イカの塩辛の賞味期限切れは食べられる？発酵食品は腐らない？

イカの塩辛はご飯やお酒のおともにと大活躍する食材です。その一方で買ってきたまま忘れてしまって、見つけた時には賞味期限が切れてしまったという事もあるでしょう。塩辛は保存食ですが、腐っていた場合はお腹を壊すなどの危険性もあります。

本記事ではイカの塩辛の賞味期限がどのくらいなのか、期限切れの塩辛は食べても大丈夫なのかを調査しました。また開封後や手作りした場合に正しい保存方法でどのくらい日持ちするのか、期限切れ間近におすすめのレシピまで紹介します。

イカの塩辛の賞味期限は実際にはどのくらいなのでしょうか？未開封や開封済み、手作り品などの条件によっても違ってきます。まずはイカの塩辛の期限がどのくらいなのか、賞味期限と混同されがちな消費期限との違いと合わせて紹介していきます。

上記の表のようにイカの塩辛の賞味期限はメーカーによっても大きく異なることがわかります。また保存方法も多くのメーカーが冷蔵保存か冷凍保存で期限を定めている中で、桃屋のように常温保存で表示しているところもあります。

当然各メーカーの指示に沿った保存方法で賞味期限を判断するのが一番確実です。ですがメーカーにかかわらず未開封のままならば冷蔵保存なら30日、すぐに冷凍保存の状態を維持していれば90日持つと紹介しているサイトもあります。ただしいずれも未開封が絶対条件ということを忘れないようにしましょう。

開封後のイカの塩辛の賞味期限は「開封後はお早めにお召し上がりください」と書かれているだけで具体的に何日とは書かれていません。早めの目安は「賞味期限にかかわらず開封後1週間以内」です。なぜなら開封すると同時に空気中のカビや雑菌がイカの塩辛に付着して傷みやすくなるため日持ちしないからです。

なので開封後忘れてしまって期限が切れた場合は食べるのはやめた方が良いということになります。ですが開封後食べ切るまでの目安に関しては冷蔵保存で2~3週間以内、冷凍保存で1か月以内と紹介しているサイトもあります。開封後でも大丈夫とする期間に差はあるものの早ければ早いほど良いのは間違いありません。

手作りのイカの塩辛の賞味期限は家庭ごとにレシピが異なるため一概に言い切れないのが実情です。衛生管理が徹底された市販品と比べて日持ちしないものと認識しておくと良いでしょう。目安としては冷蔵保存で1週間ほど、冷凍保存で1か月ほどです。

さらに日持ちを良くするコツとしてはアルコール殺菌した手袋を着用する、包丁やまな板などの調理器具もアルコール殺菌する、保存容器も煮沸消毒するなど、できるだけ衛生状態を良くしてから作業するのがおすすめです。さらに清潔な箸で毎日かき混ぜるようにするとさらに日持ちが良くなるといいます。

イカの塩辛は賞味期限が付いているのが一般的ですが中には消費期限が付いているものもあります。この賞味期限と消費期限の違いは何なのでしょうか？賞味期限とはメーカーの指示通りに保存した場合美味しく食べられる期間を指します。そのため期限が過ぎても味の劣化の可能性はあるもののある程度の期間は食べることができます。

一方の消費期限は商品を安全に食べることができる期間を指します。そのため消費期限を過ぎた商品は腐っている可能性もあるため絶対に食べないようにしましょう。消費期限は特に傷みやすい食品に付けられます。同じイカの塩辛でも消費期限で表記されているものは日持ちが悪いため、開封後もより早く食べ切るようにしましょう。

消費期限で表示されているイカの塩辛は食べない方が良いですが、賞味期限の場合は期限切れしていても未開封であれば基本的に食べることができます。では実際どのくらいまでなら食べることができるのか調査してみました。

実はイカの塩辛の賞味期限が切れた場合いつまでなら食べても大丈夫という科学的根拠はありません。日本食品機能分析研究所が食品ごとに設定期限の1.2~1.5倍の期間、適切な管理の中で保存検査を行っています。検査期間内の安全性や品質をチェックして期限設定を行っていることから、一般的に賞味期限の1.2倍の期間は安全とされています。

