チーズは実は消化の良い食品!その理由と消化にかかる時間・栄養など解説

チーズを日常的に食べている方はどれくらい居るでしょうか?チーズには牛乳以上に豊富な栄養が含まれ体に良いだけでなく、体内に入ってからの消化が早いという特徴もあります。ダイエットをする人なら含まれる脂肪分を気にするかもしれませんが、食べ過ぎなければ消化促進や代謝アップにも役立つ嬉しい成分がたっぷりです。チーズがなぜ消化にかかる時間が短く体に良い食品と言われるのか、理由をチェックしていきましょう。

チーズは実は消化の良い食品!その理由と消化にかかる時間・栄養など解説のイメージ

目次

  1. 1チーズの消化が良いと言われる理由は栄養素の働きにある
  2. 2チーズの種類によって消化にかかる時間が違う
  3. 3チーズと食べ合わせの良い食べ物/悪い食べ物
  4. 4チーズは消化が良くて栄養がある食品だった

チーズの消化が良いと言われる理由は栄養素の働きにある

チーズは製造工程で発酵熟成を経ています。これによりミルクに含まれる成分は、乳酸菌やアミノ酸にまで分解された状態になっています。そこに様々な栄養が含まれることで、消化が良くなり身体の機能を健康に保つ働きにも繋がっています。

乳酸菌の働き

チーズの消化が良いという大きな理由に、乳酸菌の働きがあります。チーズは生乳に乳酸菌とレンネットというミルクを固める酵素を加えて作り、酵素が発酵する過程で乳酸菌が増えて納豆などと同じ発酵食品となります。

乳酸菌は生乳のタンパク質をアミノ酸にまでに分解する働きもあり、生乳そのものよりも体に消化吸収されやすくい状態になっているため吸収が早くなるのです。

ナチュラルチーズと言われる種類の場合、そのまま食べると生きたままの乳酸菌を口にしていることになります。その乳酸菌は腸内環境を整える働きがあり整腸作用や便秘解消に効果があり、健康と美容にも役立ってくれるのが乳酸菌です。

タンパク質の働き

タンパク質は体の筋肉を作り内臓の働きを維持するために必須の栄養素です。タンパク質を多く含む食品として牛乳や卵・大豆などがありますが、タンパク質はそのままでは吸収できません。胃と小腸で働く消化酵素によって、アミノ酸というより小さな分子に分解されて吸収されるようになります。

すでに食品の状態でアミノ酸に分解されているチーズの場合、タンパク質を消化する時間が必要ないため早い時間で体内に吸収されるのです。原料となる牛乳もタンパク質をたっぷりと含んでいますが、飲んでもアミノ酸に分解する時間が必要でチーズにはその時間が不要なため牛乳よりも吸収が早くなります。

またチーズに含まれるタンパク質のカゼインという成分は、胃の中での消化を助ける働きをします。乳酸菌だけでなくカゼインが含まれているので、食事で口にする他の食材の消化もサポートしてくれます。

ビタミンB2の働き

チーズが消化の良い食べ物と言われる理由に、ビタミンB2が豊富に含まれていることも挙げられます。ビタミンB2は食材に含まれる脂質の代謝を促す働きがあり、ビタミンB2が不足すると脂質は余分な脂肪となって蓄積されてしまいます。

肉類や揚げ物を食べる際にはビタミンB2を含むものを合わせて食べると脂質の代謝が良くなるので、乳製品や卵・キノコ類などを一緒に食べるようにしましょう。おやつや小腹がすいた時にスナック菓子を食べるよりも、チーズを食べた方が栄養も摂れて体内の脂質を代謝してくれるのでおすすめです。

ビタミンB6の働き

チーズにはビタミンB6も含まれていて、このビタミンB6もタンパク質の分解を促進します。チーズだけを食べるのであればタンパク質はアミノ酸に分解されていますが、食事で他の食材に含まれるタンパク質を消化するためにビタミンB6が役立ちます

食事を消化する器官はどれも粘膜で覆われていて、ビタミンB6には体の粘膜の働きを正常に保つ働きもあります。粘膜が弱ると消化もしにくくなり、病気になることもあるのでビタミンB6を含む食品は積極的に摂るようにしてください。

乳糖の働き

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロとする人がいます。これは牛乳に含まれる乳糖という成分が体の中でうまく分解できないために起こる現象です。日常的に乳製品を食べてこなかった日本人には、乳糖を分解できる酵素が不足している人の割合が高いと言われています。

牛乳を発酵して作るチーズは、製造過程で乳糖が乳清に変化し水分とともに絞られているので分解酵素が不要となります。牛乳を飲むとお腹が痛くなる人でも、乳糖が含まれないチーズは安心して食べられるでしょう。

