こめ油が危険といわれる理由は?効果効能や選び方・おすすめの摂り方も

こめ油が身体に悪くて危険といわれる理由について迫ります。米ぬかからの抽出方法や実際にあった症例をもとに、本当に危険な油なのかを詳しく検証。また、含まれる成分や効能や効果も解説します。安全なこめ油の選び方のお役立ち記事です。

こめ油が危険といわれる理由は?効果効能や選び方・おすすめの摂り方ものイメージ

目次

  1. 1こめ油が危険というのは本当?
  2. 2こめ油とは?
  3. 3こめ油が危険といわれる理由
  4. 4こめ油の効果効能
  5. 5こめ油の選び方とおすすめの摂り方
  6. 6こめ油は栄養価が高く危険は少ない

こめ油が危険というのは本当?

危険と噂されるこめ油

こめ油は、サラダ油やごま油、オリーブオイルなどと同じく、身近に存在する食用油です。栄養価が高いともいわれ料理にも広く使われている油ですが、一方で身体に悪く危険なのではないかという噂もあります。

こめ油は本当に危険な油なのか、その噂の理由や含まれる成分、効能、抽出方法などについて調査しました。

こめ油とは?

こめ油の特徴

サラダ油の一種であるこめ油

こめ油は、米ぬかから抽出されるサラダ油の一種です。サラダ油の中でも、サラサラしており匂いや味にクセがないという特徴があります。

クセがないのは、青臭い匂いの原因であるプロパナールという物質が、他のサラダ油に比べて少ないからです。そのため、揚げ物や炒め物料理にはもちろん、お菓子やドレッシングに使われることもあります。

こめ油に含まれている栄養成分

さまざまな栄養が含まれるこめ油

こめ油は栄養価が高い油です。含まれる栄養成分には、ビタミンE、トコトリエノール、植物ステロール、y-オリザノールがあります。

トコトリエノールはスーパービタミンEとも呼ばれ、ビタミンEより数倍も高い抗酸化作用があります。植物ステロールは油の食物繊維とも呼ばれており、悪玉コレステロールの吸収を抑えてくれる成分です。

y-オリザノールはこめ油特有の栄養成分です。コレステロールの吸収を抑えたり、血中のコレステロールを低下させます。自律神経を整える働きがあるともいわれています。

こめ油の抽出方法

抽出されたこめ油

こめ油の抽出方法は、圧搾法と溶剤抽出法という二つの抽出方法があります。圧搾法は、米ぬかに圧力と熱をかけて油分を抽出する方法です。精製率が高く汚水が出にくいため、品質の安定性が良いといわれています。

溶剤抽出法は、ノルマルヘキサンと呼ばれる有機溶剤を使って抽出する方法です。油分の少ない米ぬかにも使うことができ、コストを抑えて精製できるというメリットがあります。

これらの抽出法のほか、抽出したこめ油の暗い色をとるためシリカゲルを使って明るくする分離法を使うこともあります。

こめ油が危険といわれる理由

理由①カネミ油症事件の影響

精製されたこめ油

カネミ油症事件とは、昭和時代にカネミ倉庫社で製造されたライスオイルを摂取した人が、食中毒を起こしたという事件です。

ライスオイルを摂取した人の皮膚や神経、呼吸器などにさまざまな中毒症状が見られたことから、こめ油は危険というイメージが広まりました。

しかし、原因は製造過程で異物が混入したことによるものと明かされており、ライスオイル自体が症状の直接的な原因ではありません。

事件の原因は、「ライスオイル(米ぬか油)」の製造工程中の脱臭工程において、熱媒体として使用されていたポリ塩化ビフェニル(PCB)、ダイオキシン類の一種であるポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)等が製品中に混入したことによるものです。

理由②トランス脂肪酸が含まれているから

脂肪酸を含むこめ油

こめ油が危険だという意見には、トランス脂肪酸が含まれているからというものがあります。トランス脂肪酸は身体に悪影響があり、摂取しすぎると肥満や高血圧などの原因となる脂肪です。

しかし、こめ油に含まれているといっても、ごくわずかの量でしかありません。こめ油に含まれるトランス脂肪酸が身体に悪影響を与えるのは、こめ油を1日に100g以上摂取した場合といわれています。通常料理で使用する範囲では、問題ありません。

トランス脂肪酸については、食品からとる必要がないと考えられており、むしろ、とりすぎた場合の健康への悪影響が注目されています。日常的にトランス脂肪酸を多くとりすぎているには、少ない場合と比較して心臓病のリスクが高まることが示されています。

