わさびの栽培方法・育て方は?自宅のプランターで育てるコツを解説!

わさびは清らかな水の流れる山里でのみ育つものだと思っていませんか?確かに自生しているわさびはそうなのですが、大量の水を必要とせず、畑で育つ畑わさびという種類もあるのです。そしてなんと、自宅のプランターでわさびを栽培することもできるのです。採れたての新鮮なわさびをすり下ろしてお刺身を食べるなんて、考えるだけでワクワクしてきます。今回は、自宅でわさびを栽培する方法やコツ、栽培キットの情報などをお伝えしていきます。

わさびの栽培方法・育て方は?自宅のプランターで育てるコツを解説!のイメージ

目次

  1. 1日本料理の薬味といえばわさび
  2. 2わさびの種類
  3. 3わさびの栽培方法①何から育てる?
  4. 4わさびの栽培方法②植え付け
  5. 5わさびの栽培方法③日常の管理
  6. 6わさびの栽培方法④収穫
  7. 7 栽培したわさびを食べよう
  8. 8自宅でわさびを栽培してみよう!

日本料理の薬味といえばわさび

わさびは日本原産の植物です。古来より渓流の澄んだ水の元に自生し、独特の辛みが薬味として愛されてきました。今ではすっかり日本の食文化に根付き、日本料理には欠かせないものとなっています。特別な場所でしか育たないイメージのわさびですが、現在では畑でも栽培されています。自宅で山葵を育てるには、水耕栽培という方法もありますが、今回はプランターを使ったわさびの育て方をお伝えしていきます。

わさびの種類

水わさび

別名、沢わさび、谷わさびといわれています。大量の綺麗な水と水はけの良い土壌が必要なため、限られた環境での栽培となります。適した水温も8~18℃と条件の幅が狭く、水わさびは育てにくい農作物とされています。自宅で、ペットボトルや市販の栽培キットなどを使った水わさびの水耕栽培を試みる人もいるようですが、水温と水質の維持管理が難しいようです。

水わさびの自宅栽培には井戸水を流しながらの生育がベストですが、一般家庭ではなかなかそうもいきませんので、まめに水を交換して綺麗な水を供給し続けなければなりません。また、水中の酸素不足は根腐れの原因にもなりますから、水わさびの水耕栽培をする時には酸素供給機の使用をおすすめします。

畑わさび

別名、陸わさびとも呼ばれています。畑わさびは、大量の水を使うことなく畑の土で育てます。温度や日差しといった条件はありますが、水わさびに比べると育てやすいので、主に葉茎を収穫するためのハウス栽培もされています。自宅のプランターでも栽培可能です。水わさびとは同じ植物なのですが、生育環境の違いで生長に若干の差が出ます。高温に弱いため、夏場でも半日陰の涼しい場所での栽培が良いでしょう。

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わさびの栽培方法①何から育てる?

わさびを種から栽培する方法

11月頃が最もわさびの種まきに適しています。冬を超えた3月~4月に発芽の時期を迎え、夏に向けて生長していきます。もしも11月に間に合わず、春に種をまきたい場合は、一度冷蔵庫に入れて種を冷やさなければなりません。これを休眠打破というのですが、水に漬けたわさびの種を1日冷蔵庫で寝かせることにより発芽に繋げます。芽が出たら発芽用に準備した土にまき、乾燥しないよう注意しながら生長を見守りましょう。

わさびを種球や苗から栽培する方法

ホームセンターや園芸店には、種球という植え付け用のわさびの根の部分や、苗が売られています。種から育てるよりも簡単で時間短縮にもなるのでおすすめです。秋ごろが植え付けに適した時期とされていますが、春にもわさびの苗が販売されていますので、それ程制約はありません。

また、色々な品種のわさびが販売されていますので、その中から住んでいる地域や環境に合わせた苗を選ぶことが大切になってきます。好みによっても違いがあります。わさびの種類によっては、わさび漬けに向くものだったり、辛みに特化したものだったりと、様々なのです。なかなか解り辛い部分なので、わさびの苗選びに迷ったら販売店の人に訊いてみましょう。

わさびをキットで栽培する方法

実は、わさびの栽培キットも販売されているのです。オーソドックスなものでは、わさびの苗、プランター、培養土が必要量だけキットに入っています。栽培方法は同梱してあるキットの説明書通りにすればOK。買い過ぎた土を持て余すこともありませんし、手軽にわさび栽培を始めるのに便利な商品です。わさびが生長して来た時点でもう少し大きく育てたい場合は、キットのプランターよりも大きなプランターに植え替えましょう。

わさびの栽培方法②植え付け

プランターに植え付ける際、わさび同士の感覚は25~30cm以上が理想です。ということは、60cmのプランターを使った場合には2株のわさび苗の植え付けが最適となります。プランターが準備できたら、まずは底に鉢底石を敷いておきましょう。土は野菜用の培養土を使います。水はけを良くするために、川砂を混ぜても良いでしょう。この時に、有機肥料を混ぜ込んでおきます。これが元肥となります。

