熱燗の温度と温度別の呼び方とは?おいしい燗酒の作り方も解説!

さむーい季節には、体の芯から温まる『熱燗』がたまりませんよね。そんな大人の冬に欠かせない熱燗ですが、実は「熱燗」と一口に言っても、温度によって呼び方が異なるということをご存知でしょうか…?今回は、熱燗の温度と温度別の呼び方について徹底解説いたします!また、美味しい熱燗を自宅で作る際には一体どんな作り方をすれば良いのか…といった点についても併せてご紹介しますので、さっそくチェックしてみましょう。

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目次

  1. 1熱燗は温度によって何が違う?
  2. 2熱燗に適した温度を調査
  3. 3おいしい熱燗の作り方
  4. 4美味しい熱燗は温度が大事!

熱燗は温度によって何が違う?

ビール・ワイン・カクテル・ウイスキー・日本酒・焼酎…などと様々なお酒の種類がありますが、あなたはどんなお酒が好きですか?お酒好きな人の間でも特にこだわりを持つ愛飲家の方は『日本酒』を好むことが多いそうです。一口に「日本酒」と言っても、吟醸酒・大吟醸酒・純米酒・純米吟醸酒・純米大吟醸酒などなど…様々な種類があります。日本酒は日本において、欠かせないお酒の一つです。

日本酒とは?

「そもそも『日本酒』とは一体何?」という方もいらっしゃるでしょうから、まずは『日本酒』について簡単に学んでみましょう。『日本酒』とは、通常は米と麹と水を主な原料とする清酒を指し、醸造酒に分類されるアルコールです。

日本古語では「酒々(ささ)」、仏教僧侶の隠語では「般若湯(はんにゃとう)」、江戸時代には「きちがい水」という風にも呼ばれていました。現代では若者を中心に「ポン酒(ぽんしゅ)」と呼ばれています。一般的な日本酒のアルコール度数は15~16%程度となっていますが、最近ではアルコール度数がビールよりやや高い程度の6~8%台や、発泡日本酒では5%という低アルコール日本酒も相次ぎ開発・販売されています。

日本酒(特定名称の清酒)は、精米歩合(お米の磨き具合)や、麹歩合(麹米の使用割合)・酒質を調整するため使用される醸造アルコール添加量などによって、吟醸酒・大吟醸酒・純米酒・純米吟醸酒・純米大吟醸酒・特別純米酒・本醸造酒・特別本醸造酒の8種類の名称に分類されます。

『精米歩合』とは、『玄米の表面(ぬか)をどれだけ削ったか』についてです。精米歩合が高くなるほど、余分な雑味が少なくなったり香りが華やかになり、味わいも繊細になっていきます。例えば「精米歩合60%」と表記されていた場合、玄米の外側40%をぬかとして廃棄して内側の60%を原料に使用しているということです。

日本酒の『熱燗』は温度によって何が違う?

ワインやビールは、キンと冷やした状態で飲むものですが、日本酒は冷やしたり、常温や温めて飲むこともできて、様々な飲み方が楽しめます。寒い季節などは、体の芯から温まる『熱燗』の飲み方が人気です。しかし、一口に『熱燗』といっても、日本酒の『熱燗』は温度によって違いがあるようです。では、一体どのような違いがあるのでしょうか…?

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熱燗に適した温度を調査

日本酒の『熱燗』は温度によって呼び方の違いはもちろんのこと、熱燗が最も適した温度や日本酒の温度によって風味も変わります。そこで今回は、日本酒の熱燗に適した温度や呼び方などの詳しい情報を調査してみました!

熱燗が一番おいしい温度

日本酒には、『美味しい温度』というものが存在します。この、美味しい温度のことを『飲用温度』というのですが、そもそも熱燗の定義は50度くらいとされており、温度が高めです。そこで、日本酒の香りを引き立てつつ、味わいも美味しくなる温度帯が45度くらいと言われています。

もちろん、日本酒の銘柄などによっても熱燗が一番美味しい温度は異なりますから、可能であれば蔵元におすすめの飲用温度を聞いてみると良いかもしれません。また、人それぞれによって好みも異なるので温度計などで熱燗の温度を調整しつつ、お好みの温度を探してみるのも良いでしょう。

温度別に呼び方がある

熱燗には、温度別にそれぞれの呼び方があります。では、熱燗の温度には一体どんな呼び方がされているのでしょうか?熱燗の呼び方は0度〜55度程度で、5度ごとの呼び方や味の変化が出てきます。お次は、熱燗の温度帯の呼び方と日本酒の味や香りの変化について学んでみましょう。

