オイルサーディンとは?アンチョビとの違いや代用は?血液サラサラの栄養も解説

オイルサーディンは青魚であるイワシの加工品で、栄養が豊富です。オイルサーディンの缶詰め・瓶詰めやアンチョビの缶詰・チューブ入りなどを良く見かけますが、オイルサーディンもアンチョビも原料はイワシです。原料が同じイワシなら、栄養価や用途に違いはあるのかを調べてみましょう。栄養がたっぷり含まれているオイルサーディンなどを様々な調理方法で食し、栄養を積極的に摂り入れましょう。オイルサーディンとアンチョビは原料が同じなら双方の代用は可能なのかも調べてみましょう。

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目次

  1. 1オイルサーディンとは?
  2. 2オイルサーディンとアンチョビの違い
  3. 3オイルサーディンの栄養と効果効能
  4. 4オイルサーディンのおすすめの食べ方
  5. 5オイルサーディンの栄養を色々なレシピで摂り入れよう

オイルサーディンとは?

オイルサーディンは小さなイワシの頭と内臓をとって、高濃度の塩水に数時間漬け、油で煮込んで減菌し長期保存を可能にした栄養価たっぷりの食品です。イワシのオイル漬けが、オイル サーディンになります。

原料は?

オイルサーディンの原料は、マイワシをはじめとした小魚です。主にウルメイワシやマイワシを原料としています。オイルサーディンの作り方は色々とありますが、基本的には頭と内臓を取り除いて下処理した魚を植物油、香辛料などと一緒に加熱して漬け込みます。

出来上がったオイルサーディンは長期の保存が可能になるように、瓶や缶詰にされます。

日本初の缶詰

日本で作られた最初の缶詰は、約140年前、明治4年に長崎の松田雅典氏が作ったイワシの油漬け缶で、今のオイルサーディンでした。当時、松田氏は「無気貯蔵」と製法から言っておりましたが、その後「缶詰」となりました。

松田氏は海外の食品に興味津々でした。そんなある日、長崎フランス領事館に赴任中の医師・レオン・デュリーが食べていたイワシの油漬け缶に衝撃を受けて、製造法を習い作り始めました。何事も興味を抱くことから、松田氏の海外への好奇心が日本の缶詰:オイルサーディンを生み出したのです。

イワシを長期保存できる

オイルサーディンの原料であるイワシは傷みやすい青魚の代表格で、内蔵や血が残っていると、そこから腐敗が始まってしまいます。イワシは身が柔らかいので特に傷みやすい魚なのです。

オイルサーディンは鮮度が落ちないうちに、イワシの頭と内臓を取り除き、高濃度の塩水に漬け、更にオイルで煮込み減菌し保存食となり、密封状態の缶や瓶に詰めることでイワシの長期の保存が可能となるのです。

形状など特徴は?

オイルサーディンの形状としては、小イワシの頭と内臓がとられているがその他は、イワシを一尾のそのままの姿の形を残していること。保存の方法としては、最も多いものが長方形の形をした缶詰めで、2番目に多いのが瓶にイワシが立っている姿です。

アレンジによっては、レモン・トマト・ガーリック・ハーブなどと一緒にオリーブオイルに漬けられたものなど様々なアレンジオイルサーディンがあります。

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オイルサーディンとアンチョビの違い

オイルサーディンもアンチョビも共に原料となる魚はイワシで保存食というところは同じです。違いはといいますと、オイルサーディンは調理済みの油漬けでアンチョビは塩漬けにして熟成させた油漬けとなり、両者は違います。

オイルサーディンはそのままで食べても美味しく、おつまみなどとして食することが出来ますが、アンチョビはオイルサーディンとは違い、大変塩辛いもので、そのまま食すのではなく、トッピング・ソースなどに使ったり、小さく刻んで混ぜ込むなど、風味付けの調味料のように使用するところが違います。
 

アンチョビの原料は?

アンチョビの原料は、カタクチイワシ(もしくは同じカタクチイワシ科の別種の小魚)になります。イタリア湾でカタクチイワシが大量に漁獲できるのですが、当時はまだ冷蔵技術が発達していなかった為にとれたらすぐに塩漬けにして保存していたのがアンチョビのはじまりです。紀元前60年前頃から食べられていました。

缶詰やビン詰めでの形で、イタリア・スペインなど、地中海や大西洋に面した地域で多く作られています。塩漬けにして頭や中骨をとったイワシを缶やビンに詰め、植物油を注いで密封します。非加熱でも強い塩分によって長期保存が出来、西洋のお漬物的存在です。

形状など特徴は?

