冬瓜の旬の時期はいつ?夏野菜なのに「冬の瓜」と書く理由や保存法も紹介

最近低カロリーでダイエットに最適と注目が集まっているのが、夏野菜の「冬瓜(とうがん)」です。夏野菜なのになぜ「冬の瓜」と書くのでしょうか? 冬が旬と思っている人もいるかもしれません。その名前の由来からくる冬瓜の特性、旬の時期、選び方、消費期限、保存方法、調理方法、効能について解説していきます。また、本州ではあまり知られていない食べ方についても取り上げていきます。

冬瓜の旬の時期はいつ?夏野菜なのに「冬の瓜」と書く理由や保存法も紹介のイメージ

目次

  1. 1冬瓜(とうがん)という野菜
  2. 2なぜ冬の瓜と書くのか?
  3. 3なぜ旬でない4月10日が冬瓜の日?
  4. 4冬瓜の種類
  5. 5冬瓜の旬の時期は?
  6. 6旬の冬瓜の選び方
  7. 7旬の過ぎた冬瓜:消費期限
  8. 8旬の冬瓜の保存方法
  9. 9旬の冬瓜の調理方法
  10. 10お菓子にもなる冬瓜
  11. 11冬瓜の栄養と効能
  12. 12冬瓜という野菜のまとめ

冬瓜(とうがん)という野菜

冬瓜(とうがん)は、ウリ科の植物で、果実を食用としています。キュウリ、スイカ、メロンの仲間です。原産は南アジア及び東南アジアで、日本では奈良時代にはすでに栽培されていたという記録もあります

一口に冬瓜といっても、丸いもの、俵のように長いもの、熟すると白っぽくなるもの、熟しても鮮やかな緑のままのもの、いろいろあります。

味は淡白で、あっさりしています。日本料理では、皮を剥いて風呂吹きにする調理法が主流です。成分が水分が主で、カリウムを多く含んでいます。カリウムには利尿作用があり、むくみをとる効果があります。

 

なぜ冬の瓜と書くのか?

夏野菜なのに、なぜ冬瓜というかといえば、大変日持ちする野菜で、冬まで置いておいても食べられるからだといいます。しかし、実際には、7月に買った冬瓜がお正月に食べられるかといえば、そこまでではないそうです。後述する効能から考えれば、冬まで待たず暑い夏に食べるのが適切な野菜といえます。

なぜ旬でない4月10日が冬瓜の日?

4月10日が冬瓜の日と言われています。夏野菜なのになぜ4月に冬瓜の日ができたのでしょうか?この日を決めたのは全国一の冬瓜の生産量を誇る沖縄県です。沖縄県では冬瓜をシブイと呼びます。4月10日はこのシブイの4と冬瓜の10を合わせたものだそうです。しかし、4月は冬瓜はあまり販売されていない時期です。少し無理のある日付の設定に思えます。
 

しかし、「冬瓜の旬の時期」にて詳しく述べますが、沖縄の人たちにとっては、4月の冬瓜の日はそれほど違和感のある日付の設定ではありません。沖縄では、冬瓜(シブイ)は大根よりもポピュラーな野菜で、温暖な気候もあって1年中シブイを食するといいます。

しかし、沖縄県以外の人にとっては、なお違和感のある4月10日の「冬瓜の日」です。それでというわけかどうか分かりませんが、沖縄県、愛知県につぐ冬瓜の生産地岡山県の瀬戸内市が、7月10日を冬瓜の日と2014年に制定したそうです。なお、瀬戸内市は市町村別では全国一の冬瓜の生産量を誇っているそうです。7月10日は、日本の多くの人にとって「冬瓜の旬の季節、夏がやってきた」と思える日かもしれません。

冬瓜の種類

冬瓜と一口に言っても様々な品種があります。大きく分けて、球型の丸とうがんと俵型の長冬瓜があります。

大丸冬瓜

丸とうがんの代表的な品種は、大丸冬瓜です。原種に近いもので、熟すと白い粉が吹きます。種が多く、最近では、あまり市場に出回らなくなりました。しかし、昔は冬瓜といえばこの品種でした。戦時中や戦争直後、食べ物がなかった時代には貴重な食料だったそうです。お年寄りには思い出深く、愛着を持つ人も多いそうです。また、家庭菜園をする人の中には、大丸冬瓜の栽培を楽しむ人もいるようです。
 

長冬瓜

長冬瓜は、名前の通り長い俵のような形状です。大きく育つと長径1m近く重さ10kg以上になるものもあります

姫冬瓜

姫冬瓜は小さめの長冬瓜で家庭菜園用にポピュラーな冬瓜です。実のつき始めはうぶ毛が生えて、収穫時期には毛はなくなり、白く粉が吹きます。収穫時期がわかりやすいのと場所を取らないのでベランダで家庭菜園をする人に人気です。

Thumb水耕栽培で簡単に家庭菜園!初心者にもおすすめの野菜と選び方や育て方も! | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

沖縄冬瓜

沖縄冬瓜は、最近最も市場に出回っているポピュラーな冬瓜です。最近では冬瓜といえばこの沖縄冬瓜をイメージする人が多いでしょう。特徴としては、熟しても鮮やかな青い色のままであることです。名前の通り、沖縄で本州の冬瓜が品種改良されてできたものです。今では、本州でも栽培されているそうです。

形状や大きさ、色からいろいろな品種がありますが、味や栄養価ついてはどれも大差はないようです。ただ、小さいものより大きい方が果実が柔らかいそうです。

冬瓜の旬の時期は?

