アボンダンスチーズとは?コンテやボーフォールとの違いや美味しい食べ方も

アボンダンスチーズはどんなチーズなのか、味や香り、販売店を徹底調査しました。同じく希少価値の高いチーズであるコンテ・ボーフォールとの違いも比較。おいしい食べ方や、アボンダンスチーズによく合うお酒も紹介します。

アボンダンスチーズとは?コンテやボーフォールとの違いや美味しい食べ方ものイメージ

目次

  1. 1アボンダンスチーズの特徴や美味しい食べ方などを紹介!
  2. 2アボンダンスチーズの特徴
  3. 3アボンダンスチーズの切り方と美味しい食べ方
  4. 4アボンダンスチーズに合うお酒
  5. 5アボンダンスチーズの香りや味わいを堪能してみよう!

アボンダンスチーズの特徴や美味しい食べ方などを紹介!

フランスで作られる希少価値の高いアボンダンスチーズは、フランスではコンテ・ボーフォールとともにAOPに認定されており、三大山のチーズとも呼ばれています。日本では馴染みのなかったチーズですが、人気テレビ番組で紹介されてから一気に注目度が高まりました。専門店などでも完売が続き、SNSなどの口コミでも美味しいと評判です。

一度は食べてみたいアボンダンスチーズはどのようなチーズなのでしょうか?味や風味の特徴、似たタイプチーズであるコンテ・ボーフォールとの違い、美味しい食べ方などを紹介します。

アボンダンスチーズの特徴

フランスサヴォワ地方の伝統的なチーズ

アボンダンスチーズは、スイスの国境近くにあるフランスのサヴォワ地方で作られるチーズです。11世紀ごろ、サヴォワ地方のアボンダンス谷にあった修道院で作られ始めたといわれています。当時から高品質のチーズを目指して作られており、美味しいと評判でした。当時の製法を守りながら作られ続けている、伝統と歴史のあるチーズです。

アボンダンスには豊穣という意味があり、サヴォワ地方にある地名のほか、チーズに使われる牛の種類の名前、チーズが作られるようになった修道院の名前としても使われています。

製造方法

アボンダンス牛から搾乳したミルクにレンネットを加え、カゼインとホエイに分離させます。ホエイを取り除いた残りのカードをカットして加圧し、水分を出して熟成します。熟成期間は100日以上です。熟成中は古いチーズの外皮を塩水で溶かしたモルジュ液で表面を丁寧に拭いていきます。これによって、濃厚なチーズの香りが出来上がるのです。

通常のチーズの場合はミルクではなくミルクからバターを取ったバターミルクで作られるため、脂肪分が少なめです。しかし、アボンダンスチーズは搾ったミルクそのままを使うため、脂肪分が豊富でコクのある仕上がりになっています。

香りと味わい

アボンダンスチーズは、チーズ好きな人にはたまらない香りと味です。香りは熟成の際モルジュ液で表面を拭くため、通常のチーズや有名なスイスのラクレットよりも、複雑で奥が深い香りがします。花やヘーゼルナッツのような香りがするという感想もあります。牛のミルクから作られるので、クセは強くなく食べやすいです。

搾ったミルクをそのまま使い、豊富な脂肪分を含むアボンダンスチーズは、コクとミルクの味わいも非常に豊かです。口の中にミルクの味や香ばしいナッツの風味、パイナップルのようなフルーティーな味わいが広がります。ハードタイプのチーズですので、噛めば噛むほど旨味が出てきて、後味の余韻も長く楽しめます。

生産量が少なく希少性が高い

香りも味も豊かで非常に美味しいアボンダンスチーズですが、唯一の難点は流通量が少ない点でしょう。1kgのチーズを作るのに10kgのミルクを使うことや、農場の手作業で丁寧に作られることから、昔から生産量の少ない希少価値の高いチーズとして知られていました。

現在は工場生産になっているため生産量は増えましたが、製造にあたり規制があり手作業の部分も多いです。そのため、同じ地域で作られるコンテ・ボーフォールに比べると生産量が少なく、依然として希少価値の高いチーズといえます。

価格と販売店

生産量が少ないことから日本ではなかなかお目にかかれないチーズですが、日本でも販売している店はあるのでしょうか?一般的なスーパーでは販売されていませんが、テレビで有名になったこともあり、現在では買える場所も増えてきました。チーズの専門店や輸入品販売店、大丸や高島屋などの大きな百貨店にあるチーズ専門店などで購入できます。

もちろん、楽天やAmazonの通販でも購入可能です。販売店によっては年中置いてあるというわけではなく、時期によって販売数量が違います。冬場は夏に作ったアボンダンスチーズが熟成を終えて出荷時期を迎えるため、流通量が多くなります。

価格は、100gあたり1000円程度と、チーズの中でも価格は高めです。少しずつ食べるなら100gでも充分な量といえるでしょう。特別な日にちょっと贅沢したい時などにおすすめです。

コンテ・ボーフォールとの違い

アボンダンス・コンテ・ボーフォールは、いずれもAOP認定を受けている高品質のチーズであり、フランスの三大山のチーズとして有名です。しばしばコンテ・ボーフォールとアボンダンスは似ているといわれますが、3つの違いは何でしょうか?