ただし検査を行っているのはあくまで専門の機関です。一般家庭での保存状態と異なる検査結果が出てもおかしくありません。特に消費期限で表示されている商品の場合は十分に加熱するか処分するようにしましょう。

先ほど紹介した検査基準で考えた場合、賞味期限の長いイカの塩辛であれば期限切れ後1か月経っていても食べられるものもあると言えます。実際ツイッターでも期限切れのイカの塩辛を食べているという声が散見されます。ただしそのまま食べているという方と、やはり食中毒が怖いので加熱料理にアレンジしてから食べる方といるようです。

日本食品機能分析研究所の検査は適切に保存された商品で行われているため、全ての期限切れの塩辛が本当に食べられる保証はありません。実際そのまま食べてお腹を壊したことがあるという方も少なくないでしょう。期限切れのイカの塩辛を食べる時にはあくまで自己責任になることを忘れないようにしましょう。

イカの塩辛は腐るとどうなるのでしょうか？期限切れの塩辛が食べられるかどうかを見極める為にも、腐るとどう変化しているかを知っておくことはとても有効です。実際腐った塩辛を食べて細菌性腸炎になる事例も後を絶ちません。イカの塩辛が腐ると起こる変化を紹介します。

イカの塩辛が腐るとひどい異臭がするようになります。強烈で生臭いにおいの塩辛は完全に腐っている証拠です。もし古い塩辛が出てきた時にはまず臭いを確認し、もし生臭く強烈なにおいがするようならすぐに処分しましょう。

イカの塩辛が腐ると味も酸っぱくなってきます。イカの塩辛はイカ自身が持つ酵素を利用して、イカのタンパク質をアミノ酸に分解することで美味しくなります。ですが雑菌が繁殖して腐り始めると段々味が酸っぱくなってくるのです。

もしいつもと違う酸味を感じたらそのまま食べるのはやめて、加熱料理にアレンジして使いきるか腐ったものとして処分するかどちらかにしましょう。

イカの塩辛が腐ると細菌から出たガスで容器が膨らむこともあります。原理としては発酵するとガスが出るのと同じことですが、身体に害のある細菌によってガスが発生している場合は食中毒の原因になります。塩辛が細菌で腐ることによって発生したガスなのか、単に発酵しただけなのか素人判断は避けて処分するようにしましょう。

イカの塩辛が腐ると水っぽくなってきます。元々保存食でもあった塩辛は12%前後という高い塩分量で素材の水分を抜いて細菌の繁殖を抑えていました。ですが減塩嗜好が広がったことから現在では塩分量が5%ほどのものが主流になりました。塩分量が減ったことから素材であるイカの水分を十分に抜ききれなくなっているのです。

その為イカに残っていた水分が染み出してくると一気に雑菌が繁殖してしまい腐る原因となります。もし塩辛が水っぽくなっていたら食べるのは避けましょう。

賞味期限切れ間近のイカの塩辛を美味しい料理に変身させて使い切ってしまいましょう。塩辛を使った簡単レシピをいくつか紹介します。

• パスタ (100g)
• イカの塩辛 (60g)
• 生クリーム (50ml)
• 牛乳 (50ml)
• 酒 (20ml)
• 玉ねぎ (中1/4個)
• にんにく (1~2片)
• 大葉 (3枚)
• オリーブオイル (適量)
• パスタの茹で汁 (20mlほど)

1. にんにくをみじん切り、玉ねぎを薄切り、大葉を細切りにする
2. 生クリーム、牛乳、酒、塩辛を混ぜ合わせておく
3. お湯に対して塩2%を加えてパスタを茹でる
4. オリーブオイルににんにくを入れてから火をつけ中火にし、油が温まったら弱火にして香りを出す
5. にんにくがキツネ色になったら玉ねぎを入れる
6. 玉ねぎがしんなりしたらパスタの茹で汁を加えて乳化させる
7. 火は弱めのまま2を加えて一煮立ちさせる
8. パスタを加えてサッと混ぜ合わせたら、お皿に盛り付け大葉を乗せて完成

