和菓子の種類はどのくらい?季節ごとのおすすめ和菓子ランキング!

和菓子といえば色鮮やかな見た目や、程よい甘味で私たちを楽しませてくれる日本の伝統的なお菓子です。和菓子の種類は豊富にあり、普段から日常的に食べられているものの他にも季節や伝統行事に合わせて食べられている和菓子もあります。今回はそんな和菓子の分類や細かな種類、種類別の代表的な和菓子、それぞれの特徴や違いに加え季節別にぜひ食べていただきたいおすすめの和菓子TOP5を紹介します。

和菓子の種類はどのくらい?季節ごとのおすすめ和菓子ランキング!のイメージ

目次

  1. 1和菓子の種類と特徴
  2. 2和菓子の季節別おすすめランキングTOP5【春】
  3. 3和菓子の季節別おすすめランキングTOP5【夏】
  4. 4和菓子の季節別おすすめランキングTOP5【秋】
  5. 5和菓子の季節別おすすめランキングTOP5【冬】
  6. 6和菓子の上生菓子と生菓子の違い
  7. 7和菓子の種類は季節に合ったものを選ぼう

和菓子の種類と特徴

種類の豊富な和菓子は大きく分けて生菓子、半生菓子、千菓子の3つの種類に分類されます。これは和菓子の水分の含有量によって分類されており、生菓子が一番多く水分を含み、半生菓子、千菓子の順に水分の含有量が減ります。

水分の含有量は和菓子の保存期間にも大きく関係し、水分量が多いほど日持ちせず、少なくなればなるほど長期間の保存が可能です。今回は和菓子の種類とそれぞれの特徴や違いを紹介します。

生菓子

生菓子は30%以上の水分量を含んでいる和菓子のことで、もち菓子、蒸菓子、焼き菓子、流し菓子、練り菓子、揚げ菓子といった6種類の製造区分によって分類されています。種類の豊富な生菓子の中でも代表的な和菓子を紹介します。

饅頭

饅頭は生菓子の中でも蒸菓子に分類され、蒸菓子の中でも一番代表的な和菓子です。蒸菓子は、生地を成形し蒸し上げた和菓子の総称です。薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)やかるかん饅頭など、同じ饅頭と名前のつくものでも種類が豊富にあります。

饅頭の他に、ういろうも代表的な蒸菓子の1つです。名古屋の名産品として有名なういろうですが、基本となる主な原料は、小麦粉、薄力粉、砂糖で、これらを混ぜ合わせて成形し蒸して製造されます。

大福

大福は生菓子の中でもち菓子に分類される和菓子です。もち菓子とは、もち米やうるち米といったお米、及びその加工品を主な原料として作られる和菓子のことです。大福は薄く伸ばした餅であんを包んだ和菓子で、柏餅、塩大福、もちに大豆を練りこむ豆大福など豊富な種類があります。

大福の他に代表的なもち菓子は団子です。よく見る団子といえば小さく丸めた餅を数個串に刺さしているみたらし団子や三色団子ですが、串にささっていないタイプのものあり、団子も種類が豊富にあります。

練り切り(ねりきり)

練り切りは生菓子の中でも練り菓子に分類され、「上生菓子」ともいわれます。白あんに砂糖を加え、山の芋やもち米から作られるみじん粉、求肥などをつなぎの食材として加え、調整し練ったあんに着色します。様々な形の木型に押し付けたり、手やへらを使用して細工が施された、造形的な美しさのある和菓子です。

あんの着色には食紅やクチナシ、合成着色料などの食用色素が使用されます。四季折々の植物や風物詩をモチーフとし、種類も色彩も豊かな練り切りは祝儀や茶の湯の主菓子として用いられてきました。

半生菓子

半生菓子は10~30%の水分を含んでいる和菓子のことです。半生菓子もあん菓子やおか菓子、焼き菓子、流し菓子、砂糖漬け菓子、といった5種類の製造区分で分けられています。他の種類の和菓子よりは種類分けが少ないのが特徴です。半生菓子の代表的な和菓子を紹介します。

