アカマンボウはマグロに似た味なのか調査!回転寿司でも食べられている?

お寿司は好きですか?日本人には馴染みの深い、世界に誇る和食の中でも、最も日本らしい和食と言っても過言ではないお寿司。新鮮な魚を食べる事が一種の醍醐味であるお寿司ですが、アカマンボウという名前の魚は知っていますか?マグロと味も食感も脂の乗り具合も、大変似通っている魚として知られているのですが、本当にそうなのでしょうか?アカマンボウとマグロの違いを見てみましょう。

アカマンボウはマグロに似た味なのか調査!回転寿司でも食べられている?のイメージ

目次

  1. 1みんな大好き!回転寿司!
  2. 2お寿司業界の新星?アカマンボウ
  3. 3アカマンボウはマグロにそっくり?
  4. 4実は昔から食べられていたアカマンボウ
  5. 5アカマンボウ以外にも代用魚が!
  6. 6アカマンボウの需要が前よりも高まった理由
  7. 7アカマンボウの方が美味しいのか?
  8. 8美味しいアカマンボウの食べ方
  9. 9アカマンボウの美味しいレシピ
  10. 10アカマンボウについてまとめ

みんな大好き!回転寿司!

お寿司は日本人のソウルフード!

和食の代表格と言えば、やはりお寿司!と言う方は多いでしょう。お寿司は日本独特の文化が生んだ料理の一つです。お酢の効いた酢飯に生魚や調理済みの魚、他にも卵焼きやシーチキン、最近ではミートボールなども乗せて楽しまれています。

 

気軽に誰でも入れるお寿司やさんと言えば、回転寿司が人気です。リーズナブルな価格なものから新鮮な高級魚、デザートまで食べられる回転寿司は日本人の生活にとても馴染んでいます。

 

そんな回転寿司で、最近ではマグロに似た魚が出回っている事を知っていますか?見た目も味も食感も、私達一般人には区別がつけられないぐらい似ていると噂の魚で、既に色んなお寿司屋さんで活用されているそうです。どんな魚なのか、マグロと本当に似ているのか、見てみましょう。

 

お寿司業界の新星?アカマンボウ

マグロの事どれくらい知ってる?

アカマンボウを見る前に、まずはマグロの事を私達はどこまで知っているんでしょうか?マグロは漢字で鮪と書き、サバ科マグロ属に分類される大型の回遊魚で、日本をはじめとする世界中で食べられています。日本では縄文時代から食用とされており、骨の化石なども発見されています。

 

多く食べられるようになったのは江戸時代中期からで、その頃日本では醤油が新しく開発されました。それまでは生魚を長い間保存する方法するには、塩漬けにする方法しかなかったのですが、マグロを醤油に浸ける保存方法が考え出され、『漬けマグロ』が新たに庶民の間で普及し、お寿司のネタにも使われるようになりました。

 

日本のマグロの捕獲量は全世界で3位以内に入る程です。大半はお寿司または刺身として食べられています。赤身が特徴的なマグロは、脂の乗ったトロの部分が大変美味しいと評判です。お頭から尻尾まで、どこの部位も捨てる事なく、日本人は平らげてしまいます。日本でも世界でもマグロは大人気の魚です。

 

アカマンボウってどんな魚?

ところでこの赤身、マグロに見えませんか?でも、この切り身はアカマンボウの赤身です。見た目だけでこんなにも似ているのですから、味も似ていたら、アカマンボウと言われないとマグロだと思ってしまいそうです。マグロよりは値段が安く設定されているようです。

 

しかし、魚としての見た目はマグロと全く違います。アカマンボウは、アカマンボウ目アカマンボウ科に属する深海魚です。マンダイと言う別名があり、水族館で見られるマンボウに似ているように見えますが、マンボウとは全く異なる魚で、リュウグウノツカイの近縁に当るようです。

 

大きいもので全長2m、体重270キロにもなるそうで、円盤状の体は平たく、赤く尖った鰭が特徴的です。ハワイや沖縄ではスーパーに並んでいる事がある程、一般的に食べられている魚です。近年では、マグロの代用魚として使われている事が多いそうで、お寿司や刺身以外でも色々な食べ方が出来ます。

 

アカマンボウはマグロにそっくり?

赤身とトロは似ているのか?

