イチゴのランナーの切り方と育て方は?増やし方や植え方のコツを徹底調査!

イチゴは家庭菜園で人気のある果物の一つです。分類は野菜として扱われる向きもありますが、実際には果物としてのイメージが強く、現実にはそのように扱われています。さて、そんなイチゴの栽培についてですが、色々と知っておかないといけないことがたくさんあり奥深く、家庭菜園の中級者向きの果物であるといえます。このイチゴにはランナーという茎がありますが、その特徴を知り正しく対処すれば収穫量がグンと増えます。ここではランナーの切り方や育て方など、イチゴの収穫を増やすために必要な知識を全般的に紹介します。

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目次

  1. 1ランナーの説明に入る前にイチゴってどんな作物?
  2. 2イチゴの栽培はそんなに難しいのか?
  3. 3イチゴのランナーとは具体的に何?
  4. 4イチゴのランナーを切る理由と切り方・時期などについて
  5. 5イチゴのランナーの育て方について
  6. 6ランナーを使ったイチゴの増やし方・育て方について
  7. 7イチゴの植え方の注意点について
  8. 8美味しいイチゴをあなたの手で!

ランナーの説明に入る前にイチゴってどんな作物?

江戸時代の日本にオランダから伝わったイチゴ

野イチゴではなく、栽培用としてのイチゴはオランダから江戸期の日本に伝えられたとされます。当時はまだ栽培量が少なく、民衆の間には広まっていませんでしたが、江戸時代の末期から明治の時期にかけて、少しずつその栽培量が増えていきました。そして第二次世界大戦を経て1963年、農林水産省の統計に品目の一つとして掲載される程の栽培量にようやくなったのです。多くの人々の口にされだした歴史はまだ浅いといえます。

イチゴの成分は健康や美容にも役立つ

イチゴに含まれる成分はそのほとんどが水分ですが、糖質やタンパク質、食物繊維の他、キシリトールやビタミンC(アスコルビン酸)がたくさん入っています。このうちキシリトールは虫歯の原因となるミュータンス菌の数を減らし、アスコルビン酸という名のビタミンCはメラニン色素の生成抑止・コラーゲンの生成促進などの効果が期待できます。100gあたりで35kcal程度なので、ダイエット中に積極的に活用したい食物といえます。

イチゴの栽培はそんなに難しいのか?

ランナーの知識も必要だが栽培難易度が高いわけではない

これから説明するランナーという茎の切り方や育て方、増やし方に植え方、またその時期などについての知識が必要ではありますが、イチゴの栽培自体が難しいのかといえば、そんなことありません。弱酸性の土壌や適度な肥料、頻繁な水やりに水分の蒸発対策など、多くの野菜や果物・花などに共通するようなことをしていれば、十分に育ってくれます。ランナーまで含めると中級者向きになるというだけですから、敬遠する必要はないです。

イチゴの気になる収穫時期は3通り

イチゴの気になる収穫時期については、自然で育てた場合と温度管理して育てた場合、また自然で育てた場合でも一季成りと四季成りで違います。何ら温度管理せず自然に育てた場合で、4月から6月ぐらいの間だけ収穫できるのが一季成りです。そして四季成りでは4月から7月と9月から10月になります。ビニールハウスで温度管理して育てた場合は、11月から翌年5月まで収穫できます。時期によって甘みや酸味に違いが生じます。

イチゴのランナーとは具体的に何?

匍匐茎(ほふくけい)という地上を這う茎のこと

ランナーとは匍匐茎(ほふくけい)とも呼び、その名の通り地面に這う茎のことです。ツル植物が地上を這っているような見た目で、イチゴの根元からランナーが地面を這うように伸びながら芽を出し、土に着地したら根を土中に張り、そこからイチゴがまた一株育つというものです。その育った一株からまたランナーが伸びて、伸びながら芽を出し、着地した先の地面に根を張ってもう一株出来上がるということを繰り返すのです。

ランナーには「へその緒」としての役割がある

ランナーづたいに次から次へとイチゴの株が増えていくという、神秘と生命力に満ちた印象を受ける話ですが、株が増えてからはランナーにはお母さんと子どもを繋ぐ「へその緒」としての役割があります。イチゴは暑い夏に弱く、その時期にランナーの活動は活発になって、親株から子株へと栄養分を盛んに送り続けます。子株が果実を実らせるまで栄養分を送り続ける例もあるようで、親株の子株への愛情の深さを感じさせます。

イチゴのランナーを切る理由と切り方・時期などについて

ランナーを切るのは栄養分が分散して実が小さくなるのを防ぐため

園芸で花を育てている人は、花が咲き終わったら枯れた部分を切る理由についてご存知でしょう。それは枯れた部分に引き続き栄養が届けられようとして、栄養が分散し全体の花付きまで悪くなるのを防ぐため、思いきって切ってしまうということです。ランナーも伸び放題にしていては、栄養分が各子株に分散し、一株に実るイチゴの果実が小さくなり、味も不味くなってしまいます。それを防止するために切るということです。

切り方は株元から少し離れた位置を切る

イチゴのランナーの切り方は、株元の密集したところから少し離れた部分を切るということです。そうしないと本体の茎や葉を間違って傷付けてしまう危険があります。そして、これから根を張らせる方向のランナーだけは残しておきましょう。必要な子株を作るためのランナーまで切ってはいけません。あくまで不必要なランナーのみを切るのです。そうすれば本体の果実を上手に実らせ、栄養豊富な子株も確保できることになります。

