天ぷら粉の代用になるのは?片栗粉・小麦粉・お好み焼き粉などで検証!

数ある料理の中でも個人的になかなか難しいのが天ぷらです。天ぷらって揚げ具合なども難しいですが、その前に粉作りが面倒です。今は市販の「天ぷら粉」なんてとっても便利な商品がありますが、他の加工食品の粉で代用できれば助かりますよね。実は市販の天ぷら粉がなくても、代用品の加工食品で作れるか検証しました。また、サクッとカラッとした天ぷらを小麦粉で作るコツと、小麦粉を使った天ぷらのレシピを紹介します。

天ぷら粉の代用になるのは?片栗粉・小麦粉・お好み焼き粉などで検証!のイメージ

目次

  1. 1天ぷら粉がないときどうしたらいい?
  2. 2天ぷら粉の代用になる粉類は?
  3. 3いろいろ粉類で代用天ぷらレシピ
  4. 4いろいろ粉類で上手に天ぷら料理

天ぷら粉がないときどうしたらいい?

みなさんは、天ぷら粉を使って天ぷらを作るということが、昔はなかったことを知ってますか?天ぷらはもともと小麦粉で作って揚げるのが普通なのです。天ぷらには天ぷら粉という考え方はごく最近のことです。メーカーが、プロの技を家庭でだせるように、工夫して作ったのが天ぷら粉です。なので、急に天ぷらが食べたいと思っても、そのことを知らなければ、天ぷら粉がなければ困ります。すぐに代用ができません。

天ぷら粉の代用になる粉類は?

天ぷら粉の成分をみてみよう

天ぷら粉に成分についてみていきます。メーカーによっても違うのですが、多くの天ぷら粉では、卵と冷水が不要というものが多いです。天ぷら粉の原材料名には、小麦粉、でん粉、脱脂粉乳、乾燥卵白、ベーキングパウダー、加工でん粉、乳化剤、増粘剤(アルギン酸エステル)、着色料(カロチノイド)、(一部に小麦・卵・乳成分を含む)。という風に、水だけで簡単に作れるとようになっています。

成分ですが、でん粉は蛋白質の働きを押さえます。つまりグルテン(粘り気)を抑えサクサク感がでます。片栗粉の代用品という感じです。脱脂粉乳は、牛乳からクリームを分離し、乳脂肪を除いた脱脂乳を乾燥させ粉末にしたものでコクが出ます。乾燥卵白は卵の代用品として入っています。フリッターでも卵白を泡立てて使います。

 

ベーキングパウダーには重曹(炭酸水素ナトリウム)が含まれており、それが油で揚げた時にそれが気泡となります。コレがさっくり揚がる元です。よくビールや炭酸水を入れて天ぷらを作るのが良いと言われるのはコレのことでサックリ感が出ます。ただ、ベーキングパウダーには重曹以外にも、重曹の働きを高める物も入っているので、長期保存のために遮断剤としてでん粉も配合されています。

加工でん粉は、じゃがいもやとうもろこしから抽出した天然のでん粉に、加工を加えて作り出したでん粉です。増粘剤(アルギン酸エステル)は、パンや麺などの食感改良に利用されている物で、ボリュームアップやもとに戻る復元性の向上などの優れた性能があるのです。着色料はカロチノイドといい、野菜や藻類など天然に広く存在する色素のことです。天ぷら粉は、小麦粉で天ぷらを作る、手間を省いた代用品として適した粉なのです。

まずは天ぷら粉で天ぷらを揚げる方法を知っておこう

天ぷら粉での天ぷらの作り方ですが、まず、天ぷら粉と水の割合は、粉100g(1カップ弱)に対して、水160ml(4/5カップ)ぐらいをいれます。天ぷら粉を計量カップで計る場合は、注意が必要です。そっとならすように入れます。ゆすったりカップの底を机にたたいたりすると、予想以上に天ぷら粉が多くなり、できあがりがフリッターのようになりますので注意が必要です。そしてボールに水から入れていきます。

