三つ葉の栽培方法・育て方!水耕栽培・プランターどちらがおすすめ?

三つ葉はとても丈夫で、実は栽培しやすく家庭菜園作りの初心者にもぴったりな野菜であることをご存知ですか?セリ科の多年草でおひたしや和え物、丼ぶりの彩りや澄まし汁の具、鍋物など、和食に欠かせない野菜の1つとなっている三つ葉。そんな三つ葉がどんな野菜かを改めて確認し、種類の違いや育て方、水耕栽培とプランター栽培の比較もしてみました。いつもはスーパーの野菜売り場で買う三つ葉を自宅で簡単に栽培していただき、自家製三つ葉で美味しい料理を作る際の参考にして下さい。

三つ葉の栽培方法・育て方!水耕栽培・プランターどちらがおすすめ?のイメージ

目次

  1. 1三つ葉ってどんな植物?
  2. 2三つ葉は日本原産の野菜
  3. 3野生の三つ葉を活用
  4. 4三つ葉の育て方と種類の違い
  5. 5三つ葉の栽培は初心者でも簡単
  6. 6とても丈夫な三つ葉の弱点
  7. 7三つ葉を水耕栽培する
  8. 8三つ葉をプランター栽培する
  9. 9三つ葉栽培のポイントまとめ
  10. 10三つ葉栽培を始めてみよう

三つ葉ってどんな植物?

三つ葉(ミツバ)は、北海道から沖縄までの日本各地、更には中国から朝鮮半島以北まで東アジアに広く分布し、山地の日陰を好む植物です。成長すると高さは40~50センチ程になり、6-8月頃に茎の先に5枚の花びらを持つ、とても小さな白い花を咲かせます。葉の形状は先が細く尖った卵型、緑色の小葉3枚が複葉となっています。葉はとても柔らかく、ふちにぎざぎざ模様があるのが特徴です。

三つ葉は日本原産の野菜

三つ葉は日本原産の食用栽培植物

三つ葉は日本原産の食用栽培植物の1つです。これは読んで字のごとく、原産地が日本列島にあり現在栽培されている植物のうち食用となるものを示します。三つ葉の他には、ウドやセリ、ヤマノイモやフキ、薬味として有名なミョウガやワサビまでそれらの多くが食べられる野草として有名なものばかりです。

日本での栽培

日本では古くから野草として食用にされてきましたが、栽培が始まったのは江戸時代です。1690年代後半の文献には栽培方法や簡単な食べ方が記録されていますが、栽培が本格化するのは享保年間に入ってからとなります。現在の東京都葛飾区周辺で始まった三つ葉栽培はその後、千葉県、神奈川県、埼玉県へと広がって行きました。関西へ普及するのは明治30年代以降で、その後全国で栽培されるようになりました。

野生の三つ葉を活用

野生の三つ葉を採る

三つ葉は山地の日陰を好むという特徴のとおり、探すポイントは山際の水辺そばの日陰です。山野草は三つ葉に限らず毎年同じような場所に生えることから一度見つけてしまえば毎年そこで収穫することができます。林の際、山道沿いや綺麗な小川、用水路沿いで多く見られるので、注意して探してみましょう。

野生の三つ葉を食べる

野生の三つ葉は、栽培されたものよりも香りも味もより強く感じることができます。これは原種ならではの楽しみです。大きく育ち過ぎたものは葉が硬く食感も良くないので、春先の若芽を狙うのがオススメ、調理の仕方は通常のスーパーなどに流通している三つ葉と同じで問題ありません。

サラダやおひたしなどが香りと味わいをそのまま感じられ野生の三つ葉の良さを味わえます。都会では中々味わうことが出来ない野生の三つ葉、田舎に住んで居なくともアウトドアに出かけた際、例えばキャンプ場の近くを今夜のおかずを一品増やすつもりで散歩しながら三つ葉探しをするのも良さそうです。

野生の三つ葉を活用する

三つ葉は古くから薬草としても利用されてきました。7月頃の花の咲いた時期に全草を採取し、日陰で乾燥させたものは鴨児芹(かもこぜり)という漢方薬となります。これを煎じて飲めば消炎・解毒、血行促進の効能が得られます。また、生の葉は腫物に効き、塩を加えて良くもんだ葉を、患部に塗布することでも活用されてきました。