グルタミン酸の働き

チーズには旨味成分として有名なグルタミン酸も含まれています。このグルタミン酸は昆布やトマトにも含まれ美味しいと感じさせる役割だけでなく、胃の粘膜を健康に保つためにも役立ちます。そのためチーズなどグルタミン酸を含む食べ物を食べることは、胃を守ることにもなり消化を助ける働きにつながるというわけです。

さらにグルタミン酸は、疲労回復効果や集中力・記憶力をアップさせるといった効果も期待できます。昆布はそのまま食べることはできませんが、チーズならそのまま食べることもできグルタミン酸を積極的に取り入れることができる点もおすすめポイントです。

脂肪球の大きさ

生乳には脂肪分が含まれていて、動物によってサイズは違いますが脂肪球という球のような形で水分の中に浮いています。絞ったばかりの牛乳は脂肪球のサイズが大きなものもあれば小さなものも混じり合っていますが、一般的に口にする際には加熱殺菌などの加工によって脂肪球のサイズは小さく均一になり消化しやすくなっています。

ヤギのミルクで作られるシェブールチーズがありますが、これは牛乳よりも古くからチーズの原料とされていた歴史があり、脂肪球が小さく固まりやすいという点もあったのです。ヤギのものに限らずチーズに含まれる脂肪球は発酵する過程で小さな粒となりサイズも揃っていることもあって消化の早さに繋がっています。

カルシウムの量

カルシウムは骨を丈夫にする栄養素ということは知られていますが、それだけでなくタンパク質と結びつくことで体内で吸収されやすくする働きもあります。カルシウムが不足すると骨がもろくなったりイライラしたりするだけでなく、消化機能も低下させてしまうのです。

そうならないためにもカルシウムを多く含む食品を食べ消化機能を健康状態に保つことが大切です。消化機能が健康であれば、様々な栄養の吸収率も良くなります。

胃腸が弱ると食欲が低下しがちですが、カルシウムを豊富に含むチーズを食べることでカルシウムが摂れて消化機能を正常化させるのと合わせて、少量の食事からでも栄養を吸収しやすくなります

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チーズの種類によって消化にかかる時間が違う

消化の良いチーズですが、その中でも特に早い時間で消化できるものがあります。消化に良いおすすめの種類と、他の乳製品と消化にかかる時間を比較してみましょう。

ナチュラルチーズの消化時間

ナチュラルチーズは生乳に乳酸菌と酵素を加えて固まったものから水分などを除いただけのものです。乳酸菌を生きたまま食べることができ、フレッシュなものから熟成させて旨味を蓄えるものまで世界中には1,000種以上があると言われています。

このナチュラルチーズはアミノ酸の割合が高く、乳酸菌が生きているためより消化しやすい種類です。消化時間もおよそ1時間半ととても早い時間で消化されます。

プロセスチーズの消化時間

プロセスチーズはナチュラルチーズに乳化剤などを加えて加熱加工し、再び成型したものです。乳酸菌は死滅してしまい発酵を止めることで保存性が高くしていて、形もさまざまにアレンジできます。

ビタミンB郡やカルシウムなどの栄養は含まれていますが、消化時間の早いナチュラルチーズに比べると乳酸菌の働きもなく消化に2~3倍くらいの時間がかかります。

消化の時間が早いおすすめチーズ

ナチュラルチーズの消化が早いことを説明しましたが、その中でも特にモッツァレラがおすすめです。モッツァレラは固まりはじめた生乳に湯を注いで引きちぎってこねてまた引きちぎるということを繰り返して作られます。そのため水分をたっぷりと含みより消化しやすく、カロリーは低めということもありダイエット向きなチーズともいえます。

青カビチーズに分類される、ゴルゴンゾーラやロックフォールといったものも消化の早い種類です。フレッシュなチーズに青かびをつけて空気と触れさせてカビを繁殖させて作られ、この青かびは毒素を発生せず血管を健康に保つ栄養素も含んでいます。熟成過程にあり菌の働きが活発なため消化が早いです。

身体に良いと言われても、ブルーチーズなどは独特の香りや酸味が苦手という人もいるでしょう。そういう場合は少し加熱すると臭いが薄れ、血流を良くし美容に役立つ成分も摂り入れることができるので試してみてください。

他の乳製品の消化時間と比較

ナチュラルチーズはそのまま食べることもでき、消化が早い食品です。次いでヨーグルトも消化の早い乳製品です。これらは乳酸菌が生きた状態で口にできる食品ですが、加熱してしまうと発酵が停まってしまい特別に消化が早いというものではなくなります。

それでも牛乳は2時間程度、バターの場合は12時間以上必要であることと比較すると、チーズやヨーグルトは消化が早い乳製品と言えます。ご飯などの炭水化物は消化するのに約6~8時間、肉類は12~24時間必要です。こうした食品に比べるとチーズ・ヨーグルト・牛乳は消化が早い食べ物であることが分かるでしょう。