最中(もなか)

半生菓子の中でも特に有名なものといえば最中です。最中はおか菓子に分類される和菓子です。最中の皮はもち米をこね、薄くのばした生地を型に合わせて焼いた後に2枚の皮であんをはさみます。

最中は、平安時代の「後撰和歌集」に収録されている源順(みなもとのしたごう)の「池の面に照る月なみを数ふれば今宵ぞ秋のもなかなりける」という歌が起源であり、この歌にちなんで「最中の月」と名付けられたといわれています。

甘納豆(あまなっとう)

甘納豆は半生菓子の中でも砂糖漬け菓子に分類される和菓子です。豆を砂糖を溶かした砂糖液に漬け、甘く煮詰めたものに白砂糖をまぶして乾燥させたものです。甘納豆に使用される豆は小豆やうずら豆、いんげん豆、きんとき豆、ささげ、そら豆、に加えグリンピースなど多くの種類があります。

素材となる豆の種類によって味わいが違います。豆以外にも、栗やさつまいもなどで作られるものもあります。

求肥(ぎゅうひ)

求肥は半生菓子の中で練り菓子に分類される和菓子です。もち米を水挽きして作られる白玉粉または餅粉に、砂糖や水あめを加え練り上げて作られます。お餅のように白くもちもちとした食感の和菓子です。

求肥は福井県のお土産としても定番な羽二重餅にはそのまま使用されている他、求肥であんを巻いた求肥まんじゅうやようかんを巻いたきぬたなどもあります。その他にも長方形の求肥に緑色の寒梅粉をまぶした若草など、多くの種類の和菓子に使用されています。

求肥は中国から伝来し、祭祀の際に捧げられた牛脾糖が原型といわれいるお菓子です。牛のなめし皮のように白く、当時は黒砂糖を多く使用していたために牛の皮に似ていたということから「牛皮」「牛脾」と書かれていたそうです。

しかし、日本では鳥や獣の肉を食べない仏教思想に基づいて牛の字を嫌って「求肥」と書き改められたという説もあります。

干菓子

干菓子は水分量が10%以下の和菓子のことです。打菓子、押し菓子、掛け菓子、焼き菓子、あめ菓子、揚げ菓子、豆菓子、米菓、という8種類の製造区分で分けられており、他の種類よりも細かく種類分けされています。様々な種類のある干菓子の中でも代表的な和菓子を紹介します。

落雁(らくがん)

落雁は干菓子の中でも打菓子に分類される和菓子です。もち米やうるち米、大麦などから作られる穀粉に、砂糖と少量の水、水あめなどを加えてよく混ぜ、様々な形に彫られた木型に詰めた後に型から抜き取り加熱乾燥して作られます。

型に押す際に、餡や小豆、栗などを一緒に押し固めて作られることもあります。型の種類も豊富で、口に含むとほろほろと溶けて甘さが広がり、材料によって味の違いも楽しめる和菓子です。材料で使用される穀粉は、先に紹介したもち米などに加え、大豆、小豆、そば、栗、そら豆など種類が豊富にあります。

落雁は室町時代の日明貿易で中国から伝来し、茶道の普及と合わせて広がりました。「らくがん」という名称には諸説あり、近江八景の一つである「堅田落雁」になぞらえて名付けられたという説や、中国の「軟落甘」という菓子の軟を略したものもという説があります。

あられ・おかき

あられやおかきは干菓子の中でも米菓に分類される和菓子です。もち米が主原料で米餅を火で炙るか、油で揚げて作られ、油で揚げた場合は火で炙るよりも柔らかいものになります。あられとおかきには明確な違いや区分はなく、比較的粒の大きなものがおかきと言われます。

「山城風土記」によると、平安時代にはかきもちの一種としてアラレ餅・玉アラレと称して生産されていたようです。名前の由来は米餅を煎る際に音をたてて跳ね、膨らむ様子と形が降ってくるあられに似ているからといわれています。江戸時代になってから商品として生産されるようになったという説もあります。

