アカザエビは高級エビ!アカザエビの生態から美味しい料理まで解説

アカザエビはその見た目の良さと味の良さから、イセエビと並ぶ高級エビです。そんなアカザエビだけあって、旬の時期でも一般家庭で料理することはなかなかないでしょう。ですがたまたま目に付く機会があったら、値段はともかく食べてみたいエビであることも事実です。そんな高級エビであるアカザエビについて、旬の時期や一般的目安となる値段といった基本情報から、家庭でもできるおすすめの食べ方まで紹介します。

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目次

  1. 1アカザエビは濃厚な高級エビ!
  2. 2アカザエビとは?
  3. 3アカザエビは高級エビ?
  4. 4アカザエビの選び方
  5. 5アカザエビの保存方法
  6. 6アカザエビの美味しい食べ方
  7. 7アカザエビのおすすめレシピ
  8. 8アカザエビを使えば料理がワンランクアップ!

アカザエビは濃厚な高級エビ!

アカザエビはその長く大きなはさみを持った見た目だけでなく、甘くて濃厚な味が自慢の、イセエビと並ぶ高級エビです。そのため通常は地元でもない限り、旅館やレストランで使われることが多く、食べるのにも相応の値段を払うようなエビです。

そんな高級エビであるアカザエビとは、一体どのようなエビなのでしょうか?アカザエビの名前の由来を始めとした雑学から旬の時期のほか、その味を楽しむおすすめの食べ方まで、アカザエビについてのさまざまな情報を紹介します。

アカザエビとは?

アカザエビとはどんなエビなのでしょうか?一般的にその大きくて長いはさみから、テナガエビと呼ばれることもあるアカザエビですが、実はテナガエビというエビは全く別のエビだというのです。アカザエビがどんなエビなのか、まずは基本的なことから紹介します。

アカザの由来

アカザエビを漢字で書くと「藜海老」と書きます。この「藜(アカザ)」とはどこでも見られる雑草のひとつで、このアカザの若葉にある赤い模様とアカザエビの体の色合いが似ていることから、「藜海老(アカザエビ)」と呼ばれるようになりました。

アカザエビはその大きくて長いはさみから「テナガエビ」と呼ばれることもあります。ですが正式なテナガエビは、河口付近の淡水と海水が混ざり合う汽水域から淡水に住む、アカザエビとは全く異なるエビのことであり、間違った呼び方です。

旬の時期

アカザエビの旬の時期については漁師や専門家の間でも論争の種になっていて、アカザエビの産卵期である秋の時期に向けて身体に栄養を蓄える9月~6月が旬という人もいれば、一番身に栄養を蓄えている産卵期の10月~11月が旬だという人もいます。

卵に栄養をとられると味が落ちて旬の時期が終わる、という点では共通しているようですが、どこが一番身に旨味があるかという点で旬とする時期に差があり、賛否両論もあってアカザエビの旬の時期がいつなのか、意見の統一はなっていないのが現状なのです。

ただしアカザエビの旬の時期については、どちらの意見でも10月~11月が旬に含まれているのは事実であり、この10月~11月のアカザエビが一番美味しい旬のアカザエビと考えて間違いないでしょう。

生息地

アカザエビは水深200m~400mの深海の、砂と泥が混ざった砂泥底に住んでいます。生息域は千葉県沖から日向灘(宮崎県東部沖合)にかけての太平洋沿岸域で、日本の固有種のエビなのです。

日本近海の固有種ということもあって、英語名で「Japanese lobster」というだけでなく、学名でも「Metanephrops japonicus」といいます。一方で同じアカザエビの仲間でやや小型のサガミアカザエビという種類もいて、こちらは相模湾以西の本州から四国太平洋岸をへて九州周辺海域にかけて分布しています。

アカザエビは高級エビ?

