

瓶のコカ・コーラの値段は、190mlの容量で1本100円前後から販売されています。また190mlの容量24本入りのケースでの販売はだいたい2,500円前後から販売されています。

リターナブル瓶について

コーラの瓶は、飲み終わると店に返却すれば瓶代を返金してくれるシステムがあり、リターナブル瓶と呼ばれています。リターナル瓶とは、返却と詰め替えを繰り返すことによって何度も使用できる容器の事を言います。回収、洗浄、そして再度中身の詰め替えで繰り返し再利用されます。

実際に店頭で回収、返金してくれる所は減ってきていますが、今でも地方の酒屋さんや飲食店向けの酒販店、瓶の自動販売機を置いている場所やコカ・コーラ社で回収してくれます。また前もって代金から瓶の保証金を引いてある場合もあるようです。

コーラの瓶がお洒落インテリアに!

歴史を辿るごとに変化してきたコカ・コーラの瓶ですが、現在ではコカ・コーラの容器としてだけではなく、アートとして、またインテリアとして瓶を活用する人達がいます。コーラの瓶のコレクターも世界中にいるようで、展示会が行われるほど人気があります。

これまで様々なアーティストにひらめきや刺激を与えてきたコンツアーボトルのデザインは、アート、デザイン、ポップカルチャーなどにも大きな影響を与えてきました。ポップアート界の奇才とも呼ばれるアンディ・ウォホールや現代ではバートン・モリスなどが有名でしょう。

コカ・コーラの瓶は私たちの日常にも影響を与えてきました。終戦後の日本では、物資不足のため丈夫でとにかく強くて割れにくいコカ・コーラの瓶は、日常使いの食器として重宝しました。

2つに分けて、底の部分をグラスとして再利用していたそうです。特に沖縄の琉球ガラスの歴史とコカ・コーラの瓶の再利用は歴史上関係が深く、そこから沖縄独自のガラス文化が生まれたそうです。

現代では、コカ・コーラの瓶を伸ばしたり、ひねったり、ペチャンコにしてインテリアの一部として活用しています。また瓶をカットしたり、溶接して電球型の花瓶にしたりと、数多くのアイデアが活かされています。

またコカ・コーラは、リサイクルから一歩先に取り組んだ活動にも取り組んでいます。デザインオフィスnendoとコラボレーションをして、コンツアーボトルを100%再利用したテーブルウェアの販売を試みています。

瓶入りコーラを見つけたらその美味しさを実感しよう

1886年の誕生以来、コカ・コーラは国境や文化の枠組みを超えて世界中で愛され続けています。その歴史は長く、炭酸飲料としてだけではなく、人々の生活を豊かなものにしていくアイテムとしても、これからも愛され続けるでしょう。

瓶のコカ・コーラは、コカ・コーラの美味しさを味わえる要素がぎゅっと詰まった瓶であり、再利用を目的とした環境に優しいコンツアーボトルでもあります。瓶のコカ・コーラを見つけたら、深い歴史を味わいながら、常に時代を先取る瓶の魅力を感じてみてください。

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