さっぱりした味わいの赤身が特徴のマグロ。赤い身の魚はたくさんいますが、特にアカマンボウの赤身とマグロの赤身は、専門家が見ないと殆ど区別がつかないそうです。一番違いが分かりそうな食べ方のお寿司や刺身として食べても、素人には判別がつかない程そっくりなのです。違いと言えば、値段と普及率の高さぐらいでしょうか?

 

アカマンボウは深海魚なのでまだまだ需要が低く、時折マグロの漁獲に混じって獲れることがあります。深海に住む魚なので漁獲量が少なく、研究もあまり進んでいないようです。

 

アカマンボウが回転寿司で使われている可能性

お寿司のネタの中で、一番アカマンボウが使われている可能性が高いのが、ネギトロです。生のマグロを細かく刻み、シャリの上に乗せ、焼き海苔を巻いた軍艦巻の形が一般的なネギトロの食べ方です。他にも細巻、手巻き寿司や丼にする食べ方も人気なのですが、その刻んだマグロの身に混ぜて、アカマンボウの身も刻んでいる可能性が高いのです。

 

アカマンボウとマグロの比率を大体1:1にして、身を刻んでいるようで、食べている私達には全く違いが分かりません。専門家でもなかなか難しいそうで、それだけマグロと似ている魚としての認識が強まっているそうです。そもそも、アカマンボウは前々から少しずつマグロの代用魚としての食べ方をしていたと言う記録があります。

 

実は昔から食べられていたアカマンボウ

マグロの代用魚としてのアカマンボウ

実は、アカマンボウはマグロの代用品として使われていた過去があります。2007年頃から既に使われていたようで、当時は加工食品表示詐称の疑いで話題になりました。しかし、法律上罪に問われるわけでは無かったようで、機会は減りましたが今でも代用魚は使われているようです。

 

比較しても味の違いが分からない程似ているので、回転寿司ではコストの関係もあって代用魚を使っていると噂されています。お寿司以外の食べ方で提供されている事もあるそうです。消費者の中にも理解している方々がいる反面、やはり本物の魚を使っていない事に抵抗を感じている方々がいるのも事実です。この真実をどう受け止めるかは、消費者次第です。

 

アカマンボウ以外にも代用魚が!

代用魚の存在

代用魚を使用していたのは、マグロだけではありません。穴子やヒラメ、鯛などのネタも代用魚が存在しているようです。今の漁業の現状を考えると、代用魚はやはり必要な存在と言えるかもしれません。

 

マグロの代用魚は、アカマンボウだけではありません。南太平洋に住むアロツナス、南半球の広い海域に住むガストロも、マグロの代用魚として活用されています。他にも、穴子にはクロアナゴやウミヘビが、ヒラメから取れる人気のエンガワにはオヒョウやカラスガレイが、そして鯛にはティラピアを始めとした数種類の代用魚が存在します。

 

代用魚が使われるようになったのは、1900年代にまで遡ります。資源の枯渇、コストの高騰、理由の大半が消費者のニーズに答えるためのものが多いです。昨日まで食べられた美味しい魚が、今日からは食べられなくなるなんて、誰も想像出来ないし受け入れられません。代用魚の活用は、最後の選択肢にして、最善の解決策だったのかもしれません。

 

アカマンボウの需要が前よりも高まった理由

マグロの消費量増加

マグロの代用魚として使われているアカマンボウの需要は、ほんの少しずつ高まっています。マグロをはじめとする2017年の魚の漁獲量が過去最低を記録した事は、皆さんの記憶にも新しいでしょう。

 

和食が世界無形文化遺産に登録される以前から、日本のお寿司や刺身は海外でも人気がありました。魚の様々な食べ方を紹介している和食が世界に広がった事で、魚の消費量が加速度的に高くなった事はもはや必然だったのかもしれません。

 

マグロの漁獲量増加とコストの高騰

魚の消費量増加に伴い、漁獲量も増えた事で、野生のマグロの数は極端に減少してしまいました。そのため、マグロの値段が上昇し、野生のマグロ、所謂天然マグロだけでは全ての消費者を満足させる事ができなくなりました。消費者のニーズに答えられなくなれば、商売が成り立たなくなります。だからこそ、人の手によるマグロの養殖、研究が求められているのです。

 

しかし、マグロの養殖は今の所、上手くいっていません。研究段階では、卵から成体になるまでの養殖が成功しているのですが、量産出来るような成果はまだ上げられていません。そんな現状の中で、需要と供給のバランスが崩れ、今や需要が供給を上回っている状態が長年続いています。だからこそ、アカマンボウのような代用魚が必要になって来るのです。