丸ぼうろ

丸ぼうろは干菓子の中でも焼き菓子に分類される和菓子です。佐賀県の名物でもある丸ぼうろは、小麦粉に卵、砂糖を混ぜた生地を両面から焼いて作られるお菓子です。ポルトガルの郷土菓子である「カヴァカ・フィーナ・デ・カルダス」が起源とされており、日本には17世紀頃に伝来したといわれています。

伝来の経緯には諸説あり、ポルトガル人から直接伝授されたもの、鶴屋の二代目店主太兵衛が長崎でオランダ人から直伝で製法を学んだという説もあります。

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和菓子の季節別おすすめランキングTOP5【春】

続いて、季節別におすすめの和菓子を紹介します。春は他の季節に比べ、伝統行事に合わせた和菓子が豊富にある季節です。様々な種類の中から、春におすすめの和菓子を紹介します。

5位:ちまき

ちまきは笹の葉でお餅を包んだ和菓子です。ちまきは地域によって異なり、関東ではおこわを笹の葉でくるんだものを指しますが、東海や北陸、近畿、中国、四国や九州、沖縄ではお餅を笹の葉でくるんだものがちまきと呼ばれるという違いがあります。

甘いお餅に笹の香りが移ることで一味違う趣があり、端午の節句にあわせて食べられます。もち米から作ったお餅やうるち米から作った団子など、和菓子のちまきも地域によって様々な種類があります。

4位:草餅

草餅はよもぎを練りこんだ餅の和菓子です。よもぎを練りこんだ餅であんを包んだものや、あんは包まずきなこをまぶしたものなどがあり、よもぎの風味が感じられます。桜餅と同様にひな祭りで食べられる季節の和菓子でもあり、その起源は中国「上巳の節句」にあります。

「上巳の節句」は母子が健やかに過ごすことを祈るもので、これが日本では後にひな祭りとして広まりました。よもぎを練りこむのは、よもぎには邪気を払う力があるとされていたことに由来するという説があります。

3位:うぐいす餅

うぐいす餅は見た目の緑色が鮮やかなお餅の和菓子です。あんを求肥などで丸く包んだものを楕円形にして、春告げ鳥とも呼ばれるうぐいすの形にします。青大豆から作るきなこであるうぐいす粉をまぶして仕上げます。

地域によってはきなこをまぶすところもあるなど、地域によって違いがあります。うぐいす餅の起源は、戦国時代に豊臣秀吉が作らせたことによって誕生したという説があります。

2位:柏餅

柏餅は5月5日の端午の節句で用いられる和菓子です。上新粉で餅を作り平たく伸ばした餅の間にあんこをはさみ、柏の葉やサルトリイバラの葉などで包んで作られます。

あんは一般的に粒あんがこしあんが用いられますが、京都では白味噌を使った白味噌あんを用いる所もあるなど、地域によってあんの種類に違いがあります。

柏の葉には新芽が出るまで古い葉が落ちないという特徴があり、子孫繁栄の象徴とされ、縁起が良いということで使用されるようになりました。さらに、柏の葉には香りづけという役割の他に、保湿効果や抗菌・殺菌作用があります。

1位:桜餅

ひな祭りで用いられる雛菓子の中でも代表的な和菓子である桜餅は、桜の葉でピンク色に着色された餅菓子を包んだ春を感じさせる和菓子です。塩漬けされている桜の葉は甘い餅との相性がぴったりです。桜餅は関東と関西で大きく2種類に分かれ、関東の桜餅は「長命寺餅」、関西の桜餅は「道明寺」と呼ばれます。

関東の長命寺餅は江戸時代に考案され、江戸向島長命寺の門番をしていた山本新六が、長命寺の門前で山本屋を創業し売り出したのが始まりとされています。小麦粉や白玉粉を用い、鉄板上で薄く延ばして焼いたクレープのような生地が特徴です。