比較してみると、大きさや熟成期間、作り方に違いがあります。3種類の中ではアボンダンスが最も小さくて軽く、コンテ・ボーフォールは同じくらいの重さですが、ボーフォールの方が大きいです。また、製造過程で加熱圧搾されるコンテ・ボーフォールとは違い、アボンダンスは半加熱圧搾で作られ水分量が異なります。

食べた時の口当たりは似ており、3種類とも香ばしいナッツの味が感じられますが、食べ比べてみるとそれぞれ個性のある味です。ぜひ食べ比べて、好みのチーズを見つけてみてください。
 

アボンダンス・コンテ・ボーフォールの違い
  アボンダンス コンテ ボーフォール
高さ 約8cm 約10cm 約15cm
重さ 約10kg 約40kg 約40kg
製造方法 半加熱圧搾 加熱圧搾 加熱圧搾
熟成期間 100日以上 120日以上 150日以上

アボンダンスチーズの切り方と美味しい食べ方

アボンダンスチーズの切り方

販売店によってアボンダンスチーズの大きさや形は異なりますが、大きさによっては切り分けて食べることもあるでしょう。おいしく食べるには、中心から外側に向けて放射線状に切るのがおすすめです。アボンダンスチーズは中心と外側で熟成度が異なり、外側に行くほど熟成度は高くなるためです。

放射線状に切って内側と外側を同時に食べることで、味が偏らずバランスのよい風味で味わうことができます。また、チーズの匂いが強くて気になる人は、皮を厚めに剥くと匂いが和らぎます。

食べ方①そのまま食べる

アボンダンスチーズの風味や味わいを楽しむなら、まずはそのまま食べてみてください。食べやすい厚さになるようスライスしたり、ダイス状に切るのも良いでしょう。何もつけずに食べれば、濃厚で香ばしいそのままの味を楽しめます。好みによってクラッカーやビスケットに乗せたり、蜂蜜をかけても美味しいです。

食べ方②ラクレットにする

ラクレットといえば、表面を溶かしたチーズをじゃがいもやパンにかけるスイスの人気料理です。アボンダンスチーズも濃厚な味わいのあるチーズですので、ラクレットのようにチーズを溶かしてパンや野菜にかけて食べると、そのまま食べる味とはまた違った濃厚なコクを味わえます。

ラクレットは専用のグリルやバーナーで表面を炙るのが基本ですが、ない場合は好みの大きさに切ったものを電子レンジで加熱しても良いです。濃厚なとろみのあるチーズが作れます。

食べ方③ベルトゥー

ベルトゥーは、白ワインにアボンダンスチーズを浸して作るサヴォワ地方の伝統料理です。とろとろになったチーズにパンや野菜、じゃがいもなどを浸して、チーズフォンデュのように食べられます。作り方は、耐熱容器にスライスしたアボンダンスチーズと白ワインを入れ、ナツメグや黒胡椒を振ってオーブンで10分ほど焼いて出来上がりです。

とろりとした濃厚な口当たりに、旨味を濃縮した味わいが絶品です。ぜひ試してみてください。

アボンダンスチーズに合うお酒

白ワイン

フルーティーで香ばしい味のアボンダンスチーズは、白ワインとの相性抜群です。特に、辛口の軽いワインと合わせるのが良いでしょう。微発泡のワインもおすすめです。どんなものと合わせれば良いか迷う場合は、アボンダンスチーズの産地であるサヴォワ地方の白ワインと合わせるのがおすすめです。

赤ワイン

アボンダンスチーズは赤ワインにも合います。赤ワインは白ワインよりも重厚感があるので、辛口で軽めのものを合わせると良いでしょう。軽めの赤ワインと一緒に食べると、アボンダンスチーズのフルーティーな味わいがよく引き立ちます。

日本酒

チーズといえばワインという印象が強いですが、意外にもアボンダンスチーズの濃厚な美味しさは日本酒との相性も良いです。アボンダンスチーズはホクホクの山芋にかけて食べたり、すりおろした山芋と混ぜて和風グラタンにしても美味しく食べられます。このように和風の味付けで食べる場合は、ワインよりも日本酒で合わせるとより美味しいです。

アボンダンスチーズの香りや味わいを堪能してみよう!

香りも味も豊かで、希少価値の高いアボンダンスチーズ。コンテ・ボーフォールとともに世界でも高品質と認められているチーズです。いろいろな食べ方も楽しめ、ワインや日本酒などのお酒にもよく合います。日本ではなかなか見られず価格も高いチーズですが、ぜひ特別な日の贅沢として一度食べてみてください。

Thumb ウォッシュチーズおすすめの食べ方!レシピや他のチーズとの違いも解説! | お食事ウェブマガジン「グルメノート」
Thumbフォションが監修した2種のチーズが誕生!気になる商品情報をチェック | お食事ウェブマガジン「グルメノート」
Thumbコストコのラクレットチーズが大人気!美味しい食べ方や簡単レシピを紹介 | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

関連するまとめ

新着一覧

最近公開されたまとめ