なぜ水からからかというと、水を入れてから天ぷら粉を入れないと、天ぷら粉を先に入れて水を入れるとダマになりやすいのと、粉がボールの下に溜まってしまい、粉を充分に使いきれないからです。混ぜ方ですが、泡立て器で均一になめらかになるまで混ぜる方法と、30~40回が目安で泡立て器で粉が少し残るくらいまで軽く混ぜる方法があります。天ぷら粉によって違ってますでの注意してください。

天ぷらは温度が大事

衣の濃さをチェックします。水や天ぷら粉で濃さを調節し、衣をスプーンですくって落としたときに、ポタポタと落ちる程度が目安です。油の温度は160~180℃が適温です。160℃は、油に衣を少量落とし、衣が鍋底まで沈んですぐに浮き上がります。追加で片栗粉を入れた場合は片栗粉は水ぽくなるので注意が必要です。

170~180℃は、衣が鍋の途中まで沈んですぐに浮き上がる感じです。衣が沈んですぐに浮き上がらない場合は、油の温度が低すぎです。衣が油の表面ですぐに散ってしまう場合は、温度が高すぎるので火を止めて温度を下げてください。

カリッと揚げる秘密は打ち粉!

油の温度の目安ですが、火の通りやすい野菜類は160℃の低温で、魚介類や肉類は170~180℃の中高温が適温だといわれています。素材の水気はよくとり、食材には打ち粉、つまり、粉をまぶしてから天ぷら粉の衣をつけた方が衣づきがよくなります。衣をつけて鍋に入れる時は、葉物は表面だけ、それ以外は食材に衣をたっぷりつけ、静かにすべらせるように油に入れます。魚介類や肉類を揚げると油が汚れやすいので、野菜から揚げます。

気をつけておきたいのは一気にたくさんの量を入れると、油の温度が下がってベシャベシャになります。そうならないように、鍋の半分くらい、材料を入れたら火加減を調節します。衣の周囲が固まり、勢いよく出ていた大きな泡が小さくなってきたら、出来上がりです。

揚げた後の工夫でさっくり

取り出す際には、しっかりと余分な油を切ります。揚げバットがある場合は揚げパットに。ない場合は、キッチンペーパーですが、揚がった天ぷらを直接キッチンペーパーの上に乗せた場合、蒸れてサクサク感がなくなってきます。揚げあがった天ぷらは上に重ねないようにします。

小麦粉は天ぷら粉の代用にピッタリ

天ぷら粉の代用に使われる小麦は、薄力粉を使います。小麦粉は小麦に含まれるグルテンの含有量により3つに分類されます。グルテンがかなり多めで、しっかりとした弾力、しっとりとした食感が出るパンやラーメンには「強力粉」を使います。滑らかさとコシが出るので、うどんや餃子の皮にも使われており、別称「うどん粉」ともいわれるのが「中力粉」です。

ふわっとした、あるいはさっくりと軽い感じで仕上げられケーキや天ぷらの衣など、に使われているのが「薄力粉」です。また、お好み焼き粉にもこの粉は、使われています。細かくいうと、小麦粉は、この3種類になります。ちなみにパスタを作る時によく聞く「デュラムセモリナ粉」も小麦粉です。ふすま(表皮)や胚芽を取り除かずに小麦の粒をまるごと挽いた「全粒粉」のことです。色が白でなく茶色っぽいのが特徴です。

薄力粉で、上手に揚げるコツは、素材の下ごしらえで水分を抜く、打ち粉をする、温度は素材に合わせて変える、入れすぎて温度を急激に下げないです。重要なのは水分と温度です。天ぷらは水分があると、衣が剥がれやすくなります。まず、水分をよく取り、具材と衣をつなぐ接着剤のような役目をする打ち粉をして、衣をつけます。

小麦粉と天ぷら粉で最大の違いは、卵を入れる、炭酸水を入れる、粉を混ぜすぎない、衣の材料は冷蔵庫でしっかり冷やしておく事です。常温のままの衣の材料を混ぜて作ると、衣に粘り(グルテン)が出てしまいます。また、衣に氷を入れると良いといいますが、衣の液の温度や濃度にムラができてしまうのでうまくいくにいです。水と卵を混ぜてから炭酸水を入れて粉を入れるという順番です。ダマが残っても混ぜすぎないことです。

片栗粉はサクサクしすぎる?