アカザエビというとレストランのメインディッシュを飾る高級エビ、というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?実際アカザエビは見た目のインパクトだけでなく、その味の良さからも通常のエビとは値段が違うといいます。アカザエビがどのくらい高級なエビなのか調べてみました。

見た目や味も人気

アカザエビは体長25cmほどもある大型のエビであるだけでなく、特徴ともいえる長く大きいはさみは体長とほぼ同じくらいになります。そのため料理にしたときにも見栄えが良く、飾りもかねて使うことができるため人気があります。

またその味も透き通った身にネットリとした濃厚な旨味と甘味があり、イセエビに勝るとも劣らない高級エビなのです。生でも加熱しても美味しいその味は食べ方や料理のジャンルを問わず人気で、値段が高いのも納得の高級エビなのです。

値段

アカザエビは値段の高いエビと言われますが、実際に売っているところを目にする機会も少ないエビです。その理由は値段が高いエビゆえに、市場から直接レストランや寿司屋といった料理店に買われていってしまうためと言われています。

では一般家庭でアカザエビを購入できないのか、といえばそんなことはありません。ネット販売などで漁協の直売所などから取り寄せることもできます。ただしその値段は2尾~3尾の約200gで2,500円以上も珍しくなく、まさに高級エビの値段で売られています。

アカザエビの近縁種である海外産のヨーロッパアカザエビでも1kgあたり6,000円~7,000円という値段のため、アカザエビはそうそう買うことのできない高級エビなのです。

活きたものは最も高価

アカザエビの中でももっとも値段が高いのが、活きたままのアカザエビです。そんな中でも駿河湾や相模湾、東京湾や千葉県外房沖、熊野灘で獲れたという活きアカザエビはもっとも高く、エビの中でも最高値で取引されているだけでなく、サイズの大きいものほどより高いといいます。

ただしアカザエビでも、そのウリである長いはさみが取れてしまったものは、大きく値段が下がるといいます。そういうアカザエビが市場に出てくれば安い値段でも買うことができるかもしれませんが、通常は地元で干物などに加工されてしまうことが多く、残念ながら一般消費者に届くことは無いといいます。

アカザエビの選び方

アカザエビを通販ではなく、ちゃんと自分で選んで買いたいときには、どこを見てどんなエビを選んだら良いのでしょうか?決して安い買い物ではないだけに、ちゃんとしたアカザエビを選びたいものです。アカザエビを市場や直売所で買うときのチェックポイントをまとめてみました。

アカザエビを選ぶときには、まずは活きたエビを選びましょう。アカザエビは傷みやすいエビなので、鮮度の高い活きたエビであることが大切なのです。そして手にとってみてずっしりとした重みのあるものを選ぶのも大切です。見た目より軽いものは栄養状態が余り良くない、身の入りの悪いエビの可能性があります。

さらに全体に赤みが強く色が鮮やかなものが新鮮な証です。死んでいる上にエビの殻の色が変色しているものは、すでに傷んでいる可能性があります。同様に体液が出ているものも避けるようにしましょう。せっかく市場に買いに行くのですから、新鮮で美味しいエビを選びましょう。

アカザエビの保存方法

アカザエビを保存する場合は冷凍保存になります。ただしそれも業者から買う場合であって、基本はすぐに食べきるようにしましょう。特に死んでしまったアカザエビはあっという間に傷んでしまうため、買って来たその日のうちに食べるようにしましょう。

通販などで冷凍品を購入したときには、商品についている注意書きに従って保存するようにしてください。国産品の中には冷蔵で届くものも多くありますが、死んでしまっているものは傷みが早いことから、はじめから傷む前に食べきれる量を購入するようにしましょう。

アカザエビの美味しい食べ方

アカザエビは生でも加熱しても美味しいエビとして、さまざまな食べ方で楽しまれているエビでもあります。そんなアカザエビの美味しい食べ方の中でも、代表的な食べ方をいくつか紹介していきます。食べに行った先で見つけたときは、ぜひ注文して楽しんでみてください。

刺身や寿司

アカザエビの中でも鮮度の良いものは、刺身での食べ方が一番おすすめです。そのプリプリとしつつもネットリした食感の中に、濃厚な甘味と旨味がたっぷりと感じられる、アカザエビの本当の味をそのまま感じられる最高の食べ方といえます。

もちろん酢飯との相性も最高なので、寿司としての食べ方でも楽しめます。地元の寿司屋や市場内の寿司屋で見つけたら、ぜひ注文してみてください。市場で買ってきて自宅でお寿司パーティで楽しむのも、おすすめの食べ方です。

赤だしやスープ

アカザエビを寿司や他の料理に使ったとき、残った頭部は捨てないでください。頭部の中に詰まった味噌の味も極上なので、こちらもぜひ味わってみてください。さらにこの頭部からは濃厚な出汁も出るのです。そのため身だけでなく、この頭部を使って赤出汁の味噌汁やスープにする食べ方もおすすめです。