プランターに土を入れたら、植え付けていきます。種球の場合は、頭に少し土が被ったくらいの深さに植えます。植え付けが終わったら、たっぷりと水をやります。これで植え付けは完成です。あとは、プランターをわさびの栽培に適した場所に移動させましょう。わさびは直射日光が苦手なので、半日陰で夏場でも気温30℃を切る場所が理想です。木陰になっていて、木漏れ日がチラチラ降り注ぐ、という場所がおすすめです。

わさびの栽培方法③日常の管理

水やり

わさびは元々半水生植物なので、水が大好きです。水が足りないと途端に弱ってしまいますので、わさびが乾燥しないようにたっぷりとあげましょう。ただ、あげすぎると今度は病気や根腐れの原因になってしまいます。加減が難しいのです。目安としては、土の表面が乾いたら水やりするのが良いでしょう。

温度管理

わさびは暑さに弱い植物です。夏場の温度管理には注意が必要です。怠るとすぐにしおれてしまいますので、プランターをできるだけ風通りの良い場所に移動し、遮光を心掛けましょう。特に日差しの強い7月~9月は、寒冷紗を使うと便利です。遮光に向くのは黒色の寒冷紗で、ネット状になっているため、そのまま水やりもできます。

また、冬の寒さにも気を付けて下さい。地域によっても異なりますが、主に12月~3月の気温が低い時期は、保温が必要となります。霜の予防のためにも、ビニールシートや寒冷紗でわさびを守りましょう。プランターにトンネル用支柱を立てて利用します。保温目的で寒冷紗を使う場合は、白色を選びましょう。自宅のベランダにも置けるサイズのビニールハウスも売られていますので、検討してみて下さい。

追肥

追肥は3週間毎に液体肥料をあげて下さい。肥料を与えすぎると肥やけを起こし、根を傷めたり株を弱めたりしてしまいます。これはわさびに大変良くないので、説明書通りの適量をあげましょう。追肥には化成肥料でも良いのですが、植え付け時に遅効性肥料を培養土に混ぜ込んでいますので、速効性肥料の液肥がおすすめです。

害虫・病気対策

わさびはアブラナ科なので、アブラムシの好物です。モンシロチョウがやって来て卵を産むこともあります。これはアオムシに成長するのでやっかいです。市販の薬品を使えば簡単に駆除できますが、できれば無農薬でわさびを育てたいものです。テントウムシが食べてくれるのが一番なのですが、野原で捕獲して連れてきても、飛んで行ってしまうでしょう。予防としては、先述した寒冷紗がここでも役立ちます。

ついてしまったアブラムシの駆除方法です。巷では霧吹きで牛乳を吹きかけて窒息させる方法や、木酢液を使うやり方などが伝えられていますが、一番効果的なのは最もアナログな手法、手で取る方法かもしれません。素手でプチプチ潰すとかではなく、ガムテープに張り付けて退治してしまいましょう。早目の処理がおすすめです。早く気付くには日々の観察が大事ですので、わさびに気を配っていてあげて下さい。

高温多湿な時期に掛かりやすいのが軟腐病です。土に近い茎部分から根に掛けて、ふにゃふにゃとして腐ったような状態になります。細菌性の病気特有の匂いも発生します。一度掛かると治療は難しいです。傷口など弱っている部分から細菌が侵入しますので、わさびを傷つける害虫を寄せ付けないようにしましょう。また、根を傷める原因となる追肥のやり過ぎなどに気を付けることも大事です。

わさびの栽培方法④収穫

自宅でわさびを植え付けてから収穫するまでには約2年掛かります。勿論その途中で葉や茎を収穫して楽しむことは可能ですが、本格的なわさびの味わいを堪能したいならば、2年待つ方が良いでしょう。収穫前に蕾がついたら、摘んで天ぷらなどにして食べられます。花を咲かせないことで、その分の栄養が根や茎にまわるのです。ただ、わさびは可憐な白い花をつけますから、1株だけ残して花を楽しみ種を採るのも良いかもしれません。

栽培したわさびを食べよう

わさびを収穫したら、次は待ちに待った料理に食事です。葉や茎はお浸しにしたり、かき揚げにしたりと楽しみ方も色々です。刻んで納豆に入れるのも美味しいでしょう。ピリッとした風味が癖になること請け合いなのです。そして根の部分は、しっかり洗って泥を落とし、ひげ根を処理してすり下ろしましょう。わさびの風味は時間と共に逃げてしまうので、必要分だけをすり下ろして下さい。

自宅でわさびを栽培してみよう!

日本食ブームに乗り、わさびは海外でも「wasabi」で通るメジャーな食品になりました。現在ではイギリスやオーストラリアにwasabi農園が作られている程です。そんなわさびを自宅で種からミッチリと、もしくはキットで手軽に栽培してみてはいかがでしょうか?是非、日本の薬味を楽しんでみて下さい。

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