代用として片栗粉があります。昔は「カタクリ」というユリ科の植物の根から取れるでん粉で作られていましたが、今は100%じゃがいものでん粉から片栗粉は作られています。小麦粉は小麦に加え、たんぱく質であるグルテンも含まれている為、片栗粉より粘りがあります。ところが片栗粉は水分の吸収が悪く、片栗粉だけで小麦粉のようにしっかりとした衣の形を作ることは困難です。

実際に、片栗粉だけでつくると、衣ではなく、表面を覆ったようになります。芋天のような野菜の天ぷらには良いかもしれませんが、えびの天ぷらのようにふっくらとした天ぷらにはなりません。つまり片栗粉のみでは、小麦粉のように衣をまとったような風にはなりません。そのため、一般的に小麦粉の補助として片栗粉は使われます。小麦粉3に対して、片栗粉1の割合で使われます。

お好み焼き粉とたこ焼き粉は?

たまにしか作らない天ぷらの為に天ぷら粉を買いたくない。それなら、お好み焼き粉やたこ焼き粉なら家にあることが多いので、同じ粉物のお好み焼き粉やたこ焼き粉で代用できないかと考えたりします。代用として使うのであれば、いいアイデアです。実は、お好み焼き粉やたこ焼き粉は天ぷら粉の素材とほぼ同じです。また、メーカーにもよりますが、お好み焼き粉とたこ焼き粉の差は、たこ焼き粉の方が粘性があります。

ホットケーキミックスは?

基本ホットケーキミックスも、小麦粉、砂糖、ぶどう糖、植物油脂、小麦でん粉、粉末油脂、食塩、ベーキングパウダー、乳化剤(大豆由来)、香料、カゼインNa(乳由来)、着色料(ビタミンB2)と、天ぷら粉の代用というよりも、ダシのないお好み焼き粉という感じです。ホットケーキミックスは、香料がバニラのような甘い香りがします。膨らみも、天ぷら粉よりも大きいです。

食材や味に合わせて使い分けよう

天ぷらに適している味は、その素材を活かすことです。食材にも、野菜のような薄めのもの。魚介類や肉類のように味の強いもの。様々です。それを個性の違う粉で揚げてしまうと、素材の味を活かすことができません。食材やつけるダシによって、粉を変えるようにしましょう。

いろいろ粉類で代用天ぷらレシピ

ホットケーキミックスでさつまいもの天ぷら

さつまいもは洗って1cmの厚さに切ります。10分程水に浸してあくぬきをします。水から出してラップをし、レンジで加熱します。色が変わって、爪楊枝で刺してスッと刺されば大丈夫です。ホットケーキミックス 100gなら水または牛乳100㏄で少し緩めにします。冷えたさつまいもをその中に入れ、揚げます。火が入っているので、表面に揚げ色がついたら大丈夫です。牛乳の代用に豆乳でつくってもおいしいです。

出汁の味でそのまま美味しいお好み焼き粉天ぷら

改めて、お好み焼き粉の原材料をみると、メーカーにもよりますが、小麦粉、デキストリン(エキスの顆粒化)、食塩、砂糖、風味原料(かつおぶし粉末、こんぶ粉末、煮干し粉末)、かつおエキス粉末、こんぶエキス粉末、かつおぶしエキス粉末、加工でん粉、ベーキングパウダー、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類と書かれています。お好み焼き粉は、ダシ入りの天ぷら粉ともいえそうで代用品になりそうです。

違いは卵以外に多くの旨味成分が含まれているという点です。天ぷら粉よりも代用品のお好み焼き粉やたこ焼き粉の方が旨味成分多いです。作り方ですが、お好み焼き粉100g、水160ccをよく混ぜます。そのまま好きな具材を入れ衣をつけては揚げ油で揚げて行きます。多少、ベーキングパウダーが多いのか、揚げた形がフリッターのようふっくらします。また、山芋の粉が入っている場合は薄めてください。

ネギと人参のたこやき粉かきあげ

いろんな素材を一気に揚げるのがかき揚げですので、均等に火が通るように考えて具材の大きさを変えて切ります。にんじんは皮をむいて千切り、長ネギは5㎝長さにカットして千切りにします。にんじんも長ネギも小麦粉を具材全体に打ち粉をし、よくはたきます。たこ焼き粉を水で溶いた中に入れます。普通の天ぷら粉よりも薄くでも大丈夫です。長ネギの代用として、玉ねぎも美味しいです。