すぐにわかるトランス脂肪酸

理由③薬剤を使用した抽出方法

抽出されたこめ油

米ぬかから油を抽出する際に使われる、ノルマルヘキサンが有毒であるため、危険ではないかという意見もあります。ノルマルヘキサンは灯油などにも含まれており、摂取すると害があります。

しかし、こめ油の製造過程で全て取り除かれるため、成分は油の中に残っていません。製造メーカーでも、抽出過程で薬剤の成分は残らないと説明されています。

経口摂取:腹痛、めまい、し眠、感覚鈍麻、頭痛、吐き気、脱力感、意識喪失。液体を飲み込むと、肺に吸い込んで化学性肺炎を起こすことがある。高濃度の場合、意識低下を引き起こすことがある。中枢神経系、特に末梢神経系に影響を与え、多発性神経障害を生じることがある。

化学物質の環境リスク初期評価(平成9~12年度)結果[39物質]

こめ油の効果効能

効果効能①血圧と血糖値の上昇を抑える

料理に使われるこめ油

こめ油に含まれるy-オリザノールやトコトリエノール、植物ステロールには、悪玉コレステロールの吸収を抑えたり、血中のコレステロールを低下させる働きのある成分です。

また、y-オリザノールはインスリンの分泌を促すこともわかっています。これにより、血圧や血糖値を抑え、肥満や生活習慣病の予防にも役立ちます。

効果効能②がんや動脈硬化の予防

栄養素の多いこめ油

血中のコレステロールを下げて血圧を下げることは、高血圧が原因で起こる動脈硬化の予防にも繋がります。

また、ビタミンEやy-オリザノール、コトリエノールには、強い抗酸化作用があります。動脈硬化や心筋梗塞といった生活習慣病の予防だけでなく、がんの予防にも効果的です。

ストレスや不規則な生活などで活性酸素が過剰に発生すると、正常な細胞を攻撃してがん化してしまいます。y-オリザノールには、抗酸化作用に加えて自立神経を整える働きもあるため、活性酸素の過剰な発生を抑えることができるのです。

効果効能③アンチエイジング

さまざまな効能のあるこめ油

肌にできるシミやしわは、ストレスや紫外線などの刺激で活性酸素が発生し、肌の細胞が老化することが原因です。y-オリザノール、コトリエノールには、活性化酸素を抑えて肌の老化を予防し、肌のターンオーバーを促してくれる働きもあります。

活発な肌のターンオーバーによって、アンチエイジングの効果も見込めます。肌荒れや美肌効果が気になる人は、ぜひ取り入れてみましょう。

こめ油の選び方とおすすめの摂り方

こめ油の選び方

容器に入ったこめ油

溶剤抽出法で製造されたこめ油も危険性はありませんが、より安全性を重視したいという人は、圧搾法で製造された油を選ぶと良いでしょう。

圧搾法で製造されたこめ油は価格が高めですが、添加物を使用していません。溶剤抽出法のこめ油より含まれるトランス脂肪酸も少なく、栄養成分が多く含まれています。

よりコストパフォーマンスを重視する場合は、溶剤抽出法のこめ油がおすすめです。安定した品質で、手軽に取り入れることができます。

おすすめの摂り方①揚げ油や炒め物に使う

揚げ物に使われるこめ油

こめ油は、揚げ物や炒め物に向いている油です。こめ油は油酔いの原因であるアクロレインの含有量が少ない油であるため、揚げ物を作る際にも快適に料理できます。

また、含まれる脂肪酸のバランスが良く、泡立ちにくく揚げムラが少ないです。天ぷらやフライが油っぽくなくカラッと揚がります。

おすすめの摂り方②料理にプラスする

さまざまな料理で使われるこめ油

こめ油をそのまま野菜や冷奴などにかけるのもおすすめです。サラサラとしていてクセがなく、口当たりが軽いことから、素材の味を引き立てる調味料として使えます。酸化しにくい特徴もあるため、風味も長く安定します。

そのほか、米を炊く時に加える方法も話題です。米のコシと旨味が引き立ち、ふっくらした美味しいご飯が食べられます。使用量は米2合で油小さじ1/2です。ぜひ試してみてください。

こめ油は栄養価が高く危険は少ない

サラダ油の一種であるこめ油

こめ油が危険である理由といわれるカネミ油症は、油の成分が原因なのではなく、別の原因がありました。抽出過程も安全ですが、より安全性を重視したい人は、圧搾法で抽出されたこめ油を選びましょう。

油自体に含まれる成分は身体に良いものばかりで、病気の予防にも役立ちます。ぜひ上手く食事に取り入れてみてください。

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