関西の道明寺は、長命寺餅の人気にならって作られたといわれています。もち米を水に浸し蒸し、干して粗めにひいた道明寺粉を蒸し、餅を平らにして中にあんを入れ俵形にし、塩漬けにした桜の葉で巻きます。

和菓子の季節別おすすめランキングTOP5【夏】

夏には他の季節とは違い、ひんやりと冷たく甘さがさっぱりと感じられる、見た目にも涼やかな和菓子が多くあります。どんな和菓子があるのか紹介します。

5位:若鮎

若鮎とは鮎漁解禁にあわせて初夏に販売される和菓子です。カステラ生地を楕円形にして焼き、求肥やあんこを包んで半月形に整形し、目とひれが焼印でつけられています。京都をはじめとする関西では求肥をいれたものが一般的ですが、岐阜や名古屋では味噌あんが入っているなど地域によって違いがあります。

京都では夏の代表的な季節の和菓子であり、多くの和菓子店で販売されます。近年ではゴールデンウイーク頃から販売されていることも多いですが、本来の販売時期は鮎漁の解禁される6月頃です。

4位:水無月(みなづき)

水無月は京都発祥の和菓子の一つで、1年の折り返しにあたる6月30日に半年間の罪や穢れを祓い、残り半年の無病息災を祈願する神事である「夏越の祓」という行事に欠かせない和菓子です。モチモチの白いういろうが見た目に涼しく、小豆の甘さが美味しい初夏の季節にぴったりです。

その起源は平安時代の旧暦の6月1日、氷の節句の暑気払いをする宮中の風習がもとだといわれています。水無月の白いういろうの三角形の形には諸説あり、宮中の行事の際の氷をかたどったものや四角を半分にしたことから1年の半分を示している、という説があります。

3位:葛切り

葛切りは葛粉からつくられる、つるんとしたのど越しの和菓子です。葛粉を水で溶かし、型に入れてから加熱して固めたものを細長く切るため、透明か半透明な葛切りはところてんのような見た目も涼やかです。

一般的には、しっかりと冷やした葛切りに黒蜜やきな粉をかけて食べられます。暑い日に食べると葛切りの冷たさとのど越しの良さでさっぱりと食べられる、夏に人気の和菓子です。

2位:わらび餅

わらび餅は、山菜のわらびの根から取り出したデンプンを乾燥させて作ったわらび粉を使って作られる和菓子です。スーパーなどでも通年で販売されていますが、和菓子店などでは夏季限定で販売されることが多く、半透明で澄んだ涼やかな見た目とさっぱりとした味わいで特に夏に人気が高くなります。

わらび粉に砂糖と水をまぜて火にかけ成型して冷やします。ただし、わらび粉は高価なため芋や葛、タピオカなどのでんぷんを混ぜたものの方が一般的に広く販売されています。食べる際にはきな粉や黒蜜をかけて食べるのが一般的です。

1位:水ようかん

水ようかんは季節を問わず食べられる練りようかんよりも使用される寒天の量が少なく、柔らかな口当たりのようかんです。柔らかくつるんとしたのど越しの水ようかんは、甘さも控えめなため、一般的な練りようかんよりもさっぱりとした甘みが暑い夏にぴったりです。

今では夏の和菓子のイメージが強い水ようかんですが、もともとはお正月の料理菓子として作られていました。現代でも地域によっては冬の和菓子として食べられていますが、冷蔵庫が普及したこともあり夏場に冷やして食べるのが定番になっています。

和菓子の季節別おすすめランキングTOP5【秋】

食欲の秋ともいわれる秋には、季節の果物である柿や栗を作った和菓子がおすすめです。他の季節と違い、通年で食べられるものの中に、旬の果物を入れた和菓子の種類が豊富になります。秋の旬を取り入れたおすすめの和菓子を紹介します。

5位:柿ようかん

柿ようかんは秋の味覚である柿をようかんの中に入れたお菓子です。秋の代表的な旬の果物である柿を、煮詰めて細かく刻んで入れたり、ペースト状にしてようかんに練りこんだりしたものがあります

