人参の重さは1本で平均何グラム？大きさと目安の量を調査！

人参は彩りがよく栄養価も高い野菜です。以前は独特な臭みが苦手な人も多かったですが、近年の品種改良で青臭さがとれ甘味が増し、子供にも人気の野菜になりつつあります。色々な料理にもつかえて便利な食材ですから、毎日何かしらの形で食べている人が多いでしょう。

人参と一口に言っても様々な品種があります。もともとはアフガニスタンで栽培されたといいますが、現在日本には中国から伝来した東洋人参とヨーロッパで改良されて明治時代に伝わった西洋人参があります。現在私たちが日々食べている人参は主に西洋系5寸人参という品種です。

人参は1年中売られていますが、収穫時期によって、春夏人参、秋人参、冬人参があります。春夏人参はあっさりとしていて、冬人参は味が濃いといいます。春夏人参は、主として徳島県など関西から南の地方で栽培出荷されていて、秋人参は主として北海道や東北地方、冬人参は千葉県や茨城県など関東地方で栽培されています。春夏人参の中で特に収穫されて間もなく出荷された人参を、新人参とも言います。
 

他の野菜と同様に、人参も様々な品種があります。品種ごとの特徴と共に平均的な大きさや重さを見ていきます。

現在私たちが日々食べている西洋系5寸人参の平均的大きさは、直径5cm前後で長さが5寸=15cmくらいで、重さは1本150グラムから200グラムくらいです。西洋人参でも少しこぶりの人参もあり、3寸人参といいます。平均的には、直径4cm前後で長さがおよそ3寸=10cmぐらいで重さが100グラム前後です。3寸人参は、最近ではあまり栽培・流通されなくなったそうです。
 

ミニキャロットはそのための品種もあれば、西洋5寸人参の早どりのものもあります。平均的大きさは、直径が1cmから1.5cmで、長さが7cmから10cmぐらいものもです。重さは1本20gから30gになります。ミニキャロット用の品種は甘みが西洋5寸人参よりもあるといいます。生食で食べたりグラッセにして肉料理や魚料理の付け合わせに使われます。

1本が一口サイズのベビーキャロットがあります。1本5から10グラムくらいになります。元々はカルフォルニアの大規模農家が廃棄される人参を再利用する目的で生まれたものです。

栄養価や味は悪くないものの、形が悪かったり間引きのために早どりされたりした人参がベビーキャロットという新たな農作物として生まれ変わったのです。一口サイズの手軽さからアメリカで大ヒットしました。最初は冷凍食品として販売されましたが、生でも売られるようになりました。品種は西洋5寸人参とおなじで、栄養価もほぼ同じです。

一方、フルーツ人参とかスティック人参と言われる黄色や紫色のこぶりの人参もあります。平均的な大きさは、直径2、3cmで長さは10cm程度です。重さは1本100グラム前後になります。五寸人参より甘みがあり、生食に向く品種です。

東洋人参は、西洋人参に比べて細長いのが特徴です。その代表格が金時人参(または、京人参)という品種で、赤みがかった色が特徴です。これは西洋人参に多く含まれるカロテンでなく、トマトなどに含まれるリコピンによる色です。金時人参平均的大きさは、直径5cm程度で長さは30cmから3cmあります。重さは、200グラムから400グラムといいます。

沖縄では島人参という黄色い東洋系人参が栽培され、食べられています。平均的大きさは、直径2,3cmで長さは30cmから40㎝ある細長い人参です。重さは平均150グラムくらいといいます。西洋人参のように炒め物やサラダにして食べます。沖縄の島人参を使った伝統料理としては、パパイヤと島人参を細切りにしたナムルがあります。

中国の人参と配合して作られた金美人参という黄色い人参の品種もあります。大きさと重さは西洋5寸人参と同じです。西洋人参より臭みが少なく甘みがあるといい、生食で食べるとよりその違いが判るといいます。

そして、漢方薬に使われる高麗人参(朝鮮人参)は人参という名称がついていますが、植物としてはウコギ科で私たちが毎日食べている人参とは全く別物です。西洋人参も東洋人参もセリ科の植物です。高麗人参は年数をかけて栽培、加工する高級作物です。体に良いだけでなく美肌効果もあり、高麗人参のパックも売られています。

