ハンガリー料理を味わう！特徴は？美味しい名店やおすすめレシピも

世界三大料理にも数えられるハンガリー料理ですが、私たち日本人にとってはあまり馴染みはありません。しかしハンガリー料理は世界的に評判で、その美味しさを味わうためにハンガリーを訪れる観光客も多いといいます。

そこで本記事では、美食の国ハンガリーに注目し、どのような食文化があるのか？その特徴と、ハンガリー料理の名店を紹介します。日本でハンガリー料理を食べられる有名店の他、ハンガリー料理を自宅で作れるレシピも併せて紹介します。

あまり馴染みの無いハンガリー料理ですが、日本人の口に合うと有名ですので、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか？

ヨーロッパの内陸部に位置するハンガリーは海がない為、肉料理中心の食文化を育んできました。他国の影響を受けながらも、独自の発展を遂げてきたハンガリー料理の特徴とは何か？解説していきます。

ハンガリーはヨーロッパの内陸部に位置する、広大な平原が広がる国です。さらに海に面していないため、その食文化の基本は肉料理です。しかし全く魚を食べ無いのかといえばそうではなく、ハンガリー平原を2分するドナウ川や、ヨーロッパ屈指の大湖・バラトン湖があるため、淡水魚を食べる文化もあります。

とはいえ、ハンガリー料理は肉料理が基本ですので、煮込み料理やスープなどさまざまな形で肉を食べます。さらにハンガリーの国宝にもなっている、ハンガリー固有種のマンガリッツァ豚や、フォアグラはとても有名なので聞いたことがある方も多いでしょう。

ハンガリー料理はあまり日本人にとっては馴染みがない料理です。有名なハンガリー料理を聞かれても、答えられる方は少ないのではないでしょうか？しかしハンガリー料理は日本人にも親しみやすく、一度味わうとまた食べたくなる日本人向けの料理です。

ハンガリー料理といえばパプリカを多用するのが特徴で、煮込み料理の真っ赤な色はパプリカによるものです。色や形、味の違うパプリカを実にさまざまな形で使います。さらにヨーロッパでは珍しく、唐辛子を使ったピリ辛料理が多いのもハンガリー料理の特徴のひとつです。

ハンガリー料理は野菜を使った料理も多く、新鮮な果物、はちみつなど豊かな自然に育まれた食材を多様します。「ハンガリー料理は食べ続けても飽きることがない」と言われるのは、これら自然豊かな食材を生かした素朴な料理が多いからかもしれません。

ハンガリー料理のおすすめを15選紹介します。数あるハンガリー料理の中から、ハンガリーを代表する外せないメニューを中心に紹介します。

グヤーシュは「牛飼いのスープ」という意味の、ハンガリー料理を代表するスープです。ハンガリー料理をひとつ選ぶとしたらグヤーシュを真っ先に挙げるくらい、どこの家庭でも食べられている一般的な料理です。牛飼いのスープという名前の通り、具材には牛肉がたっぷり入っています。

さらに玉ねぎや人参、じゃがいもなどの野菜をたっぷり加え、ハンガリー料理の特徴でもあるパプリカの粉末を加え仕上げます。ハンガリーにはたくさんのスープ料理がありますが、グヤーシュはハンガリー料理定番の味ですので、ぜひ一度味わってみてください。

ハラースレーは肉料理中心のハンガリーでは珍しい、魚を使ったスープです。先ほど説明したようにハンガリーでは淡水魚を食べる習慣があり、ハラースレーは鯉・ナマズ・パーチなどを使って作られます。先ほどのグヤーシュが牛飼いのスープと呼ばれるのに対し、ハラースレーは「漁師のスープ」と呼ばれています。

ハンガリーではクリスマスに食べられるスープで、やはりパプリカを加え、スパイシーに仕上げるのが特徴です。地方によってさまざまな作り方があるという点も特徴のひとつです。

ハンガリーの生きる国宝「マンガリッツァ豚」は、ハンガリー料理を語る上では外せません。ハンガリー固有の希少種であるマンガリッツァ豚は、羊のようなモコモコの毛が特徴で、ウーリーピッグ（毛で覆われた豚）と呼ばれています。一時はその数が激減し絶滅が危ぶまれましたが、国宝に指定されたことで今は回復しています。