柿の風味がしっかりと感じられ、さらに、柿の種類によっても微妙に変わってきます。ようかんのあずきの甘さと柿の甘さが絶妙に絡みあった、まさに秋に食べたくなる和菓子です。

4位:おはぎ

おはぎはもち米とうるち米をまぜ粒が多少残る程度に潰して餅状にし、こしあんや粒あんもしくはきな粉などをまぶしたものです。彼岸に供物として食べられる和菓子でもあります。

季節によって呼び名が変わり秋はおはぎ、春にはぼた餅と呼ばれます。呼び名が変わってもどちらも同じもので違いはありません。さらに、あんを使ったものをぼた餅、きなこをまぶしたものをおはぎとする説もありおはぎとぼた餅の関係には諸説あります。

3位:栗きんとん

栗きんとんは栗を蒸して潰し砂糖を加えて作られ、栗の甘さが引き立つ季節にぴったりな和菓子です。栗の旬の季節である10月頃に販売されることが多いですが、通年で販売している和菓子店もあります。

栗きんとんは茶巾で絞って栗の形に整形され、栗の上品な甘さにほっくりとした食感がたまらない魅力の和菓子でお茶請けとしても人気です。お正月のお節料理の中にも栗きんとんがありますが、それはさつまいもや栗でつくった甘いあんを栗の甘露煮に絡めたものであり、和菓子の栗きんとんとは別物です

2位:月見団子

月見団子は秋の中秋の名月にあわせて、月に15個の団子を供えていた和菓子です。中秋の名月とは旧暦の8月15日の満月のことで現代では9月の満月を指し、十五夜とも言われます。

関東地方では団子粉で作った丸い団子が一般的ですが、関西では細長い団子にあんを巻いてあったり、中国・四国地方では串団子にあんを巻いてあるなど地域によって様々な種類があります。

中秋の名月の起源は中国にあり、中国では中秋節と称して観月の宴を開いていた文化が日本に伝来したものです。平安時代から宮中行事として伝わっていましたが、庶民にも広まったのは江戸時代の頃といわれています。

1位:栗ようかん

栗ようかんは季節の果物である栗をようかんの中にいれた、まさに季節限定の和菓子です。ようかんの中に栗が入ることで、ようかんの上品な甘さとほろほろとした栗の食感がたまりません。

栗ようかんには一般的な「栗ようかん」と「蒸し栗ようかん」の2種類があります。栗ようかんは、練りようかんの中に栗が入っているもので、練りようかんと同様水分が少なくなるため比較的に日持ちします。

一方蒸し栗ようかんの場合は名前の通り蒸して作られ、水分量が多く砂糖が少なめになるため、栗ようかんよりももっちりとした食感で甘さが控えめです。種類によって味わいが変わるため、食べ比べて違いを楽しむのもよいでしょう。

和菓子の季節別おすすめランキングTOP5【冬】

冬のおすすめの和菓子には季節に関係なく作られるものもありますが、新年のお祝いにあわせた和菓子や季節に風物詩に見た目が似ている和菓子があります。冬にぜひ食べていただきたいおすすめの和菓子を紹介します。

5位:かるかん

鹿児島県の銘菓でもあるかるかんは、季節に関係なく作られる和菓子ではありますが、白く雪を連想させる見た目から、冬によく販売される和菓子です。かるかん粉と呼ばれるあらく仕上げたうるち米粉に、砂糖、すりおろした山芋などを加えて混ぜ合わせ、せいろで蒸して作られます。

雪のような見た目から「淡雪かん」とも呼ばれます。かるかんは弾力性があり、半スポンジの様に仕上げるため、ふわりと軽い食感です。

かるかんが作られはじめたのは江戸初期の頃に薩摩藩(現在の鹿児島県)で誕生したといわれています。現在では鹿児島県の多くの和菓子店はもちろんのこと、家庭でも作られるようです。

4位:唐饅頭(とうまんじゅう)