注意1:よく似た毒草に注意

野生の三つ葉を採取する際にはよく似た毒草である「キツネノボタン」と間違わないように注意します。見た目はよく似ていますが、軸や葉の柄、表面に薄い毛が生えていること、三葉が綺麗に分かれていること、葉に大きな切れ込みがあることが特徴です。

キツネノボタンの特徴と、三つ葉の特徴を見比べ、さらには本物の三つ葉には独特の香りがあることを肝に踏まえつつ採取してください。判断できない場合には無理に判断せず、詳しい人に相談することも大切です。

注意2:一か所で取り過ぎない

三つ葉に限らず、野草全般の採取に言えることですが、目当ての野草を見つけて嬉しいとは言え、一か所で採り過ぎてはいけません。株を弱らせてしまいますし、辺り一帯を採り尽くしてしまえば翌年から生えることも無くなってしまいます。一か所で採るのはあくまで適量、散策を兼ねて三つ葉スポットを沢山探してみてください。

三つ葉の育て方と種類の違い

市場に流通する三つ葉はその栽培方法の違いによって、大きく3つの種類に分けられます。

切り三つ葉の育て方と特徴

切り三つ葉は暗室などで遮光することにより軟化処理がされ、茎が細くて白く葉は薄い緑色をしています。根を切り取り茎を束ねてから出荷され、主に関東を中心に出回っています。関西圏のスーパー等ではほとんど見かけません。

栽培に最も手間がかかる切り三つ葉は、その見た目も品が良く、出荷時期もあってか正月料理などによく使われる他、料亭などに卸されることも少なくありません。思いがけず切り三つ葉の添えられた料理に出会った時には有り難くいただきましょう。

根三つ葉の育て方と特徴

根三つ葉はその名の通り、ごぼうの先のような根がついたまま収穫、出荷されスーパーに並びます。切り三つ葉とは違い根元に土寄せし遮光することにより軟化処理されます。土寄せ後に伸びてくる新芽を根付きのまま収穫し、もちろん根まで食べることができます。

春先が旬で、香りが良く、鍋物や卵とじなど、根付きのセリと同じような調理が良く合います。独特の食感と共に強い香りが味わえます。旬の根三つ葉を味わって、普段スーパーで購入する糸三つ葉との違いを比較してみるのも楽しみの1つです。

糸三つ葉の育て方と特徴

主にハウスで水耕栽培されているのが糸三つ葉です。市場に最も多く流通している三つ葉で、スーパーでよく見かける三つ葉の多くがこれにあたります。軟化処理をされておらず日光が当たっているために、茎も葉と同様に緑色に色づいており、水耕栽培の際に使用されていたスポンジが根についたままの状態で束にされ陳列されているのがスーパー店頭でよく見られます。

三つ葉の栽培は初心者でも簡単

三つ葉はとても丈夫

三つ葉はもともとが野草であることもあり、細々とした見た目とは裏腹にとても丈夫な野菜です。どこでも簡単に、手間もかからず栽培ができる為、家庭菜園初心者にはぴったりです。山地の日陰を好むという野生の三つ葉の特徴をそのままに、湿気があり暖かい日本の気候にぴったりでいくつかの注意点さえ気を付ければ、特に手を掛けなくとも美味しい三つ葉を収穫できます。

とても丈夫な三つ葉の弱点

三つ葉は直射日光と過度な高温や乾燥が苦手

三つ葉はもともと山林や川沿いの湿り気のある日陰を好む植物です。家庭で栽培する場合にも同様で、直射日光と過度な高温・乾燥から守ってあげることが必要になります。その為、半日陰で湿度の高い場所で良く育ち、マンションのベランダや庭先の空きスペースなど、他の野菜を育てるのには向かない場所でもどんどん成長してくれます。

三つ葉を水耕栽培する

水耕栽培ってどんな育て方?

水耕栽培を簡単に説明すると、土の代わりに水と栄養分を混ぜた養液で野菜等を育てる方法です。現在では多くの野菜の栽培に利用され、最近では根菜の栽培にも利用可能となってきています。農業における水耕栽培は大規模かつ機械化されたものが主流ですが、家庭ではペットボトルや食材のパック、100均グッズなどを利用してお手軽に野菜を育てる為の方法の1つになっています。

水耕栽培のメリット

水耕栽培のメリットですが、何より土を扱う必要が無いことが挙げられます。土壌の管理を気にすることなく、また手や道具が泥で汚れる心配もありません。家庭での水耕栽培は基本的に室内で管理されることが多いために、虫が寄ってくることが極めて少なく、害虫被害を抑えることも容易です。苗の育成状況を確認しやすい事も大きなメリットと言えるでしょう。

