あずきバーの硬度はどれくらい?サファイアよりも硬いのか調査!

あずきバー、小売店で圧倒的な人気を誇る井村屋のアイスですが、その硬さが度々話題になり公式サイトでも注意が促されるほど。今回はそのあずきバーの硬度がモース硬度9を誇る宝石サファイアの硬度を上回るのかを調査しました。人が生み出した小豆色の氷菓の硬度は、自然が生んだ美しい宝石のそれに勝るのか?あずきバーの歴史や硬さの秘密と合わせて、注目の調査結果を皆さまに紹介します。

あずきバーの硬度はどれくらい?サファイアよりも硬いのか調査!のイメージ

目次

  1. 1あずきバーってどんなアイス?
  2. 2あずきバーの歴史
  3. 3あずきバーの硬度が話題に
  4. 4あずきバーと硬度を比較、サファイアの硬度とは?
  5. 5あずきバーの硬度を精密測定
  6. 6あずきバーの硬さの秘密
  7. 7とっても硬いあずきバーを美味しく食べよう!

あずきバーってどんなアイス?

あずきバーは発売以来、根強い人気を誇る井村屋自慢の逸品です。あずきバーの原材料はぜんざいと同じで、小豆・砂糖・コーンスターチ・塩・水あめだけしか使われていません。バーアイスの一種ですが、アイスクリームは種類により4つに分類され、あずきバーは氷菓となります。氷菓とは乳固形分がほとんどなく、果汁などを凍らせたアイスキャンディーやかき氷がそれにあたります。

あずきバーの歴史

あずきバーの誕生

あずきバーが発売されたのは1973年、発売から45年にもなる古い歴史を持つ小豆アイスです。「あんの消費が落ち込む夏場に、あえてあんのお菓子を食べてもらう」というコンセプトで誕生しました。発売当時は一本30円で販売されていたそうで昔も今と変わらず子供達が手頃に買える人気のお菓子でした。

あずきバーが商標登録される

あずきバーは現在、単体売上高の2割弱を占める井村屋の主力商品で、日本国内のスーパーでは9割以上の店で販売される国民的アイスの1つとなりました。7~8月にはアイスキャンディ売上高日本一、2016年度には年間約2億5800万本の販売実績を記録しています。誰もが知るお菓子となり、2013年には「あずきバー」として商標登録も認められています。

あずきバーの日

井村屋は、2007年に毎月1日を「あずきの日」、7月1日を「井村屋あずきバーの日」として日本記念日協会に登録しています。夏に健康に良い小豆を多くの人に食べてもらいたいという想いから各種メディア等を通じて普及に尽力されており、7月1日のあずきバーの日には全国の複数個所であずきバーの無料配布イベントが行われます。今後ますますお菓子としての人気が高まるのは間違いありません。

あずきバーの硬度が話題に

そんなあずきバーの硬さ・硬度がここ数年、インターネットニュースなどで話題にあがるようになりました。”硬い”ことが美味しさよりも取り沙汰されることが増えているようで、その状況には販売元である井村屋も困惑する程とのこと。冷凍庫から取り出したばかりのあずきバーにかじりつき『硬い!』と声をあげた人も多いはず。ここでは”硬い”ことが話題になったニュースのいくつかを紹介したいと思います。

公式アカウントが注意を呼び掛ける

あずきバーの余りの硬さに、井村屋の公式Twitterアカウントが注意を呼び掛けてたこともありました。そのツイートに多くの反応が集まり、意図せずして硬いことが更に話題になることとなりました。また、井村屋の公式サイトでも同様の注意がなされており、やはり歯を痛めない様にご注意くださいとあります。

あずきバーで釘を打つ

あずきバーのお菓子の次元を超えた余りの硬さに、テレビ番組であずきバーで釘を打つコーナーまで現れました。科学の実験で液体窒素に浸したバナナを使って釘を打つという話を聞いた事がある人は多いかもしれませんが、ただの冷蔵庫で凍らせたアイスを使って釘を打つとは、お菓子としては如何に非常識な硬さを持っているかが伺えます。

あずきバー専用のかき氷機が発売される

世界一硬いアイスを削って新しい食感を体験しよう!というコンセプトの下で、2007年にタカラトミーアーツから『おかしなかき氷 あずきバー』と銘打ったかき氷機が発売されました。あずきバーがあまりに硬かったようで、専用かき氷機商品化への道は苦難の連続だった模様、数々の試作機を経て完成したそれはあずきバーを一本全て削ることに成功し、販売に至りました。

あずきバーと硬度を比較、サファイアの硬度とは?

あずきバーの硬度を測定するにあたって、比較対象として選んだものはサファイア、宝石として有名なあのサファイアです。ダイヤモンドに次ぐ硬さを持つ宝石としても有名なサファイアですが、宝石としての基本知識と世の中に複数ある硬さの定義(尺度)についても簡単にまとめます。

サファイアってどんな宝石?