アンチョビは頭と内臓・ウロコを取ったカタクチイワシを三枚におろしてフィレ状にします。それを20%程度の塩に漬け込んで1か月から半年以上も発酵・熟成させます。形状はイワシを見開きにした状態のものやロール状のもの、そしてチューブなどに入っているペースト状のものがあります。

アンチョビはカタクチイワシを塩漬けにして発酵・熟成させオイル漬けにします。加熱する工程がないのがオイルサーディンとの大きな違いです。

発酵品

発酵食品というと、微生物を使って発酵をしているのでは?と思うかもしれませんが、アンチョビは違います。アンチョビはイワシ自体に含まれる消化酵素で発酵しています。アンチョビの発酵は、イワシの内臓に本来備わっている自己消化という仕組みを利用した発酵食品なのです

つまりアンチョビは酵素による発酵ということなのです。イワシ自体をタンパクアミノ酸等の小さい分子に分解し、微生物の発酵と同じような旨味を作り出しています。

オイルサーディンとの違い

そのまま食べてもおいしいオイルサーディンに比べ、アンチョビは大変塩辛いもので、そのまま食べる事は無く、トッピングやソースに使ったり、小さく刻んで混ぜ込むなど、風味付けの調味料のように使用するところが、オイルサーディンとの違いです。

オイルサーディンは加熱をしているがアンチョビは加熱をしていないことも違いになります。そしてオイルサーディンとアンチョビの大きな違いは、オイルサーディンは、塩・油漬けの食材でアンチョビは調味料と理解すると違いが解かりやすいでしょう。

オイルサーディンとアンチョビは代用できるか?

オイルサーディンもアンチョビも原料はイワシで同じで、共に保存食です。では、オイルサーディンの代用としてアンチョビは使えるのか?逆にアンチョビの代用としてオイルサーディンは使えるのか?答えは、代用できるケースと代用出来ないケースがあります。好みにもよりますが風味や特徴を生かして料理に使いましょう。

代用できる場合の例としては、パスタやピザを作る際にはオイルサーディンの身を細かくちぎって味つけをして使用します。代用出来ない例としては、オイルサーディンを使った和え物やマリネの代用にアンチョビを使う場合です。風味も味わいも全く違い、食事としても美味しくないものとなってしまします。

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オイルサーディンの栄養と効果効能

DHA、EPAは必須不飽和脂肪酸(α-リノレン酸を加えて オメガ−3)の一種で、魚に豊富に含まれていることが知られていて、頭を良くすると言われています。DHAはマグロに多く含まれていることで知られていますが、 イワシはDHAとEPAの両方をバランス良くんでおり、さらにカルシウムも豊富で優れた食品です。

オイルサーディンのもとであるイワシに含まれる栄養やその効果効能について調べてみましょう。

DHAで脳や神経組織の機能向上

オイルサーディンには多価不飽和脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれていて、脳や神経組織の発育や機能を高めるくれる効果がある栄養が含まれています。DHAは脳の細胞の中に入り脳細胞を柔らかくし、神経細胞を活性化させて記憶力や判断力・学習能力を向上させてくれるのです。

ニューロンとは脳を構成する神経細胞のことで、その神経細胞は情報処理と伝播(でんぱ)能力において優れていますので、イワシが原料のオイルサーディンを多く摂取すると、脳に良い効果効能を得ることが出来るかもしれません。

EPAで成人病の予防と改善

オイルサーディンに含まれている栄養素であるEPA(イコサペンタエン酸)は、悪玉コレステロールを減らして、善玉コレステロールを増したり、血中の中性脂肪を減少させてくれると言った効果が得られます。

大きな病気に繋がる動脈硬化の原因である、血小板の凝集を抑制する効果があり、改善や予防に効果があるとされていて、血栓予防を減らす働きををします。つまり成人病である、脳卒中、痴呆、狭心症、心筋梗塞、高血圧、動脈硬化、高脂血症など、多くの症状を改善・予防する効果あるのです。

EPAで花粉症の症状を緩和

オイルサーディンの原料であるイワシなどの青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は、人体で合成が出来ない不飽和脂肪酸オメガ3系脂肪酸が、アレルギー疾患や花粉症の症状を緩和してくれるという情報があります。

花粉症やアトピーといったアレルギー疾患に効果があるという嬉しい結果があるので、手軽に手に入るオイルサーディンを美味しく健康の為にも良い食材なので、是非食事に取り込んでみて下さい。

DHAとEPAで血液サラサラ

オイルサーディンの原料であるイワシにはDHAやEPAといった不飽和脂肪酸が、青背の魚の中でも豊富に含まれています。DPAやEPAは血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、血管内をきれいにしてくれる善玉コレステロールを増やす働きがあります。

オイルサーディンを食べることによって自然とDHA・EPAを摂取することになり、血液をサラサラにし、コレステロールの値を下げ、善玉コレステロールを増やしてくれるので、動脈硬化の予防につながるという訳です。