三つ葉の水耕栽培に必要なもの

水耕栽培に必要な容器は豆腐や果物のパックを使用しましょう。その他にタッパー、100均のかご等も使用可能です。

台所用スポンジは種の植え付けに使います。メラミンスポンジは硬すぎて発芽困難な為使用は控えた方がよさそうです。

ペットボトルは加工してある程度育った苗の植え替え先とするので、育った苗を入れるのに最適になっています。

三つ葉の種は園芸用品店やホームセンター等で購入可能なので、そのような店舗に行き種を入手しましょう。

三つ葉の水耕栽培①:種まき

三つ葉の種を台所用スポンジに植え付けます。発芽までは毎日水替えを行い、適度な水位を保ちつつ、明るい日陰でスポンジ表面を乾かさないように管理します。発芽までは2週間程度かかります。

台所用スポンジを3センチのサイコロ状にカット、上面に十字の切込みを入れます。スポンジの切込みに種を1~3粒ずつ入れます。容器にスポンジを並べ、2/3が浸かる程度まで水を注いだら完了です。

三つ葉の水耕栽培②:発芽~本葉育成

スポンジから発芽した生育状態の悪い芽を間引きその後の成長に備えます。1つのスポンジで発芽が見られると、同時期に植えた種はその後一気に発芽します。引き続き乾燥に注意しつつ水の管理を維持します。発芽後しばらくして本葉が2~3枚育ってきたら、それぞれのスポンジで一番成長の良い芽を残して残りは間引きます。
 

三つ葉の水耕栽培③:植え替え

本葉が4~5枚になり、スポンジの底から根が飛び出てくると植え替えの合図です。500mlのペットボトルをカーブの部分から切り離し、ひっくり返して差し込みます。本葉が育って底から根が飛び出してきたスポンジをペットボトルの飲み口にセットし、スポンジの根が水に軽く浸るように水位を管理しましょう。ペットボトルはアルミホイル等で覆う事で、藻の発生を抑制できます。

三つ葉の水耕栽培④:収穫

その後も強い直射日光の当たらない明るい日陰、レースカーテン越しの窓際などで育成を続けてください。ちょうどよい大きさに葉が茂ったところで収穫します。収穫の際にはペットボトルに差し込んだまま茎を5センチほど残して上部を切り取りましょう。これがとても重要になります。

三つ葉の水耕栽培⑤:収穫後に再生

葉を切り取った後の苗ですが、実は根がまだまだ生きています。液肥を追加し、水と日光の管理を続ける事で新たな芽が成長し、再び収穫することが可能です。状態のいい芽を丁寧に管理すれば、自家製の三つ葉で長く食卓を彩る事が可能になります。

裏技:スーパーで買った三つ葉の根をペットボトルに植え付ける!

実はもっと簡単な三つ葉の育て方があります。スーパーで買って、使い終わった後の三つ葉の根をペットボトルに植え付けるだけです。この章で説明した特製ペットボトルに茎を5センチ残してスポンジの付いたままの根を、種から育てた時と同様に差し込んでしまうだけ。これだけのことで難しい手順も手間も抜きに繰り返し三つ葉を収穫できるミニ菜園が完成します。

三つ葉をプランター栽培する

プランター栽培ってどんな育て方?

農家は野菜を畑で育てるものですがプランターを上手く使えば、庭先やベランダに小さな畑を再現してあげることが可能です。家庭菜園で使うプランターはプラスチックを使用した長方形のものが一般的で、底部に排水用のすのこや栓があり、それらを上手く活用することで草花や野菜を上手に育てることできます。

プランター栽培のメリット

プランター栽培最大のメリットは畑を作る土地が必要ない事でしょう。畑が無くても手軽に野菜を育てる事ができます。庭先の空きスペースや、ベランダはもちろん、場合によっては室内で育ててあげる事も可能でしょう。また、畑を耕す必要が無く、土づくりも市販の培養土を使えば手間がかかりません。収穫も手軽なことも大きなメリットです。