サファイアは碧玉とも呼ばれる、コランダム(酸化アルミニウムの結晶からなる鉱物)の変種で、ダイヤモンドに次ぐ硬度の赤色以外の色の宝石です。色が赤いものはルビーとして扱われます。また、9月の誕生石としても有名です。最近では人造の単結晶コランダムが工業製品にも使われ、身近なところでは無色透明なものがサファイアガラスとして、iPhoneのカメラレンズの保護などに使われています。

モース硬度9はダイヤモンドに次ぐ硬さ

モース硬度は宝石を含む鉱物に対する硬さの尺度の1つです。解りやすく表現すると「ひっかいた時の傷付きにくさ」となります。1から10までの整数値で表され、それぞれの硬さに対応する標準的な鉱物が標準物質として設定されていますが、サファイアはモース硬度9の標準物質です。これはダイヤモンドに次ぐ硬度であり、ガラスや鋼鉄、石英にも傷をつけることができる硬度となります。

ロックウェル硬さとは?モース硬度との違いは?

ロックウェル硬さはモース硬度と同様に硬さの尺度の1つですが、こちらは主に工業材料の硬さを表す尺度として使われ、押し付ける力に対する強さで測定されます。こちらも数字が大きければ大きいほど硬いのですが10段階評価ではありません。後述する硬度計ではHRCという尺度で表され、ナイフの鋼材では50~60程、ダイヤモンドでは711相当となります。問題のサファイアだとHRCは227となります。

あずきバーの硬度を精密測定

あずきバーの硬度を、工業材料の硬度を測定する機械で測定したのが関市のナイフメーカー「ジー・サカイ」です。なんと井村屋の許可を得た上での測定というのですから驚き、更にはその動画をYoutubeにも公開しています。デジタルロックウェル硬度計で、「ロックウェル硬さ」という工業材料の硬さを表す尺度を測定しました。その驚きの結果はこちらです。

硬度計でHRC 327.9を確認…

HRC 327という値は、サファイアの硬度HRC 227を大きく上回っています。数値上は、ダイヤモンドに次ぐ硬度の宝石であるサファイア以上の硬度を記録したことになります。ということは、サファイアより硬いと言っていいかというと、事はそう簡単ではありません。計測したのは一瞬、しかも硬度が一定しなかった為、精密機械をもってしてもあずきバーの正確な硬度を測定することは出来ませんでした。

常にサファイア以上の硬度だと困ったことに?

ここまで長々と硬度測定のお話をしてきましたが、瞬間的にあずきバーの硬度がサファイアの硬度を上回ったことは事実です。ですが、その数値もあくまで一瞬、結果的には硬度が一定せず測定不能という結果に終わりました。これは残念な気もしますが、我々にとっては幸せな結果だったと言っていいでしょう。もし、常にサファイア以上の硬度だったとしたら、あずきバーの美味しさを味わうこともできません。

あずきバーの硬さの秘密

あずきバーは、意図して硬くしている訳では無いと井村屋は言います。ユーザーにとって安心で安全な原材料を使用することやお菓子としての美味しさを追求していく中で、今のように硬いあずきバーになっていったそうです。硬いあずきバーの秘密は原材料にあるようですが、具体的にはどういうことなのか、3つの理由が挙げられます。

理由その1:乳化剤や安定剤といった添加物を使用していない

あずきバーには乳化剤や安定剤といった添加物が使用されていない点です。開発のきっかけは「井村屋が得意なぜんざいを固めてアイスにできないか」という発想からでした。

もともとぜんざいを固めてアイスにするという発想で作られていて、原材料には小豆・砂糖・コーンスターチ・塩・水あめの5種類しか使われていません。デメリットとして溶けやすくなりましたが、冷凍庫から取り出した直後にはとても硬いあずきバーになりました。

理由その2:乳固形分が入っていない

あずきバーには多くのアイスクリームと違って乳固形分が入っていません。乳固形分は乳製品の中の水分以外の固形分のことで、いわゆる脱脂粉乳などがそれにあたります。それらが入っていないことが硬いあずきバーに繋がる理由ですが、水分が多ければ多いほど、冷やし固めた時により氷が占める割合が高くなります。乳固形分が無く、水分が多い事が、より硬いあずきバーになる理由の1つです。

理由その3:空気の含有量が極めて少ない

空気の含有量が少ない事も理由の1つにあげられます。先に挙げたぜんざいをそのままアイスにするという発想のとおり、小豆・砂糖・コーンスターチ・塩・水あめの5種類しか使われていません。それらのシンプルな素材を製造過程でぎっしり詰め込んだ結果、気泡が少なくなって硬いあずきバーに仕上がることになりました。空気を多く含んだお菓子はメレンゲ然り、ふわふわとした食感に仕上がりますが、まさにその逆ということです。

あずきバーは年々硬くなっている

そんなあずきバーですが、45年間の年月の中で徐々に硬くなっています。その理由ですが、昔と比べて甘さが求められなくなり、相対的に水分量が増えた結果、あずきバーに含まれる氷の割合が増え、徐々に硬くなっていきました。理由その2の説明で挙げたように、あずきバー中の水分が増えることはイコールあずきバーの硬さに繋がっています。

とっても硬いあずきバーを美味しく食べよう!

あずきバーの硬度を正確に測定することには至りませんでしたが、その歴史や噂話、硬さの秘密までお伝えしてきました。一瞬とは言え、サファイアの硬度を越えたのも、冷凍庫から取り出した直後のあの硬さを思えば頷けます。

そんなあずきバーの硬さの秘密は美味しさへのこだわりが生み出したものでした。この次にスーパー、コンビニに立ち寄った際には是非あずきバーを手に取って欲しいと思います。もちろん、お召し上がりの際には硬さに十分お気をつけください。

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