コストコが奈良に出店する可能性は？中止になった理由を徹底分析

コストコは、アメリカ生まれの会員制スーパーマーケットです。現在は全国で26店舗展開されていますが、これからも日本中に店舗が増えていく勢いです。日本の中でコストコの進出を望むところは多いのですが、広大な土地面積や人口密度など出店条件はゆるくはありません。

そのような中、以前から奈良県に出店するという話が聞こえていました。しかし、現在は中止されています。奈良県には出店条件をクリアした地域があったようで、奈良県民からも希望する声もありました。一見すると条件は揃っているように見えますが、奈良県への進出計画はなぜ中止されたのでしょうか？

本記事では奈良県へのコストコ出店計画が中止になった理由だけでなく、コストコの出店条件や奈良県がコストコを希望する理由などについても紹介していきます。

コストコが奈良県進出を中止した理由は公開されていませんが、コストコと地権者、及び地域住民との話し合いがまとまらなかったからと考えられています。両者が合意に達しなかった理由の一つに、交通渋滞の懸念があったようです。奈良県は歴史も古く、日本でも有数の観光名所です。

古都の雰囲気を壊さないため、道路整備が進んでいないところがたくさんあります。奈良県は遠くから車で観光に来る人が多く、市街地はいつも渋滞していることで知られています。仮に奈良県にコストコができたとしたら、商圏範囲が広いため遠くから車で買い物に来る人が多くなるのは想像に難くありません。

店舗が建てられた道路周辺の交通渋滞が、今以上にひどくなるのは確実でしょう。地元の住民にとっては生活を脅かされる事態になりかねません。地元の住民から反対意見が出され、コストコの奈良県進出は中止されたといわれています。

奈良県民でコストコを待ち望んでいる人は多いようです。コストコができるまでには、さまざまな厳しい条件をクリアしなければなりません。奈良県には出店できる可能性があったのでしょうか。

コストコの出店条件を見てみると、まず最初に広い敷地面積の確保があげられます。コストコは、売り場面積だけでなく併設されるガスステーションや車の収容台数800台ほどの駐車場敷地も必要です。建築面積がおよそ4,500坪といわれているので、全てを合わせると10,000坪以上の敷地面積が必要になります。

次に、車のアクセスが良い場所が必須条件です。コストコは大容量や大型の商品が多いので、車での移動でなければ購入商品を持ち帰ることが難しくなります。また、商圏範囲を広範囲に広げているため、車で来店される人が殆どです。そのためアクセスの良さは、コストコ出店においての重要な条件となります。

商業が成り立つためには、一般的に商圏範囲の人口密度が一定以上必要といわれています。コストコは半径10ｋｍを商圏範囲と定め、人口が50万人以上である地域を求めています。

奈良県内で上記のようなコストコの出店条件を満たす地域は、奈良市と大和郡山市といわれています。人口は奈良市がおよそ35万人、隣接している生駒市がおよそ11万人、大和郡山市がおよそ8万人です。奈良市は政令指定都市ではありませんが、大阪のベッドタウン化の影響を受けて市場規模は大きいと考えられます。

大和郡山市は、西名阪自動車道や京奈和自動車道、国道24号線が走っており、奈良県の中でも道路が充実している地域です。人口は8万人と少な目ではありますが、隣接している奈良市や生駒市からも集客が見込めます。すでにコストコが進出している京都府八幡市は、人口がおよそ7万人と大和郡山市よりも少ない状態です。

にもかかわらず、第二京阪道路や新名神高速道路が開通していることから出店が実行されています。このことから、大和郡山市も同様に集客を見込める地域と考えられています。

奈良県にはコストコ店舗はまだ存在しませんが、近畿地方に範囲を広げると4店舗ほどあります。兵庫県神戸市と尼崎市、大阪府和泉市、京都府八幡市です。大阪府和泉市は、奈良県の香芝市や橿原市からだと車で40分で行くことができます。京都府八幡市は、奈良市内からでは車で35分です。