冬瓜の旬の時期は盛夏

これまでご紹介したように冬瓜は夏野菜です。なので夏が冬瓜の旬の時期といえます。しかし、実のところ冬瓜は通年出荷されています。もっとも流通量が多いのは盛夏の7月と8月ですが、地方によってはピークは少し異なるようです。

北海道・東北での旬の時期

北海道・東北では気温の関係上、種まきなどは1か月くらい遅れて行うので収穫も秋ごろになるそうです。なので、北海道・東北では、冬瓜の旬の季節は、9月から10月の初秋といえます。

沖縄での旬の時期

冬瓜(しぶい)が一番生産されている沖縄県では、収穫のピークは本州より一足早い4月から6月です。沖縄冬瓜の旬の時期は、初夏といえるでしょう。先ほどご紹介しましたが、なぜ沖縄県にて4月10日を「冬瓜の日」と制定されたのかといえば、収穫ピークの始まりで、沖縄県民にとっては「冬瓜の旬の時期の始まり」という意味もあったかもしれません。

お店にならんだ冬瓜は旬の時期のもの?

旬の時期は、このように地方によって異なります。いずれにしてもお店にならんでいる冬瓜は食べごろのものが並んでいます。なので、お店にならび始めたら冬瓜の旬の時期が始まったと考えてもいいでしょう。

冬瓜の旬の時期は立冬?

かつては、立冬に冬瓜を食べる習慣があったそうです。なぜ、そうした習慣があったのかはっきりした理由はわかっていませんが、冬瓜にはビタミンが含んでいるので、風邪予防の効果を期待していてかもしれません。また冬に迎えるにあたって保存していた夏野菜の冬瓜を整理する意味もあったかもしれません。なので、立冬の頃が名前の通り旬の時期と思った人もいたかもしれません。おでんやあんかけなど、暖かい料理で食べたのでしょうね。

旬の冬瓜の選び方

冬瓜は、白い粉がふいているのが、熟しているといいますが、沖縄冬瓜のように白くならない品種や、白い粉を拭き取って販売している所もあります。白い粉のない冬瓜は、表面に傷がなく色鮮やかなものを選びます。カットして販売しているものは果実が白くみずみずしく、中の種とワタがぎっしり詰まっているものを選びます。

旬の過ぎた冬瓜:消費期限

丸ごとの場合は、常温で1-3ヶ月はもちますカットされていない冬瓜は、消費期限を過ぎたのが見分けがつきにくいといいます。表面に黒い部分が現れたり、大きさが小さくなっていたら、カットしてみたほうがいいかもしれません。悪臭がしたり、果肉が変色したりしたら、食べないほうがいいでしょう。中の種とワタの部分がスカスカになっているだけの場合は、食べられるかもしれませんが、風味は落ちるでしょう。

生あるいは調理後の果肉に強い苦みを感じたら、もったいなくても処分した方がいいでしょう。なぜなら、ククルビタシンという成分が多く含まれていて、沢山食べると食中毒の症状を起こすことがあるそうです。

カットされたものは傷みやすいので、冷蔵で2、3日で食べ切るようにします。2、3日では食べ切れないという時は冷凍保存がオススメです。1ヶ月はもちます。
 

旬の冬瓜の保存方法

冬瓜は「なぜ、冬の瓜と書くのか?」で触れたように、日持ちする野菜です。丸ごとの場合は風通しのよい場所で常温で保存します。なぜ冷蔵より常温保存がいいかといえば、冷蔵では水分が早くなくなって、冬瓜のみずみずしさが失われるからです。
 

冷蔵する場合は、サランラップにピッタリ密着させて包んで冷蔵庫に入れます。ワタとタネの部分は必ず取り除きます。なぜなら、ワタの部分から傷み出すためです。

冷凍する時は、あらかじめ調理できるくらいの大きさにカットしておきます(後述の「冬瓜のカット方法を参照ください)。真空保存のツールがあれば、それを使って真空保存すれば持ちがいいです。もう一つの方法は、金属トレーに乗せて急速冷凍して、その後冷凍保存袋に入れます。急速冷凍にはアルミ製トレーなら安価で手に入り、効果もあるのでオススメです。

生のまま冷凍保存もできますが、一旦下茹でしてから冷凍保存することもできます。そうすることで、調理時間を短縮することができます。下茹でして冷凍保存するときのポイントは、固めに茹でること、そして粗熱を取った後、水けをふき取って冷凍することです。なぜ固めに茹でるかといえば、調理の際に再度加熱するからです。