唐饅頭とは小麦粉に砂糖や卵をまぜて作った皮であんを包んだ和菓子です。皮はカステラのような食感で、しっとりとした皮とあんの甘さが口に広がります。白あんをいれるのが一般的ですが、小豆あんやカスタードクリームが入っているものもあります。

皮はカステラ生地のもの他にも水飴や黒砂糖を練りこんだものもあり、地域によって作り方が異なります。

3位:薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)

薯蕷饅頭は米粉に山芋や大和芋をすってつなぎとして混ぜ合わせ、あんこを包んで蒸してふくらませたお饅頭です。山芋や大和芋のことを薯蕷といい、これらのふっくらと膨らむ性質を利用し生地に混ぜ込むことでふわふわとした優しい食感を楽しめます。

上用饅頭ともいわれ、関西ではおめでたいときに紅白の薯蕷まんじゅうを用いることが多いお饅頭です。しっとりと優しい口当たりに、上品な甘さが魅力の和菓子でお茶会では主菓子として出されます。

2位:いちご大福

いちご大福はさっぱりとしたイチゴを甘いあんとお餅で包んだ、昭和初期に誕生した和菓子です。いちごの程よい酸味と甘いあんが絶妙にマッチし、老若男女問わず人気が高く愛されています。

あんは赤いあずきあんや白あんを使用するなど地域によって異なり、さらに近年ではあんではなく生クリームを入れるものなどもあります。いちごの生産が盛んな冬に期間限定の商品として販売されることが多いです。

1位:花びら餅

花びら餅は年はじめのお茶会でお茶菓子に用いられるお正月の和菓子です。ピンク色に着色された白味噌あんと蜜漬けにしたごぼうを餅や求肥でくるんだ、新年の訪れを祝うのにぴったりなお菓子です。正式名称は菱葩餅(ひしはなびらもち)といい、花びら餅は通称です。

花びら餅の起源は平安時代にさかのぼり、新年行事だった長寿を祝う「歯固めの儀式」を簡略化したもので、宮中のおせち料理の一つと考えられてきました。ごぼうは押鮎を模したもので、当初は2本入っていましたが現在では1本が主流となっています。

和菓子の上生菓子と生菓子の違い

和菓子の中でも多くの種類がありますが、その中でも上生菓子と呼ばれる種類の和菓子があります。生菓子とどんな違いがあるのか、その種類や歴史を紹介します。

上生菓子とは?

上生菓子とは、おもに生菓子の中から選ばれる和菓子の中でもグレードが高い種類の和菓子を指します。日常的に食べられる和菓子とは違い、お茶会の主菓子や贈答用として使われます。季節の風物詩などを取り入れたデザインの芸術性が特徴です。

上生菓子の種類

上生菓子には四季折々の風物詩や植物を繊細に形作った練り切り薯蕷饅頭があります。この他にも、あんの玉や求肥を芯として周りに寒天や芋、粉砂糖などを混ぜ合わせて練り上げたものを付けた金団も上生菓子の一種です。

どれも繊細で上品な味わいに仕上げられた和菓子で、見た目にも季節を楽しませてくれる種類のものが多いです。

上生菓子の歴史

上生菓子が広く社会に浸透・発展した歴史には、茶道が大きく関わっています。茶道において季節を感じさせる感性は非常に重要なもので、それはお茶とともに出される和菓子も例外ではありません。

主菓子としてだされる上生菓子はその味わいに加え、季節のものを取り入れた形や見た目の美しさも非常に重要なのです。江時代戸には上生菓子を製造する技術が発展し、江戸や京都などを中心に一般庶民にも広く浸透していきました。

和菓子の種類は季節に合ったものを選ぼう

今回は和菓子の種類とそれぞれの季節のオススメの和菓子を紹介しました。和菓子の種類は紹介しきれない程豊富にあり、さらに季節によって楽しめる和菓子の種類が違います。それぞれの季節や伝統行事に合わせて和菓子を楽しんでみてください。

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