ビタミンB2で代謝の向上

オイルサーディンの栄養素であるビタミンB2は、タンパク質・脂質・糖質の代謝を助けエネルギーに変えてくれます。体内の脂質が酸化するのを防いでくれるので、動脈硬化や脳の健康に役立ちます。

細胞の再生やエネルギーの代謝を促すので、お酒を沢山飲む人・糖質や脂質の多いものをよく食べる人・激しい運動をする人・抗生物質や精神安定剤などを長期に服用している人・ストレスの多い人などはオイルサーディンを沢山食べる事をおすすめ致します。

ビタミンB2で美肌や美髪

ビタミンB2はビタミンB群の中でもとても美容効果が高い栄養素です。オイルサーディンに含まれている栄養素のビタミンB2は、皮膚や粘膜の再生に関わり、健康美をサポートし美容にも役立ちます。肌のターンオーバーを助け、肌の新陳代謝を高めて、潤いやハリのある美しい肌を作ります。

ビタミンB2は肌のターンオーバーにのみ役立つのではなく、育毛・発毛を促してくれる優秀な栄養素でもあり、髪の枝毛・切れ毛・乾燥から守り、髪の健康を守ってくれる作用があります。ビタミンB2は体内で早く消費される栄養素ですので、肌の髪の健康を維持するためには継続的に摂取することをおすすめ致します。

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オイルサーディンのおすすめの食べ方

オイルサーディンは栄養豊富で調理も簡単で様々な応用が利きます。そのままの姿でほぐして、味付けをしてアンチョビの代用品としてなど、様々な使い方ができます。オイルサーディンを使ったおすすめの食べ方を紹介しますので、試してみて下さい。

缶のままBBQでアヒージョ

野外で仲間と楽しむBBQ、限られたスペース・道具・食材などで料理をする際に、とっても役立ってくれるのが缶詰なのです。オイルサーディンの缶詰を開けて、お好みでアレンジをしBBQの網の上に乗せておくだけで、おしゃれなイタリアン風温前菜になるのです。

缶詰をそのまま網にのせて加熱すれば、鍋やフライパンなどの調理器具も不要。更に、缶詰なら下ごしらえ・準備・調理・後片付け・持ち運びもなどすべてが楽です。スパイスや具材などのアレンジが楽しく、便利で栄養価の高い優れた食材なのです。BBQの際に是非試してみて下さい。
 

パスタ

オイルサーディンはパスタに絡めても様々なアレンジが可能で味付けの幅が広がります。脂が乗った食べ頃のイワシで作られた保存食がオイルサーディンです。イワシそのものにもDHAやEPAなどの豊富な栄養素がたっぷり含まれていますし、その栄養素がオイルに凝縮されているので捨ててしまわずに使いましょう

イワシの旨みがしっかりとしみたエキスが詰まったオイルは香り・味共にとても美味しいのでオイルも共にパスタに絡ませて食べてみて下さい。パスタと言えば、アンチョビのパスタが有名ですが、オイルサーディンの身をほぐして、味付けをしアンチョビの代用品として使用することも可能です。

サンドウィッチ

オイルサーディンを具材として挟んだサンドウィッチはイワシの豊富な栄養を手軽に摂ることが出来るライト感覚のメニューとしておすすめです。オイルサーディンは、そのままの形状のものを挟んでも、身をほぐして使用しても良いでしょう。缶や瓶に入っていたオイルサーディンの油をきり具材として使用します。

また、オイルサーディンの油をパンに塗るとさらに味にふくらみが出ておすすめです。オイルの使い方としては、パンに塗るバターやマスタードにオイルを混ぜたり、ほぐした身と一緒に和えたりと色々工夫をしてオイルにも栄養がしみ出していますので、有効に使いたいものです。

炊き込みご飯

オイルサーディンの炊き込みご飯は材料を入れて炊き上げるだけで出来上がり、オイルサーディンの栄養を余すところなく摂取できる最高のメニューです。生姜やわけぎ(細ネギ)など香味野菜をたっぷり使って、出汁や醤油・塩味などで楽しんで下さい。

オイルサーディンはそのまま一尾の姿のままお米の上にのせて炊き上げます。食べる際に身をほぐしてもそのまま姿のままでもお好みで召し上がって下さい。そしてオイルは捨てても使っても良いのでお好みで、お好みの分量を入れて下さい。

オイルサーディンの栄養を色々なレシピで摂り入れよう

オイルサーディンが豊富な栄養素を含んでいることが解かったかと思います。青魚であるイワシを原料としたオイルサーディンはそのままで食べる事も出来るし、様々なアレンジをして料理のレシピとして使うことができます。時には、身をほぐし味付けをしてアンチョビの代用として使うことも出来ます。

健康と美容に効果がある青魚のイワシをオイル漬けにした、オイルサーディンは和洋中のレシピとして様々な調理が可能ですので、健康と美容のためにもオイルサーディンを美味しく頻繁に食べましょう

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