西洋系五寸人参は一本大体150グラムから200グラムですが、両端をカットしたり、皮を剥くと10から20グラム前後軽くなります。なお、人参の栄養は皮に多く詰まっているので、皮付きで調理するのがオススメです。調理をするときには、輪切り、短冊切り、乱切り、千切り、みじん切りと色々な形でカットしますが、それぞれどのくらいの重さなのでしょうか？

厚めの輪切りは和食では煮物、洋食ではグラッセに使われる切り方です。シンプルに蒸して常備野菜として冷蔵庫保存することもよくあるでしょう。また、お弁当の彩を加えるのにも活躍します。重さの目安としては、大体1枚10グラムになります。
 

サラダや炒め物用に薄く輪切りにすることもあります。薄い輪切りの重さは1枚およそ3グラムになります。

いちょう切りは、豚汁やけんちん汁など汁ものによく使われる切り方です。昔ながらのポテトサラダに入れる時にもいちょう切りを使います。ツナやホタテなど丸っぽい材料との炒め物に使う事もあります。少し厚めの切り方で3個5グラムくらいの重さです。

中華料理の炒め物によく使われる切り方です。大根や他の根菜を同じように短冊切りにして炒め煮にするおかずもあります。すこし薄めに切って、4本で5グラムくらいの重さです。

乱切りはカレー、シチューや煮物に使われる切り方です。その他にも単品で温野菜、素揚げ、甘辛煮などにして食べます。乱切り1個の重さの目安は5グラムです。

冷凍食品「ミックスベジタブル」でおなじみの切り方です。小さいので炒めてステーキやハンバーグに添えたり、茹でて同じようにさいの目切りにした野菜とマヨネーズであえてサラダにすることもできます。さいの目1個の重さの目安は1グラムです。

人参の千切りは、すこし太めの千切りはきんぴらごぼうや炒め物に使われます。焼きそばや野菜炒めに人参を入れる時も太めの千切りにすることもあります。細めの千切りは、人参サラダやコールスローなど生で食べる時によく使われます。重さの目安としては、箸で一掴みできるくらいの量が5グラムくらいと考えればよいです。

みじん切りはハンバーグや肉団子などの挽肉料理に混ぜて入れる時に使われます。粗めのみじん切りは炒め物にも使われます。みじん切りの大さじ1杯が大体7グラムほどです。シチュー用のスプーンに軽く一杯で5グラムくらいです。
 

人参のすりおろしは人参ドレッシングを作る時や、パンやケーキに混ぜ込むときに使われます。大根おろしのように生ですりおろして使う事もあれば、一旦茹でてからすりつぶすやり方もあります。すりおろした人参は大さじ1杯12グラムくらいの重さです。みじん切りより重いですが、みじん切りの方がスプーンに乗せたときに隙間ができるためでしょう。

こうして見ていくと人参を一口サイズは5グラムぐらいという目安がたてられます。ダイエットや食事療法で食べる量を意識する必要がある人は、一口5グラムを意識するといいかもしれません。

西洋人参の特筆すべき栄養素は、プロビタミンA(体に吸収されるとビタミンAの効果を発する栄養素)の1種であるカロテンです。このカロテンという名称も、英語の人参を意味するキャロット(carrot)からきているといいます。

ビタミンAは目の健康を守る栄養素としては有名です。ビタミンAが不足すると、視力の低下や疲れ眼につながります。ビタミンAはまた、皮膚や粘膜を守る効能もあります。皮膚や粘膜を形作る細胞を活性化し、美肌効果があるだけでなく、ウィルスなどの侵入を守る働きが強化されます。ビタミンAの不足は、肌荒れ、ウィルス性の病気の発症の原因となります。

では、このビタミンAをどのくらいを目安に摂取すればよいのでしょうか？成人男性が必要とされるプロビタミンAは600から900㎍RAE、成人女性は500から700㎍RAEと言われます。