とはいえまだまだ希少なことに変わりなく、放牧による自然環境の中で丁寧に飼育されています。良質な脂肪に包まれた肉は非常に柔らかく、霜降り状に脂が入っているのが特徴です。肉本来の深い味わいを楽しめるマンガリッツァ豚は、そのままシンプルにソテーにして食べるのがおすすめです。

レチョーとはハンガリー版ラタトゥイユのような料理で、たっぷりの野菜で作る煮込み料理です。玉ねぎ、トマト、ズッキーニなどの野菜を煮込み、昔は瓶に詰めて保存食として作られていました。もちろんハンガリー料理の定番、パプリカをたっぷり加えるのがお決まりです。

パプリカが旬の時期（夏）にはレチョーパーティーをするほどハンガリー人に愛されている料理で、ハンガリー人が夏を感じる料理のひとつです。

フーゼレークとは野菜を使った、とろみのあるシチューのような料理です。レンズ豆や、ほうれん草、グリーンピース、カリフラワーなど季節ごとの野菜を使って作られるとてもポピュラーなハンガリー料理で、学校給食の定番です。

シチューのような料理と言っても扱いはスープではなく、あくまでもメインディッシュとして食べられるのが特徴です。ハンガリー市街には気軽にフーゼレークを食べられるお店もあるので、ファストフード店を利用する感覚で立ち寄ってみましょう。

テルテット・パプリカ（トルテット・パプリカ）は、パプリカの中にひき肉やご飯を詰めて煮込んだ、伝統的なハンガリー料理です。日本でいうところのピーマンの肉詰めのような料理ですが、ひき肉ではなくご飯も入れる点や、ピーマンではなくパプリカを使用するのがハンガリー流です。

パプリカシュ・チルケは、パプリカと鶏肉を煮込んだ伝統的なハンガリー料理です。別名パプリカチキンと呼ばれ、日本人にも馴染み深い料理のひとつなので聞いたことがある方も多いでしょう。

パプリカの他、にんにくや玉ねぎと一緒に煮込んだチキンはほろほろに柔らかくなります。小麦粉で作ったすいとんのような、ガルシカというマカロニが付け合わせの定番です。

実はハンガリーはフォアグラの生産量世界第一位の国です。日本では高級でなかなか手が出せないフォアグラも、ハンガリーでは驚くほど安く手に入ります。ブダペスト市内の市場では安く品質の良いフォアグラがたくさん売られ、フォアグラを食べられるレストランも多くあります。

一部高級店もありますが、ハンガリーでは2000〜3000円もあれば美味しいフォアグラ料理を堪能できるでしょう。

ガルシカ（ガルシュカ）はグヤーシュやパプリカチキンの付け合わせによく登場する、すいとんのような食感のマカロニのようなパスタのような食べ物です。パスタといっても小麦粉に卵や塩を加えた生地は、パンケーキのようにドロドロしています。そのドロドロした生地を穴の空いた器具を使い、お湯に落とすことで独特の形状に仕上がります。

インパクトのあるピンク色をしたこのスープは、さくらんぼで作られた夏の訪れを知らせてくれるスープです。デザートではなく料理の前菜として飲まれていて、冷たく甘酸っぱいスープにサワークリームを添えて食します。ハンガリーには桃や梨のスープもあるので、一度挑戦してみてはいかがでしょうか？

ランゴシュとはハンガリーの街中で気軽に買うことができる、ファストフードのような軽食です。ピザのような揚げパンのようなもちもち食感で、ハンガリー料理に欠かせないサワークリームの他、ガーリックやチーズをトッピングして食べます。行楽地や海水浴、お祭りの屋台などで売られている、ハンガリー人の小腹を満たす定番料理です。

パラチンタとは家庭やカフェで食べられる、クレープのような人気のデザートです。小麦粉、卵、牛乳などで作った生地に、ジャムやチーズを巻いて食べるのが一般的です。さくらんぼや黄桃、オレンジなど、さまざまなジャムがあるので食べ比べてみるのも楽しいでしょう。

パストールとはカスタードプリンを固めて作った、タルトのようなデザートです。昔の貧しいハンガリー人は、先ほど紹介したパラチンタの生地が余るとパストールを作って楽しんでいたと言われています。とても素朴な甘さで、日本人にも食べやすいハンガリーを代表するデザートのひとつです。