一般的に温度が上に行くほど、熱燗はコクと深みを持った味になり、辛さを感じるようになります。まず、55度以上の熱燗の呼び方を『飛び切り燗(とびきりかん)』と言います。50度の温度のものを『熱燗(あつかん)』と言います。45度の熱燗の呼び方を『上燗(じょうかん)』と呼びます。40度の熱燗の呼び方を『ぬる燗』と呼びます。

35度の熱燗の呼び方を『人肌燗(ひとはだかん)』と呼びます。30度の熱燗の呼び方を『日向燗(ひなたかん)』と呼びます。20度の熱燗の呼び方を『冷や』と呼びます。『冷や』は冷蔵庫などで冷やしたものだと勘違いされやすいですが、実は冷蔵庫で冷やしたものではなく、常温です。15度の熱燗の呼び方を『涼冷え(すずひえ)』と呼びます。

10度の熱燗の呼び方を『花冷え(はなひえ)』と呼びます。​​5度の熱燗の呼び方を『雪冷え(ゆきひえ)』と呼びます。『雪冷え(ゆきひえ)』はいわゆる『キンキンに冷やした』ものであり、冷蔵庫から取り出した直後のものです。-10度前後の熱燗の呼び方を『みぞれ酒』と呼びます。

『みぞれ酒』は冷凍庫で短時間静かに冷やした後、注ぐと透明からシャーベット状に変化するものです。自宅でみぞれ酒を楽しむ際には、瓶をそのまま冷凍庫に入れると瓶が割れてしまう可能性もあるので、冷凍に耐えうる容器に移し替えて凍らせましょう。

温度次第で風味が変わる

日本酒は温度によって風味が変わるといった特徴も面白い点です。温度が55度以上の『飛び切り燗(とびきりかん)』は、日本酒の香りが強くなり、辛口になります。温度が50度の 『熱燗(あつかん)は、香りがシャープになり、味わいはキレがよくなります。温度が45度の『上燗(じょうかん)』は、香りがキリっと締まり、味わいは柔らかさと引き締まりが出ます。

温度が40度の『ぬる燗』は、香りが最も豊かになり、味わいにふくらみが出ます。温度が35度の『人肌燗(ひとはだかん)』は、米や麹の香りが引き立ち始め、サラサラとしたなめらかな味わいになります。温度が30度の『日向燗(ひなたかん)』は、ほんのりと香りが引き立ってき、なめらかな味わいになります。

温度が20度の『冷や』は、ほんのり冷たさを感じ、香りや味わいに柔らかさが出てきます。15度の温度の『涼冷え(すずひえ)』は、 冷蔵庫から出して暫く経ったくらいの温度です。フルーティーさやフレッシュさが感じられます。

温度が10度の『花冷え(はなひえ)』は、香りが徐々に引き立ち始め、味わいはすっきりとしています。​​温度が5度の『雪冷え(ゆきひえ)』は、味・香りともに繊細です。温度が-10度前後の『みぞれ酒』は、雪景色のように美しい見た目であり、口のなかでフワッと溶けてデザート感覚で楽しめるものです。

おいしい熱燗の作り方

熱燗の温度別の名前や、温度による香りや味の違いについては学べましたが、自宅でおいしい熱燗の作る際には一体どんなつくり方をすればいいのでしょうか?お次は、おいしい熱燗の作り方について学んでみましょう。

熱燗は湯せんで

熱燗は基本的に湯せんで作ります。湯せんでの熱燗の作り方は、まず、徳利にお好きなお酒を注ぎます。鍋に徳利の 7~8分目くらいの水を入れて、酒を注いだ徳利を鍋の中央に置いて中火にかけます。温度計を使ってこまめに温度を見ながら、好みの温度まで温めれば完成です!

湯せんで作る熱燗は、アルコールが揮発する温度より低い状態で燗がつくことから香りが抜けにくく、日本酒本来の美味しさを逃がさないことが美味しさのポイントです。また、過加熱を起こして辛口になりすぎることもありません。日本酒の香りや味わいを思う存分に引き出して熱燗を楽しみたいのであれば、多少手間や時間がかかるとしても湯せんで作ることをお勧めします。

電子レンジで手軽に熱燗

基本的に、熱燗は鍋を使って湯せんして作ります。日本酒のうまみを引き出すには、湯せんが最もおすすめではあります。しかし、「わざわざ湯せんするのは時間も手間もかかってめんどくさいなぁ…」と思うときもあるでしょう。そんなときは電子レンジで手軽に熱燗を作るのがおすすめです!電子レンジならセットするだけで出来上がるので手間も時間もかかりません。

では、電子レンジでの熱燗の作り方は一体どうするのかというと、お酒1合(180ml)の熱燗を作る場合、電子レンジ500Wで約40秒加熱するだけです。電子レンジ500Wで約40秒加熱すると、温度が35度前後の人肌燗程度に温まります。人肌燗というと、米や麹の香りが引き立ち始め、サラサラとしたなめらかな味わいが楽しめる温度です。