三つ葉のプランター栽培に必要なもの

プランターは45~60センチ程度の長方形タイプが扱いやすいのでおすすめです。少し大きめかな?と思う程度のプランターを購入しましょう。

土は市販の野菜栽培用の培養土を使いましょう。市販の土の方が栄養なども入っていますので、苗には効果的になっています。

三つ葉の種は園芸用品店やホームセンター等で購入可能になっていますので、見つけてみましょう。

三つ葉のプランター栽培①:種まき

三つ葉の種まきは春から初夏、秋に行います。種はとても硬く発芽率が悪いので、種まきの前日から水につけておきましょう。発芽後に間引く事を前提に、0.5~1センチ程度の深さの溝に1センチの間隔で種を撒きその上にできるだけ薄く土をかけます。種をまいた後には、発芽するまで土が乾かないように、こまめに水をやることを心掛けます。発芽まではおよそ2週間必要です。

三つ葉のプランター栽培②:発芽~間引き

プランター全体で一列に発芽したら育成が悪い芽を間引き、3センチ程度の間隔になるようにします。本葉が4,5枚になり、草丈が10センチ程度になる頃に2度目の間引きを行います。

一度目と同様に成長の悪い芽を選び、株と株の間隔が5~7センチになるようにします。過密気味植えれば細く柔らかに、より間隔を開ければ栄養が集中し、より太い茎となり食感を楽しめます。

三つ葉のプランター栽培③:土寄せと草抜き

2度目の間引きを行った直後はそれぞれの芽がまだまだ細く、間隔も空くため、雨風などで簡単に倒れてしまいます。間引きの後には離れた場所の土を根元に寄せ株が倒れないようにします。また、発芽前からも含め、雑草を見かけた場合にはなるべく早く除草するように心がけましょう。

三つ葉のプランター栽培④:収穫

プランター内で葉が生い茂るようになれば十分収穫可能です。草丈や葉の大きさを比べつつ収穫の時期を変えてみるのも違った味わいを感じられて良いでしょう。収穫の際には根元から5センチほど茎を残して切り取るように心掛けます。
 

三つ葉のプランター栽培⑤:収穫後に再生

三つ葉は残っている株から新しい茎を伸ばす為、根を残し茎の上部と葉を繰り返し収穫することが可能です。ただし、三つ葉は連作障害を起こす野菜なので、繰り返しの収穫を望む場合には追肥を行います。

裏技:スーパーで買った三つ葉の根をプランターに植え付ける!

実はさらに簡単に育てる裏技があります。スーパーで買ってきた根付の三つ葉を使う際に、根をスポンジが付いた状態で茎を5センチほど残し、それをそのままプランターに植えてあげるだけです。これならば種まきからは発芽までの時間もかからず、若芽を間引く必要もありません。プランター栽培を手軽に試したい場合には、スーパーで買った三つ葉をプランターに植え付けることも検討してみてください。

三つ葉栽培のポイントまとめ

ポイントその1:三つ葉はとても丈夫!家庭でも簡単に育成可能

三つ葉はとても丈夫な植物、直射日光や過度な高温、乾燥に気を付ければ初心者でも十分家庭菜園可能です。野生種の特徴と、流通種の育て方の違いを理解すれば、家庭で栽培する際にも大いに役立ちます。

ポイントその2:手軽さと初期投資では水耕栽培に分

水耕栽培とプランター栽培では、準備の手軽さ、初期投資とも水耕栽培に分がありそうです。スポンジやペットボトルの加工が苦にならなければ水耕栽培を試してみることをお勧めします。逆に自宅にプランターや、野菜育成用の培養土が余っているような場合には、それらを利用して三つ葉栽培を始めれば、ほかの野菜と同じような感じで三つ葉栽培を始められます。

ポイントその3:まずはお手軽三つ葉栽培の裏技を試してみる

水耕栽培とプランター栽培のどちらにも使える三つ葉栽培の裏技は、スーパーで買った三つ葉の根を植えてしまう方法です。これは種まきから発芽までの手間と時間を省けるほか、もともと綺麗な環境で育った苗を使うために丈夫で育てやすいという大きなメリットがあります。初期投資が限りなく低く抑えられるのもポイントです。

三つ葉栽培を始めてみよう

三つ葉の特徴や原種である野生の三つ葉の紹介から始まり、育て方による種類の違いや水耕栽培とプランター栽培の比較を進めてきました。それぞれにぴったりな三つ葉の育て方は見つかりましたか?

記事を参考に皆さんにぴったりな三つ葉の育て方を見つけてください。方法を組み合わせたり、工夫するのも良いでしょう。上では紹介しませんでしたが、野生の三つ葉をプランターに植え付けるなんて方法でもミニ家庭菜園を楽しむことができます。楽しく美味しい三つ葉栽培ライフを始めましょう。

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