調理するときは、冷凍のままゆでたり炒めたりすることができますが、生で冷凍して厚切りにしている場合は、自然解凍してから調理します。20分から30分で解凍します。また半解凍で調理することも可能です。

旬の冬瓜の調理方法

冬瓜のカット方法

まるごとの冬瓜の場合は、冬瓜の大きさによって輪切りにしやすい手ごろな大きさに切ります。小さめの冬瓜で1/4くらいです。すでに、カットされたものを買っていた場合は、そのまままな板に置きます。

次に、皮もワタも種もついたままで、3㎝ぐらいの輪切りにします。いわゆる菜切包丁で切ると、サクサクときれます。

次に皮をむきます。冬瓜を柔らかく煮た料理の場合は、いわゆる大名剥きで厚くむきます。3mmから5mmくらいむきます。皮はきんぴらなどの料理につかえます。歯ごたえと冬瓜の青い色合いを残したい場合は、ピーラーで薄く向きます。この場合、青い部分は味のしみ込みがよくないので、包丁で格子状に切れ目を入れます。

最後にワタと種の部分を包丁でカットします。これは、輪切りの後、さらに1/4くらいの一口サイズにカットしてから行います。スプーンで最初に削り取るやり方もありますが、ワタをきれいに取るのが大変なのと、ワタが残っているのと触感が悪いので、包丁でカットしてしまった方が、確実で手早いです。

煮物の場合は、煮崩れを防止するために面どりをするといいです。炒め物やみそ汁用には、さらに薄く切ります。

Thumb冬瓜の切り方・調理法のコツは?簡単な煮物の下ごしらえやむき方を紹介 | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

旬の冬瓜の食べ方

冬瓜の料理で代表的なのは、肉や魚と一緒に煮込んで味がしみ込んだトロトロの食感を楽しむ煮物です。秋口や初冬にあたたかくいただけそうです。

冬瓜は生でも食べられます。暑い夏の時期には、あっさりとしたサラダで涼感を味わえそうです。

中国では、冬瓜をくりぬいて中に冬瓜の実とともに様々な食材が入ったスープを入れて食べる宴会料理「冬瓜盅(トンクワチョン)」があります。見た目も華やかで楽しい気分になりますね。

Thumb冬瓜(とうがん)のレシピで人気1位は?簡単で美味しいメニュー・作り方 | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

皮やワタも食べられる?

厚く剥いた皮は、きんぴらにして食べることもできます。また、種をナッツのように炒って、きんぴらに入れてアクセントにするレシピもあります。

ワタも、おみそ汁などにして食べられます。果実も皮もワタも種も食べられる、冬瓜は無駄のない食材です。

お菓子にもなる冬瓜

冬瓜といえば野菜ですから、料理に使うものものと思っている人は多いと思います。しかし、冬瓜を1年中食する沖縄では、琉球王朝から伝わる伝統銘菓の材料としても知られています。その名は「冬瓜漬」で、シンプルに長方形にカットした冬瓜とグラニュー糖でじっくり煮込んだだけのものです。

味わってみると表面は砂糖でカリっとして、中身は冬瓜のジューシーさが詰まっていて、口の中でトロけるような味わいです。このお菓子は王族や高貴な身分の人しか口にできませんでした。琉球王朝のあともしばらくはお金持の人でないとたべられない高級お菓子でした。庶民が口にできるようになったのは、戦後しばらくしてからのことだといいます。

一方中国や台湾では、この冬瓜漬をそのままお菓子として食べるだけではなく、潰してお餅の餡にしたり、作る過程で出た煮出し汁をシロップとして飲み物にしたり、漢方薬として食したりするそうです。八寶芋泥という里芋ケーキの材料にもつかわれます。
 

煮出し汁をシロップにした飲み物は、台湾では缶ジュースとしても売られています。また冬瓜茶というお茶の葉を使わないお茶のような飲み物として知られています。冬瓜は、お菓子や飲み物にもこれほど広く使われているのです。

冬瓜の栄養と効能

冬瓜の成分90%以上は水分で、特に栄養価の高い食べ物ではありません。しかしカリウムを多く含んでいるので、利尿作用があり、体のむくみを取るのに効果があると言われています。カリウムは塩分を排出する機能もあるので、高血圧を下げる効果もあります。
 

冬瓜にはビタミンCも多く含まれています。これは美肌や風邪の予防に役立ちます。そしてなんといっても現代人にとって嬉しいのが低カロリー。100gあたり16カロリーしかありません。一方、冬瓜は体を冷やす効果があるため、冷え性の人は食べすぎに注意が必要です。

Thumb冬瓜の栄養成分と効能がすごい!低カロリーでダイエットにもおすすめ? | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

冬瓜という野菜のまとめ

いかがだったでしょうか?冬瓜の旬の時期、その時期に反して冬の瓜と書く理由と共に、保存方法やさまざまな利用方法を解説していきました。皆さんのお住いの地域の冬瓜の旬の時期に、ぜひ冬瓜を味わってみてはいかがと思います。

関連するまとめ

関連するキーワード

新着一覧

最近公開されたまとめ