電子レンジを使えば、約40秒という短時間で簡単に熱燗を作ることができます。湯せんで作る熱燗は日本酒の香り・味ともにじっくりと引き出してくれるのでオススメですが、時間がかかるのがデメリットです。さっと飲みたいときには電子レンジでの調理が簡単です。しかし、電子レンジで熱燗を作る場合、お酒の温度にムラができてしまう事があります。

実際に電子レンジで熱燗を作った際に、「なんかムラがある…」と感じた事がある方は少なくないようです。では、どうすうれば温度のムラを無くす事ができるのか…と言う事ですが、その際には電子レンジで温めた後に1分程時間を置いてから飲むようにしましょう!電子レンジで温めた後に時間を少し置く事で、内部の温度が均一になり、美味しい熱燗を楽しむ事ができます。

また、電子レンジで熱燗を作る際には徳利のそそぎ口にラップをすると、 お酒の良い香りの成分が飛びにくいです。徳利に日本酒を入れて熱燗を作る場合は、20秒ほど電子レンジで温めてから一度取り出し、徳利を振って中の温度を均一にしましょう。その後、再度電子レンジに入れて温めましょう!

日本酒の温度は1〜2度高めにしておこう!

熱燗は温度が非常に重要だということはお判りいただいたと思いますが、ここでさらに熱燗を美味しくするポイントがあります。それは、『日本酒の温度は1〜2度高めにしておく』ということです!徳利やちろりからおちょこへ注ぐ際、熱燗の温度が空気に触れることで下がってしまいます。そのため、温める際には楽しみたい熱燗の温度の1〜2度ほど高めに設定しておきましょう!

また、熱燗を注ぐおちょこが冷たいことでも熱燗の温度が下がってしまいます。なので、湯せんの際にはおちょこを徳利の上に乗せて一緒に温めるようにしましょう。電子レンジで熱燗を作る場合は、ポットのお湯でおちょこを温めておいたりしてもいいでしょう。

徳利がない場合に代用できる容器

熱燗を作る際に欠かせないアイテムといえば、『徳利』です。見た目も美しくなりますし、香りや味がより美味しく感じられるでしょう。日常的に日本酒を飲むご家庭であれば所持しているかもしれませんが、あまり日本酒を飲まないご家庭だと、「徳利持ってないんだよなぁ…」というご家庭も少なくないと思います。

そんなときは、『片口』と呼ばれるお椀のような形状の酒器があれば電子レンジで加熱する際にも、比較的温度のムラのない熱燗を作る事だ出来ます。また、ポットを使って熱燗を作る事もできます。その際に用意するものは、温めたい日本酒・深めのどんぶり・底に足がないグラス・ポット・温度計を準備しましょう。

作り方は、まずポットでお湯を沸かします。続いて、ポットで沸かしたお湯をどんぶりに入れます。グラスに温めたい日本酒を入れ、どんぶりの中に入れます。温度計で温度を調整しながら、自分好みの温度になるまで温めれば完成です!

道具を揃えてよりおいしい熱燗に

熱燗は、湯せんだけではなく、電子レンジやポットを使って作る事もできます。しかし、そんな熱燗作りの時に欠かせないアイテムが『温度計』です。温度によって味や香りが変わる熱燗ですから、温度計は必須アイテムです!熱燗を作る際には様々な道具があるとより美味しい熱燗を作る事ができますが、自宅で手軽に熱燗を楽しみたいという方は、まずは温度計から準備してみましょう!

調理用の温度計を使うのも良いですが、熱燗を図る温度計としておすすめなのは『酒かん計』です!『酒かん計』とは、お酒の温度を測るために作られた温度計です。熱燗を作る上で欠かせない温度計ですから、ご自宅で熱燗を作る際には是非購入しておきましょう。

美味しい熱燗は温度が大事!

熱燗の温度と温度別の呼び方・おいしい燗酒の作り方ご紹介まとめはどうでしたか?日本酒は幅広い温度で楽しめるお酒です。そのため、美味しい熱燗には温度が非常に重要です。熱燗は温度によって香りや味も変わってきます。また、日本酒の銘柄などによっても最適な温度というものは異なってきますから、ご自分で美味しい温度を探してみましょう。

自宅で熱燗を楽しむ際には様々な道具があると、より美味しい熱燗を手軽に作ることができるでしょう。そんな道具の中でも、美味しい熱燗を飲むために欠かせないのが温度計です。熱燗の美味しさを左右すると言っても過言ではないくらい温度は重要なポイントとなりますから、是非とも温度計はゲットしておきましょう。ポイントを押さえて、美味しい熱燗を自宅でも楽しんでくださいね!

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