• 米 (3合)
• A・白菜キムチ (100g)
• A・イカの塩辛 (150g)
• A・ケチャップ (大さじ6)
• A・塩 (小さじ1/3)
• A・乾燥バジル (大さじ1)
• 水 (450ml)

1. 米を研いでからジャーに入れてAを全て入れる
2. 水を回し入れたらジャーの中を軽く混ぜ合わせる
3. 炊飯器にセットして炊き上げる
4. 炊き上がったら全体を良く混ぜ合わせ器に盛り付けて完成

• もやし (1袋)
• イカの塩辛 (大さじ2)
• 長ネギ (1/2本)
• にんにく (1/2片)
• 鷹の爪・輪切り (1/2本)
• バター (10g)
• 塩コショウ (少々)
• A・醤油 (小さじ1)
• A・酒 (大さじ1)

1. 長ネギをみじん切りにする
2. 熱したフライパンにバターをしいて、にんにく、鷹の爪を入れ強火でもやしを炒め長ネギも加える
3. もやしに半分ほど火が通ったら塩辛を入れて、Aを加えてから塩コショウで味を整えて完成

イカの塩辛の賞味期限は開封と同時に短くなっていってしまいます。ですが腐る前に無理なく食べきりたいものです。イカの塩辛を日持ちさせる保存方法について紹介します。

イカの塩辛は元々保存食だった為に塩分濃度の高い食品でした。ですが減塩嗜好の広がりと共に塩分濃度の低い商品も増えたことから、商品によっては細菌が繁殖しやすくなっています。なので市販品でも冷蔵庫で保存するようにしましょう。特に開封後は冷蔵庫の中でも温度変化の少ない場所に置くと温度変化しにくく日持ちするのでおすすめです。

イカの塩辛の塩分濃度が元々高いことはすでに何度か紹介した通りです。実際冷蔵庫が普及するよりも以前から塩辛があったことを考えても、元々塩辛は常温保存が可能な食品でした。ですがそれは昔からあるような高い塩分濃度の塩辛に限った話ということになります。

昔ながらの塩辛の塩分濃度は10%~20%と高いものでした。桃屋の塩辛は常温での保存が可能ですがその理由は塩分濃度が17%(濃口醤油の約1.2倍)と高い為です。常温保存が可能かどうかは商品の表示と塩分濃度で判断することができます。

イカの塩辛の賞味期限を延ばし日持ちさせるなら冷凍保存もおすすめです。ラップなどを使って小分けにしてから冷凍用の保存袋に入れて、なるべく空気に触れないように保存すると良いでしょう。小分けにしておくことで必要な量だけ取り出すこともできます。解凍する時は食べる時間に合わせてゆっくり冷蔵庫で解凍してください。

冷凍庫で保存可能な期間は完全に凍らせたままで90日ほどですが、家庭用冷蔵庫での冷凍保存の目安は1ヶ月ほどが良いようです。手作りなどで食べ切れそうにない時は早々に冷凍保存しましょう。

イカの塩辛を日持ちさせるには他にもいくつかポイントがあります。イカの塩辛に一番良くないのは雑菌に触れることです。食べる時には毎回必要な分だけ清潔な箸やスプーンで取り出すようにすると良いでしょう。また蓋を閉める前に清潔な布巾やキッチンペーパーで拭いてから密封するのも効果的です。

この他にも先に紹介したように清潔な箸で1日1回ほど全体を良くかき混ぜてガス抜きするとより日持ちすると言います。

イカの塩辛はご飯にもお酒にもピッタリの食材です。ですが一気に食べ切ることもない食材です。これまでは賞味期限が切れたら不安なので捨てていたという方も、傷む前に使い切れなかったという方も、本記事を参考に最後までイカの塩辛を使い切ってください！