クルトシュカラーチはハンガリーの屋台でよく見かける、特徴的な形状の伝統的スイーツです。棒に生地を巻きつけ焼き上げる様子は、まさにクルトシュ（煙突）のような見た目です。炭火で香ばしく焼き上げた生地は、外はカリッと中はふわっとして、食感はクロワッサンを思い浮かべるとイメージしやすいでしょう。

甘さ控えめで日本人でも食べやすく、シナモン味やはちみつ味、チョコレート味など魅力的なフレーバーが揃っています。

レテーシュはオーストリア・ハンガリー帝国時代から食べられている、歴史ある伝統的なデザートです。薄く伸ばしたパイのような生地に、チーズやチェリー、味付けしたりんごなどを包んで焼き上げ切り分けます。家庭で作ることもありますが、カフェやパン屋さんで気軽にテイクアウトできる人気のデザートです。

ハンガリーではレテーシュ作りを見学できるお店も多いので、機会があったら見学してみてください。

ハンガリー旅行の際訪れたい、ハンガリー料理の名店を4店紹介します。現地を訪れる際は、ぜひ伝統的なハンガリー料理を堪能してください。

伝統的なハンガリー料理を、家庭的な雰囲気で気軽に堪能できるレストランです。ハンガリーの高級店「グンデル」の姉妹店で、同じグループ店でありながら、こちらはリーズナブルな価格でハンガリー料理を楽しめます。近くには動物園やブタペスト国立西洋美術館もあるので、観光のついでに立ち寄れるのも魅力です。

閑散期でも予約がないと入れない、ハンガリー料理の超人気店です。美味しいのはもちろん、リーズナブルな価格とフレンドリーな接客が多くの観光客を虜にする理由です。ハンガリー料理の定番フォアグラも、1000円ほどと驚きの安さで食べることができます。ハンガリーにきたら必ず立ち寄って欲しい、予約必須の名店です。

Hungarikum Bistroは、アットホームな雰囲気でハンガリー料理を楽しめる、予約必須の人気のレストランです。値段もリーズナブルで、食べるメニューにもよりますが3000円もあればお腹いっぱいになることができるでしょう。ブタペストの中心部にあるためアクセスも良く、観光客が多く訪れる人気店です。

Huszarはハンガリーで5本の指に入ると言われている、ハンガリー料理の名店です。ブタペスト東駅から徒歩数分という立地の良さも、観光客に人気の理由でしょう。運が良ければ伝統音楽の生演奏を聴きながら、ハンガリー料理に舌つづみを打つこともできます。地元客も多く訪れる、地域に愛されている名店です。

ハンガリーに行かずともハンガリー料理を楽しめる、日本国内のお店を4店紹介します。ハンガリー料理を食べられるお店はまだまだ少ないため、東京や関西に行ったついでに立ち寄れるお店を中心に紹介していきます。

東京で本物のハンガリー料理が食べられると人気なのが、神宮前にあるアズ・フィノムです。ハンガリー人シェフが腕によりをかけて作る料理は、ランチなら1000円からという安さも魅力です。原宿駅から近いため、観光がてら立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

パプリカドット・フは白金高輪駅より徒歩5分の場所にある、予約必須の人気店です。ハンガリー人シェフが腕によりをかけて作る料理を口にすれば、日本にいながらハンガリー気分を味わうことができるでしょう。ゆとりのある店内は、家族連れや女子会にもおすすめできます。

自由が丘の人気店キッチンカントリーは、ハンガリー大使館御用達の本格的なハンガリー料理が食べられるお店です。キッチンカントリーは海外の料理がまだ珍しかった、60年以上も前にオープンした知る人ぞ知る老舗の名店です。どこか懐かしいレトロな雰囲気の店内で、本場の味を堪能してください。

カフェスレットは関西では数少ない、ハンガリー料理が食べられるお店です。大人の隠れ家的な雰囲気の落ち着いた店内で、ハンガリー料理をコースでいただけます。大阪や兵庫にも本格的なハンガリー料理を食べられるお店は少ないため、関西でハンガリー料理を食べられる貴重なお店です。

ハンガリー料理は日本人にも親しみやすい、とても食べやすい料理です。数あるハンガリー料理の中から3つのおすすめレシピを紹介するので、興味のある方は挑戦してみてください。