 

水産省によると、2011年頃にはまだマグロに安い値段が付いていたようで、それから今年の2018年まで、マグロの値段は上がり続けています。これからもマグロの値段が上がり続けるなら、それはマグロの数自体が減っている証明とも言えます。近い未来、天然のマグロが食べられなくなる日が来るかもしれません。

 

生態系の変化

天然のマグロの数が減ってしまったために、漁獲量に制限が設けられる事になりました。それでも消費者のニーズは減りません。むしろ、和食ブームに歯止めが掛からず、世界各地に新たな回転寿司の店舗が増える一方です。

 

そこで研究者達が養殖マグロの生殖に更に力を入れるようになったのですが、この動きが生態系のバランスを崩す程に進行してしまったのです。マグロの研究だったはずが、一緒に漁獲された魚の生態系を乱す結果となり、今まさに事態が悪化の一途を辿っているのです。

 

天然マグロの入手が困難な上に、養殖マグロの研究もまだ時間が必要な中、回転寿司店は一体どうやってマグロを手に入れられるでしょう。こうなると、代用魚に頼る他ありません。アカマンボウをはじめとする代用魚は、幸いな事に値段が安く、手に入りやすいのです。味もマグロに引けを取らない魚だからこそ、私達は回転寿司を楽しめているのです。

 

アカマンボウの方が美味しいのか?

食べ方次第ではアカマンボウは大変美味しくなる!

さて、大変マグロに似ているアカマンボウの身は、一体どれくらい美味しいものなのでしょうか。マグロのような真っ赤な身は引き締まっていてクセがなく、程よく脂も乗っていて、食感はビンチョウマグロによく似ているそうです。

 

特に赤色の強い腹身は、お寿司や刺身として、背側は加熱調理して、揚げ物やムニエルにして食べると美味しいようです。インターネット上ではすでに様々なアカマンボウのレシピが紹介されています。後ほど、紹介します。

 

美味しいアカマンボウの食べ方

生食向けの赤い腹身

アカマンボウ別名マンダイは、ハワイや沖縄県の石垣島ではよくスーパーに並んでいる魚で、赤い腹身は刺身として食べます。マグロと同じようにわさび醤油に浸けて食べるのが一般的です。ほんの少しマグロよりも脂が乗っているようですが、食べ比べてみないと分からないほど似ているので、問題なく美味しく頂けます。

 

加熱調理向きの背側のおすすめの食べ方

クセがない味の身のアカマンボウ。その食べ方は塩焼きから煮付けまで様々です。シンプルな塩焼きにするなら、塩を振って焼くだけなので、アカマンボウ本来の美味しさが楽しめます。白身魚のような淡白な味わいになるでしょう。分厚い切り身なら、小麦粉などをまぶしてムニエルにするのもおすすめです。

 

淡白な身をしている魚なので、唐揚げにしても美味しいようです。淡白な分、油で揚げる事で食感が鶏肉に近くなるそうで、しっかりと味が付きやすい性質です。味付けをしっかりしてから揚げると、魚が苦手な方でも美味しく食べられるそうです。

 

日本人の大半の方々が好む食べ方と言えば、やはり煮付けでしょう。脂のノリ具合が少なめなので、煮付けにする際には濃いめの味付けにすると美味しいようです。他の具材と一緒に煮ても、素材の味の邪魔をしません。大変、味の変化を楽しみやすい魚です。では、アカマンボウを使ったレシピをもう少し詳しく紹介します。

 

アカマンボウの美味しいレシピ

まんだいのスパイシームニエル

今回は、一人分の作り方を紹介します。材料はまんだい (アカマンボウ)の切り身2切れ、スライスチーズ1枚、大葉1枚。切り身にチーズと大葉を挟み込むので、チーズは溶けないタイプのものを用意して、大葉はお好みで加えて下さい。とろけるタイプのチーズでも出来るかもしれませんが、溶けないタイプの方が焼き易いです。

 

小麦粉適量、ガーリックパウダー適量、ケイジャンスパイス適量、塩適量。主に味付けに使いますが、塩は味を整えるために使う程度なので、無くても大丈夫です。白ワイン大さじ1杯程、マーガリン小さじ1杯程度、レモン汁小さじ1杯程度、レモン汁小さじ1杯程度、付け合わせの野菜はお好みで適量用意して下さい。マーガリンは、バターでも大丈夫です。