かき揚げは、クッキングシートを使うと楽です。具材をシートにのせてシートごと油にいれます。固まった状態になるまで、そのままにしておいてください。すぐに触るとばらばらになりやすいです。シートは下が固まったら外します。シートがない場合は、代用としてお玉を使います。そのまま垂直にお玉を油に入れ、固まってきたら、箸などで形を崩さないようにそっと外します。

片栗粉で海老天ぷらしょうゆ炒め

海老は下ごしらえが大事です。冷凍の海老は皮をむいてワタを取り、片栗粉をまぶしてよく洗うと臭みが抜けます。海老の尾の尖った部分の先も切ります。ここを切っておくと揚げる時の爆発防止になります。酒につけて5分程つけておきます。取り出して水分をキッチンペーパーなどで取り片栗粉で打ち粉をしておきます。ボウルに玉子を割り入れ混ぜ、多めの片栗粉を加え、海老をその中に入れてからめます。

片栗粉で衣をつけると、滴り落ちやすいので揚げる際には十分注意しましょう。フライパンにサラダ油を入れ、みじん切りにしたにんにくと生姜を入れ、匂いが出るまで炒めます。そこに合わせ調味料として、しょうゆ大4、酢大4、酒大2、砂糖大2、豆板醤を少々入れます。にんにくと生姜はチューブでも大丈夫です。煮立ってきたら、海老を入れてひと煮立ちさせて出来あがりです。

天ぷら粉の代用品米粉

片栗粉よりもサクサクの食感を感じることができるのが米粉です。片栗粉入りよりも、米粉の入った天ぷら粉がサクサクを感じるので好む人もいます。また、米粉だけの場合であれば小麦粉アレルギーがある方も安心です。仕上がりが軽いので吸油率が低く油っぽさがありません。ヘルシーでカラッと揚がりになるのも特徴です。米粉の衣はグルテンがないので混ぜすぎの心配がなく、時間が経っても衣がべた付かないので作り置きができます。
 

ただ、米粉は底にたまりやすいので、衣を付ける前に混ぜながらつくらないといけないなど手間が必要です。作り方は普通の天ぷらと同じですが、こまめに混ぜましょう。また、すべての米粉表示のものが小麦フリーではありません。一部の米粉と表示されている商品の中には、小麦グルテンが含まれているものもあります。小麦アレルギーを持っている人は表記だけでなく、成分も注意した方が良いでしょう。

天ぷら粉の代用品ペサン粉

天ぷら粉の代用では、ひよこ豆の粉があります。「ベサン粉」という名前で売られていますが、これを使った料理は、インドでは「パコラ」という料理です。日本でも作る人は多くインド風の天ぷらと言われて親しまれています。作り方は粉100g、水160ccで混ぜます。ダマになっても大丈夫です。スパイスはお好みがなければ、ガラムマサラかカレー粉を入れましょう。味もインド風なスパイシーな味付けをしている人が多いのが特徴です。

粘り気の強いベサン粉で作った天ぷらは日本の天ぷら粉と違い、分厚めの衣が特徴なので、どちらかというと、天ぷら粉の代用で使っているお好み焼き粉に近いかもしれません。味もインド風なのかスパイシーな味付けをしている人が多いのが特徴です。タンパク質が多く、卵を使わなくてもふんわり仕上がるのが、卵不要の天ぷら粉や、後で卵を使う広島風のお好みのお好み焼き粉に近いです。

いろいろ粉類で上手に天ぷら料理

天ぷら粉の代用になる粉類を沢山紹介いたしました。家にあり、すぐにできるのは、小麦粉と片栗粉のミックスです。ボールに水を入れてよくときます。味に自信がなければ、粉末の鰹ダシを少々入れます。小麦粉3に対して片栗粉を1程入れてざっくりダマが残る程度に混ぜます。素材は野菜から魚、肉へ。必ず打ち粉をしてから、素材を衣につけて揚げるだけです。天ぷらライフの参考になれば幸いです。

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