【材料】

• 牛もも肉…800g
• 赤ワイン…250ml
• にんにく…1かけ
• 玉ねぎ…1個
• オリーブオイル…大さじ2〜3
• クミンシード…小さじ2
• 塩…小さじ1
• こしょう…適量
• 薄力粉…大さじ3
• バター…15g
• パプリカパウダー…15g
• トマト缶…1缶
• 人参…適量
• じゃがいも…適量
• セロリ…1本
• パプリカ…適量
• イタリアンパセリ（仕上げ用）…適量
• サワークリーム（仕上げ用）…お好みで

1. 牛肉は食べやすく一口大にカットし、赤ワインにつけて一晩置きます。
2. にんにくは芽を取りスライス、玉ねぎも薄切りにします。
3. フライパンににんにくとオリーブオイルを入れ、香りがでてきたら玉ねぎを加えます。
4. クミンシードを加え炒めたら、鍋に移し変えておきます。
5. 30分ほど室温に戻した牛肉は、ざるに上げ水分を切り、塩こしょうし薄力粉をなじませます。
6. バターを熱したフライパンで、中火で牛肉を焼きます。
7. パプリカパウダーをまぶしたら、（4）の鍋に牛肉を移します。
8. 肉を漬けていたワインを（7）のフライパンに入れて一煮立ちさせ鍋に加えます。
9. 鍋に蓋をし煮込んだら、トマト缶を加え弱火で2時間煮込みます。
10. 食べやすく切った野菜を加え、さらに1時間蓋をして煮込みます（時々かき混ぜます）
11. 塩こしょうで味を整え、イタリアンパセリを刻んで乗せたら完成です。

ハンガリー料理の定番、グラーシュのレシピです。グラーシュは家庭ごとにレシピが存在する、ハンガリーのお袋の味ともいうべきスープです。煮込み時間はかかりますが、レシピ自体はとても簡単ですので時間があるときに挑戦してみてください。ほろほろの牛肉は絶品で、パンにもご飯にも良く合います。

【材料】

• 鶏もも肉…5本
• サワークリーム…270g
• 玉ねぎ…2個
• パプリカパウダー…大さじ2
• 塩…大さじ1
• 黒こしょう…大さじ1
• キャラウェイ…大さじ1
• 水…200ml

1. 玉ねぎは小さめに切り、もも肉は皮を取り2つに切ります。
2. 鍋に分量外のオリーブオイルをたっぷり入れ、玉ねぎの切れ端を入れて泡立つまで加熱します。
3. 泡が出たら玉ねぎを加え良く混ぜ合わせます。
4. 玉ねぎが飴色になったらパプリカパウダーを加え、焦げないよう素早く混ぜ合わせます。
5. 水を加え煮立たせたらもも肉を加え、全体をかき混ぜます。
6. 塩・黒こしょう・キャラウェイシードを加え混ぜます。
7. 強火で蓋をして15分煮たら、サワークリームを加え混ぜ合わせます。
8. 塩こしょうで味を調節し、蓋を外したまま弱火で15分煮込みます。
9. お好みでパスタを添えて完成です。

グラーシュと同じくらい有名な、ハンガリーを代表するパプリカチキンのレシピです。ハンガリー料理の定番、パプリカパウダーとサワークリームをたっぷり使った、日本人にも食べやすい煮込み料理です。ガルシカの代わりにショートパスタを添えて食べるのがおすすめですが、ご飯との相性も抜群です。

もちもち食感がたまらない、ハンガリー風クレープ「パラチンタ」のレシピです。各家庭ごとにレシピが存在すると言われるように、家庭でよく手作りされているハンガリー定番のおやつです。ハンガリーではジャムを塗って食べるのが一般的ですが、フルーツやチョコでアレンジするのも楽しいでしょう。

グルメ大国ハンガリーには日本人の口に合う料理が多く、一度食べた観光客はその味の虜になると言われています。「ハンガリー料理だけは毎日食べても飽きない」と言われるほど、日本人にも食べやすく親しみやすい料理ばかりです。

ハンガリー料理に興味がある方は、紹介したレシピを参考にハンガリー料理に挑戦してみるのも良いでしょう。紹介したレシピ以外にも魅力的なハンガリー料理はいくつもありますので、ぜひ機会があったら味わってみてください。