なお、人参には100グラムあたり8600㎍RAEを含有しています。成人女性であればその10分の1の10グラムで必要量が取れる計算になります。また、ビタミンAを摂取しすぎると頭痛などの体調に支障をきたす場合がありますが、人参に含まれているベータ・カロテンは必要な分のみビタミンAに変換するので、ベータ・カロテンを摂取しすぎてもビタミンAの過剰摂取にはならないという優れた機能があります。

その他に、便秘の解消を助ける食物繊維、むくみを予防するカリウム、眼病を予防するルティンなどが含まれています。

人参のカロリーは、100グラムで38kcalです。野菜の中では標準くらいです。根菜なのでレタス(12kcal)などに比べれば高いですが、芋類(じゃがいも73kcal)に比べると低いです。糖質量はといえば、人参は100グラムあたり6.4グラムです。野菜の中では高めですが(レタスは1.7グラム)、食品全体としては低いので気にせず食べてよい食材と言えます。

人参100グラムというと、小さめの人参1本分の重さに相当します。ダイエット中は1日1400kcal前後、糖質量は100g前後にコントロールするといいますが、人参1本食べてもカロリーも糖質量もわずかです。

参考までに、カロリーと糖質量は生と加熱した場合では多少異なります。ここであげた数値は生のものです。しかし加熱した場合も大きく変わるわけではありません。大体の目安として考えていただければと思います。

野菜は毎日平均して350グラム摂ることが推奨されています。そのうち、人参などの緑黄色野菜を120グラム摂ると良いとされています。この120グラムという重さは、西洋系五寸人参の1本分に相当します。しかし、他の緑黄色野菜もバランスよく食べるのが理想的です。

理想的には、他の緑黄色野菜と共に人参は20グラムくらいを目安に食べると良いとされています。先ほど、人参一口は5グラムくらいといいましたので、4口一度の食事で食べるか、1口、2口を3度の食事で食べると丁度良さそうです。参考までに、20グラムの人参のカロリーは7.6kcal、糖質量は1.28gになります。

さて、様々な料理で使われる人参ですが、どのくらいの量を1つの料理で使われ、私たちは一回の食事で食べているのでしょうか？人参サラダなど人参がメインのおかずもありますが、どちらかといえば、彩りを加えるためにサブの材料としては使われることが多い野菜です。

料理の中で使われる人参の重さがわかれば、その料理を食べることで1日に必要な量を食べたかどうかの目安になるので見ていきます。

一番シンプルな人参を使ったおかずとして野菜スティックがあります。人参の他、大根、きゅうり、セロリなどをスティック状に切って、マヨネーズやクリームチーズをベースにしたディップにつけて食べます。
 

セブンイレブンの人気の惣菜に、野菜スティックがあります。人参、大根、きゅうり、キャベツが入って、ディップのだし入り味噌マヨネーズが、あっさりしていながらコクがあって人気です。この野菜スティックには、人参が二本入っています。1本の重さは6グラムです。なので、2本食べると12グラムで、1日の摂取量の半分強満たします。

人参好きにはたまらない人参サラダは、いろいろなバリエーションがあります。よく洋風総菜として売られているのは、フランス風キャロット・ラペです。人参の千切り（本格的にはチーズおろし金で人参をするといいます）に、オリーブオイルとワイン・ビネガー、そしてレーズンやオレンジを加えてフルーティーな味わいにしたものです。

このキャロット・ラペのレシピを見ると、2人前で人参小サイズ1本くらいの割合が多いです。人参小サイズ1本100グラムくらいなので、1人前は50グラムくらいということで、2日分の人参を食べた計算になります。前日に人参を食べなかった人は、キャロット・ラペを食べればその分取り戻せるということになります。

人参を使ったメインの料理といえば、カレーがあります。今では様々な具を入れたカレーを味わう人が増えてきましたが、昔から日本で基本とされたカレーのレシピは、肉と玉ねぎ、人参、ジャガイモを炒めて煮込むものでしょう。そんな基本のカレーの材料を見ると、5人前で肉350グラム、玉ねぎ1つ、人参1本、じゃがいも2個です。
 