他県で少し遠くなりますが、住んでいる場所によっては車でいける範囲です。興味のある方は行ってみてください。

奈良県にコストコができる話は中止になりましたが、一部の奈良県民は今でも近くにできることを望んでいるようです。奈良県民でコストコを利用したい人は、奈良県にはコストコがないので京都府や大阪府まで出かけているようです。多くのガソリン代や時間を使ってでも行きたい魅力とは、どのようなものなのでしょうか？

コストコには、品質が良く安価な商品がたくさん揃っています。コストコの特徴として一つ一つの商品の値段が高いことがあげられますが、その理由はほとんどの商品が大容量やジャンボサイズで販売されているからです。数個まとめて購入するとレジで支払う金額が大きくなり、高いと勘違いする人もいるようです。

しかし、1個当たりの値段や100g単位の値段をよく通常のスーパーと比べてみると、如何にコストコがお得であるかが分かる筈です。冷凍保存が効くものや雑貨類はまとめ買いが可能で、大家族にはとてもありがたい存在です。少人数の夫婦だけの世代であっても、友人や兄弟姉妹と分け合ってお得に利用している人が多いようです。

コストコはアメリカ生まれのスーパーマーケットです。そのため、食料品や雑貨などにはアメリカから仕入れられた商品がたくさん揃っています。衣料品もアメリカ仕入れのものが多いのですが、洋服の試着室は設けられていません。その代わりに返品制度があります。自宅に戻り試着して満足できなければ、簡単に返品できます。

電化製品以外は返品期限は設けられていないので、購入した後しばらくたってからでも受け付けてくれるようです。他にも、キッチンペーパーや洗剤など日用品も販売されていますが、アメリカ的な特大サイズで大容量です。このように、日本のスーパーでは販売されていない商品が多いのも、コストコが人気がある理由といえるでしょう。

またコストコの商品は質や味にこだわったものが多く、コストコの商品をお気に入りとしている人も少なくありません。

コストコに訪れている人を見ると、小さな子供を抱えた若夫婦など家族連れが目に付きます。コストコには子供も大人も空きさせない空間があるため、わざわざ遠くから定期的に通っている人も多いです。コストコの魅力をあげるなら、一つに大人でも子供でも店内を歩き回る楽しさがあるでしょう。

コストコは倉庫の広い空間にさまざまな商品を積上げて並べられているので、日本のスーパーマーケットと違った雰囲気を味わえます。子供にとっては、秘密基地的なおもしろさもあるでしょう。また、大きなぬいぐるみやバーベキューセットなど、日本では見ることの少ないジャンボサイズの商品があり、子供だけでなく大人も楽しめる空間です。

食料品では、ケーキやパン、お肉などアメリカ的な大きなサイズなので、見るだけでもワクワクします。試食も充実しているのも、コストコの魅力と言えるでしょう。果物やパン、肉、魚などいろいろな商品の試食があるので、新しいおいしさに出会える楽しみもあります。

コストコへ行ったら誰でも寄ってみたくなる場所が、フードコートです。フードコートには、大きなピザやホットドック、お変わりの自由のドリンク、北海道ソフトクリームなど、低料金でおいしい食べ物がたくさんあります。

会計を済ませ一休みしたい場所に自由に座れる椅子とテーブルが準備されているので、好きな食べ物を買い求めてお腹を満たすことができます。家族連れやレジャー感覚で来る人が多いのも、フードコートの存在は大きいでしょう。

奈良県にコストコができる話はあがっていたものの、現在は残念ながら中止となっています。大規模な土地がありコストコ出店の話が持ち上がっても、すでにある商業施設や道路の渋滞問題がネックとなり計画が中止になることは珍しいことではありません。

さまざまな問題を解決しない限り、また自治体が賛成しない限り計画が進むことはないようです。一部の奈良県民の思いや力では、どうすることもできない現実があるようです。