ランナーを切る時期は収穫期と子株が育ったとき

ランナーを切るにはちゃんとその時期というものがあります。それは実が次から次になっている収穫期と、ランナーから栄養補助を受けた子株が十分に育ったときです。結実しているときにランナーはまだ不要であり、不要なランナーはどんどん切りましょう。収穫期が終わって子株を作るときに伸ばします。そして伸ばして子株ができた後、ランナーなしでも育っていけるほど子株が大きくなったときも、そのランナーは不要なので切ります。

イチゴのランナーの育て方について

摘花や摘果をこまめに行いランナーに栄養が行きやすくする

不要なランナーの間引きと同様、枯れた花や収穫期になってからの花の除去、実った果実を収穫するとき株元に近い位置での切りこみ、上手く受粉できなかった奇形果の摘み取りなど、こまめに行うということです。そうすれば新たなランナーを育てるための栄養分が確保されやすくなります。これらのことを園芸や家庭菜園の専門用語では「摘花」「摘果」と書いて「てきか」と呼びます。大事な用語ですから覚えておきましょう。

ランナーの先端が土の上に出ている状態を保つ

ランナーの先端が株元の土に埋まっていると、それ以上伸びなくなってしまいます。これは種が発芽するための要素の一つとして、光が必要なのと同様です。水分や酸素、温度などの発芽条件がそろっていても、光が届いていない状況では、種のほとんどは芽吹いてくれないのです。イチゴのランナーも先端に土がかぶって光が届かない状態だとそれ以上育たないため、土の上に出るようにしてあげましょう。ランナーの大事な育て方です。

ランナーを使ったイチゴの増やし方・育て方について

増やし方・育て方として土づくりが何より重要!

イチゴの増やし方としては、まず何より土づくりが重要です。イチゴに限らず植物にとっての栄養分や水分の源は「土」です。それに日光が加わってすくすくと育っていくわけです。イチゴはph値6.0程度の弱酸性の土が適しています。これは市販されている土を購入してそのまま使えばいいわけです。そして、1月に1回程度の追肥を行い、土中の栄養分が豊富な状態を維持してあげるのが、増やし方・育て方のポイントになります。

収穫期の後に伸ばしたランナーで子株たちを増やす

イチゴの収穫期の後に伸びたランナーを任意の方向に向け、土の上に着地させます。そこから生えた子株からさらにランナーが伸びますので、これもまた任意の方向に向け土に着地させます。そこでまた子株が生えということを繰り返します。親株だけでなく子株からもランナーが何本も生えますので、ランナーが絡まったり子株がぎゅうぎゅう詰めになって栄養分を食い合ったりしないようにするのが、イチゴの増やし方のポイントです。

孫株やひ孫株を確保しポットやプランターで育て来年に使う

イチゴのランナーは株からたくさん生えて来ます。そこで生育の良い株を生えさせている丈夫なランナーだけを残し、その子株たちの根がしっかりしてからポットやプランターに移して育てましょう。そこでのポイントは、大元の親株から見て子株(1番苗)にあたるものは捨て、孫株やひ孫株(2番苗・3番苗)を使うということです。その理由は子株が生育不良になりやすいからです。確保した孫株・ひ孫株は来年用として育てます。

夏場は直射日光と水やりに注意しながら生育させる

イチゴという作物は夏という熱い時期に弱いです。それがまだ幼い苗の状態なら尚のことです。せっかく手塩にかけた育て方で確保した子苗たちを、収穫後という初心者が油断しやすい時期に失ってしまうのはもったいないことです。それを防ぐには、夏場の直射日光を和らげる工夫をすること、水やりを頻繁に行い、土を乾燥させないようする育て方が必要です。特にポットの場合は水分を蓄える土の量が少ないので要注意です。

イチゴの植え方の注意点について

イチゴの「クラウン」という生長点に土がかぶらないようにする!

イチゴの株元には王冠のような見た目のクラウンという場所があります。ここはイチゴの葉の生長点であり、この部分から育った葉が大きくなって、光合成を盛んに行うようになります。ですからこの部分が土の中に埋まっていては新芽が出にくくなり、また土から離れ浮いたような感じになっていては株全体が倒れてしまいます。このクラウンが見える程度に、そして根っこが見えない程度に浅く植えるのが、イチゴの正しい植え方です。

イチゴの実がなる向きを考えた植え方をする

果実を収穫するときは、やはり手を出して取りやすい向きに実が付いている植え方が良いでしょう。そのためにはイチゴの苗を買ったとき、へその緒であるランナーが伸びている方向とは逆の向きが前に来る植え方をしましょう。そういう植え方をしていけば、収穫するとき無理な姿勢をする必要がなく、グンと楽になります。「ランナーが伸びている方向とは反対に実がなる」ということを覚えておきましょう。たまに例外もあります。

Thumbイチゴを種から育てる方法とまき方は?種類の特徴と栽培の仕方も調査 | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

美味しいイチゴをあなたの手で!

これまで見てきたように、イチゴのランナーの切り方や育て方、株の増やし方や植え方など、わりと覚えることが多いという印象を受けたかも知れません。切り方も増やし方などイチゴを育てる上で必要な知識ですが、少し経験を積めば誰でも収穫できるようになりますので、そんなに身構えることもありません。「美味しいイチゴを食べたい!親しい人にプレゼントしたい!」という気持ちを大事にして、励んでみてはいかがでしょうか?

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