 

まんだいの切り身の中心に切れ込みを入れて、スライスチーズと大葉を挟み込みます。切れ目を深くし過ぎると、2枚に下ろされてしまうので、切り離してしまわないよう注意して下さい。

 

切り身の両面に、ガーリックパウダー、ケイジャンスパイスを振ります。2つの材料だけでは足りないなと思ったら、塩を足して下さい。その上から小麦粉を均等にまぶして、焼いていきます。まんだいは、マグロよりも身が柔らかいので、形が崩れないように焼くためにも少し多めに小麦粉をまぶしておくといいでしょう。

 

少し多めの油で、片面に適度の焼き色が着いてきたら、裏返して同じように焼き上げます。魚は火が通り易いので、焦がさないよう注意しましょう。裏面が完全に焼きあがる前に、マーガリンまたはバターで風味付けです。更に白ワインを加えて、弱火で10秒程度、蓋をして蒸し焼きにします。

 

最後に、お皿に盛り付けて完成です。全ての材料が安い値段で手に入るものです。アカマンボウが手に入らなかったなら、他の白身魚でも代用できます。お好みの魚でムニエルを作って下さい。

 

マンダイの唐揚げ

食べ易いように細長くしたものを紹介します。材料はマンダイの切り身、調理酒、醤油、おろし生姜、片栗粉。マンダイを切る前に、調理酒と醤油とおろし生姜を軽く混ぜ合わせておきましょう。比率を変える事で、お好みの味付けに出来ます。

 

揚げるので、鍋に油を入れておきます。大体、マンダイの切り身が油に浸る程度で十分です。マンダイの切り身を細長く切り、片栗粉をまぶしていきます。この時、まずはマンダイ全体に片栗粉をまぶし、揚げる前にもう一度一つずつしっかり塗したら、カラッと揚がります。

 

付け合わせの野菜を、マンダイを揚げている間に切ります。今回は、赤パプリカ、玉ねぎ、きゅうりを切り、サラダの要領で盛り付けます。お好みでサイドにレモンもしくはライムを添えると、見た目がおしゃれになります。唐揚げが狐色になったら完成です。

 

10分煮魚マンダイと茄子の煮付

最後に煮付けのレシピを紹介します。まず用意するものは、マンダイの切り身、茄子、生姜。茄子は細長く半分に切って、格子状に切れ目を入れておきます。生姜は千切りにします。煮汁には、3倍濃縮の昆布だしを使います。足し水を50cc用意しておきましょう。

 

フライパンの底に生姜を敷き詰めて、その上にマンダイの切り身と茄子を並べます。その上から煮汁を足して、コンロに火を付けます。最初は強火で煮汁を沸騰させてから、蓋をして5分ほど煮ます。それからマンダイをひっくり返して、足し水をしてからまた蓋をして、更に3分ほど煮ましょう。

 

使った材料は300円ほどと、全体的な値段も低く、とても家計に易しいレシピとなっています。マンダイ(アカマンボウ )の値段が低いので、付け合わせの野菜を変えたりするともっとリーズナブルな値段で食べられそうです。アカマンボウは、一般的に売られている白身魚と似たような扱いが出来る、非常に馴染み易いものかもしれません。

 

アカマンボウについてまとめ

マグロの代用魚として、その存在が徐々に一般人にも広まっていっているアカマンボウ。アカマンボウ自体の美味しさ、魅力が広まれば、またマグロのように乱獲されてしまうかもしれません。しかし、マグロの需要が高くなりすぎた事で、アカマンボウの存在が広まるきっかけになったのは事実です。

 

この事実が良い事なのかそうでないかは、何とも言えないところですが、私達一般人からしたら良い事だったのかもしれません。何故なら、マグロが食べられなくなるかもしれないという危機を救えるかもしれない、代用魚という存在があるから、私達の食生活は何ら変わる事なくバランスを保てているのです。

 

これからもアカマンボウが漁獲されれば、また私達の食卓に上がる事もあるでしょう。食べ応えも値段も、申し分ない魚である事は、すでに分かっています。マグロ問題解決が最善の道ですが、それが解決するまでは私達の食文化、食生活を支えてくれる事でしょう。和食の文化に新しく加わる日も近いかもしれません。

 

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