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チーズと食べ合わせの良い食べ物/悪い食べ物

消化が良く栄養もたっぷりのチーズですが、せっかくならより栄養効果を上げられるように食べ合わせの良いものを抑えておきましょう。それぞれの食品が持つ特性を活かした相乗効果が期待できるものもありますが、反対に体にとって負の働きをする食べ合わせの悪い組み合わせもあるので気をつけてください。

食べ合わせの良い食べ物とその理由

チーズはそのものを味わうこともできますが、ピザやグラタン・パスタなどあらゆる料理で使われることも多くあります。その中でも美味しいだけでなく、栄養や消化吸収の面からみてもおすすめのものをみていきましょう。

バナナ

代謝機能をアップする働きが促進される点から、バナナとチーズの食べ合わせがおすすめです。バナナには水溶性食物繊維が多く含まれ整腸作用があるだけでなく、消化を促す働きもあります。チーズそのものは消化されやすい食べ物であるだけでなくビタミンB郡やカルシウムなどの栄養を含んでいるので、きれいになった腸で大切な栄養が効率よく吸収できるようになります。

またチーズには脂肪分が多く含まれている面もあり、食べ過ぎると脂肪が体に蓄積されてしまうことになりかねません。そうならないためにもバナナを組み合わせると満足感を上げることができ、食べ過ぎを防ぎつつ栄養を摂ることができるという理由もあって食べ合わせが良いと言えます。

ワイン

ワインを飲む時の定番おつまみともいえるのがチーズです。チーズのグルタミン酸は胃の粘膜を保護する働きがありました。この特徴を活かしてワインのアルコール分が胃で吸収されにくいように胃を守る働きがあり、旨味成分としてもグルタミン酸がワインの味をより深いものにしてくれます。

さらに赤ワインに含まれるポリフェノールは、脂肪の吸収を抑制する働きがあります。チーズに含まれる脂肪の吸収も抑えてくれるので太りにくい食べ合わせでもあり、美味しさだけでなく栄養の面からもワインとチーズは最適な組み合わせと言えます。

トマト

イタリア料理などでは定番の組み合わせにチーズとトマトがありこれは産地が同じだからというだけでなく、栄養面で脂肪を燃焼させる効果をアップさせてくれる食べ合わせです。トマトのリコピンにもチーズのタンパク質にも消化を促し代謝を上げる効果がありますが、2つの組み合わせで相乗効果が生まれます。

またトマトに豊富に含まれるビタミンCはチーズには含まれていない栄養素です。シンプルに美味しい組み合わせでもありますが、食べ過ぎるとチーズの脂肪分を摂り過ぎることにもなるので気を付けてください。

食べ合わせの悪い食べ物とその理由

チーズはどんな食材とも合わせやすいものですが、意外なものとの食べ合わせで身体にマイナスの影響があるものがあります。チーズの栄養を無駄にしないためにもチェックしておきましょう。

枝豆

ビールを飲む時には枝豆を合わせ、その後のおつまみでチーズを使ったものを食べるということはありがちではないでしょうか?実はこの食べ合わせは、チーズに含まれるカルシウムの吸収が阻害されてしまう悪い組み合わせです。枝豆に含まれるフィチン酸という成分がカルシウムの吸収をブロックしてしまいます。

それでも枝豆にはアルコールを分解してくれる成分があり、食物繊維も含まれていてアルコールとは合わせて食べて欲しい食品です。飲む前に消化の早いチーズを食べることで胃の粘膜を保護しつつ、飲む時に枝豆を食べるという方法もあるので試してみてください。

風邪薬

食べ物ではありませんが、総合感冒薬と言われる風邪薬や鼻炎薬とチーズを同時に口にするのは止めてください。風邪薬には血圧を上げる作用があり、チーズにはチラミンという成分が含まれこれも血圧を上げる作用があります。そのためチーズを食べて風邪薬を服用すると、血圧が上がり過ぎる危険があるのです。

風邪薬などの注意書きに血圧の高い人は服用しないようにと明記されているものは、食事も気をつけましょう。それでもチーズには消化を促進させる良い効果もあり、風邪で弱った胃腸を修復してくれる働きもあります。治ったばかりの時や疲れ気味で胃腸に負担がかかっていると感じる時にはチーズを食べて消化器官の回復に役立ててください。

チーズは消化が良くて栄養がある食品だった

チーズは製造工程ですでにアミノ酸に分解されているため、体内での吸収が早いということが分かりました。消化が良いだけでなく、体を健康に保ち美容にも役立つ栄養もたっぷりです。胃腸が弱っている時や食欲があまりない時にはチーズをうまく活用して消化を促し、栄養を吸収しやすい身体作りに役立ててください。

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