5人前でですので、一人前のカレーの中には人参が5分の1本入ることになります。西洋系五寸人参は1本は150グラム程度で、両端をカットしたり皮を剥く分を考慮すると、30グラム弱入っている計算になります。カレー一皿で1日で摂るべき人参20グラムを食べたことになります。
 

肉じゃがは人参が使われる代表的和食のおかずでしょう。典型的なレシピは、4人前でお肉を350グラムくらい、人参1本、玉ねぎ1個、ジャガイモ6個です。それに白滝やこんにゃくも加えることもあるでしょう。インゲンやさやいんげんを加えれば、彩りもよくなります。

4人前で人参1本という事は、1人前で人参4分の1本、30グラムから50グラムとなります。肉じゃがを1回食べれば、その日の人参摂取量は十分満たされることになります。

代表的な和食のサブおかずといえばきんぴらごぼうです。このおかずはごぼうがメインで人参は彩りを添えています。使用される人参の重さも4人前で50グラム程度と控えめです。1人前で10グラム強ですので、1日の摂取量としては少し不足しています。他の食事、おかずで不足分を賄う必要があります。

豚肉、大根、人参、こんにゃく、イモ類が入った栄養満点の汁物といえば豚汁です。平均的なレシピでは、4人前で人参は1/2本をいちょう切りにして使うことがおおいようです。人参1/2本の重さは大体80グラム前後になるので、1人までは20グラム前後と1日の摂取量に近い重さになります。豚汁を食べたら、その日の他の食事では人参は食べなくてもいいという目安ができます。

野菜をなかなか食べれない人は青汁などのジュースでとろうとするでしょう。甘味のある人参はそれだけでもフルーツジュースとして味わえそうです。人参ジュースというと、人参にリンゴとレモンを足してミキサーにかけるレシピが一般的ですが、1杯のジュースにどのくらいの人参が入っているのでしょう？
 

ネットにあったレシピによれば、400mlの人参ジュースを作るのに人参4本で使うそうです。ジュース一杯は200mlくらいと考えると、人参ジュース一杯には人参2本(およそ300グラム)入っている計算になります。1日の人参の推奨摂取量が20グラムで野菜全体でも350グラムから考えると、摂りすぎに思えます。人参ジュースをコップ一杯飲んだら、その後は数日他の野菜を沢山食べるようにしてバランスを取った方が良さそうです。

人参の食べすぎはビタミンAの過剰摂取にはなりませんが、皮膚が黄色くなる柑皮症というものになるそうです。大きな病気にはつながりませんが、その分他の栄養を取らないことになりえるので適量を食べるのがよいです。

ニンジンジュースも1人前で人参1/2本程度を使うレシピもあります。人参を減らす分、水を足します。人参1/2本で1日の摂るべき人参の重さを賄うので、栄養上は十分です。果汁100％を飲みたい人は、量を50ml程度に減らすとよいかもしれません。

人参が苦手な子供のために、人参をみじん切りにしてハンバーグにまぜて作るお母さん方もいるかもしれません。そんなハンバーグのレシピを見てみると、大体4人前で人参小1本（100グラム）ほど使うようです。そうなると1人分は25グラムで、1日の人参の摂取量を満たします。

人参は食べるだけに使われるわけではありません。人参に限らず野菜はパックとして美肌つくりに使われてきました。ネットで見ると、ニンジンジュースを作ったときの搾りかすにオリーブオイルなどをいれてパックにしたり、人参を擂って小麦粉を足してパックにしている人がいるようです。ニキビあとや小じわに効果があるということです。

東欧のハンガリーでは、人参とカブ1個ずつをミキサーにかけてパック液を作り、それを顔に20分間パックして洗い流すという美顔法が昔からあるそうです。そうすると肌につやをあたえる効果があるといいます。

いかがだったでしょうか？人参の大きさや重さ、そして目安となる料理の中での使用量と1日で摂取できる量を見てきました。人参は美味しくて栄養満点の野菜です。必要とされる量を毎日欠かさず食べていけば、健康維持やダイエットに役立つことは間違いないでしょう。