アカザエビの頭部から出汁をとる前に軽く炙ってから煮込むと、香ばしさも加わった極上の出汁が取れるので、アカザエビが手に入ったらぜひ一度試してみて欲しい食べ方です。

ブイヤベース

アカザエビは丸ごとブイヤベースにしても美味しいエビです。もちろん頭だけで出汁をとっても良いのですが、身を具として使っても美味しく楽しめる食べ方です。アカザエビそのままの姿で作ると、料理として盛り付けたときにも見た目が良いので、ぜひ一度入れて作ってみたい料理です。

頭部を出汁として使うときには取り出す前に良くつぶすと、アカザエビのエキスを余すところなく出し切ることができます。濃厚な旨味を楽しめるので、アカザエビを使うときにはしっかりとエキスを出し切り、その旨味を堪能してみてください。

塩ゆでや塩焼き

アカザエビの身は、加熱調理しても甘いのが特徴です。そのため塩茹でや塩焼きにするとその身の甘さが引き立ち、とても美味しい食べ方のひとつです。干物にしても旨味が凝縮して美味しいので、まさにどんな食べ方をしても美味しいエビといえます。

実際アカザエビはどんな料理にも合う万能エビとして、料理人からも高い評価を受けているエビです。そんなアカザエビだからこそさまざまな料理に使われ、高級エビとして珍重されているのです。

アカザエビのおすすめレシピ

アカザエビは普段手に入れる機会が少ないエビだけに、いざ買ってはみたもののどんな料理に使ったら良いかわからない、という人も多いのではないでしょうか?アカザエビを使ったおすすめのレシピをいくつか紹介します。

アカザエビのアヒージョ

  • アカザエビ4匹~5匹
  • プチトマト5個
  • マッシュルーム5個
  • オリーブオイル適量(エビが半分浸かるくらい)
  • 味の素適量
  • 塩少々
  • 粗挽きコショウ少々
  • にんにく2片
  • パセリ適量
 
  1. オリーブオイルをひいたフライパンににんにくを入れたら、腸を取ったアカザエビ、プチトマト、マッシュルームを丸ごと入れます。オリーブオイルの量を調節したら蓋をして、中火で加熱していきます。
  2. 軽くグツグツいってきたら、塩、コショウ、味の素を入れて味を調えて再度蓋をして味を浸み込ませます。
  3. 具材に火が通ったら火を消して、最後にパセリを散らして完成です。

アカザエビのトマトパスタ

  • リングイネ400g
  • アカザエビ8尾~10尾
  • オリーブオイル大さじ3
  • にんにく3片
  • ローリエ1枚
  • 鷹の爪適量
  • トマトピューレ500g
  • 白ワイン大さじ2
  • イタリアンパセリ適量
  • 塩適量
 
  1. アカザエビは尾と頭を回しながら丁寧に引き離します
  2. フライパンにオリーブオイルと刻んだにんにくを入れて、にんにくの香りがしてきたらエビの頭を入れます。エビの頭に少し焼き色が付いてきたら、白ワインを加えます。
  3. トマトピューレとローリエを入れたら、20分ほど煮込みます
  4. 煮込んでいる間にエビの尻尾を食べやすい大きさに切り、パスタも茹でておきます。
  5. 3に4を入れて絡め、エビの尻尾に火が通ったら器に盛り付けます。イタリアンパセリを散らしたら完成です。

活きアカザエビのフライ

  • アカザエビ1尾
  • 卵適量
  • 小麦粉適量
  • パン粉適量
  • 塩コショウ適量
  • レモン1/8
  • タルタルソース(市販)適量
 
  1. キッチンバサミか包丁で、アカザエビの尻尾の端を切り落とします。串を使って身と腹の甲羅の間をなぞりながら、丁寧に剥がしていきます。腹の甲羅を剥がしたら、背の甲羅も剥がします。
  2. 背わたをとったら腹側に隠し包丁を入れて、加熱しても曲がらないようこしおりをします。
  3. 塩コショウで下味を付けたら、小麦粉、溶き卵、パン粉の順でつけていきます。160度の低めの油で揚げたら器に盛り付け、レモンとタルタルソースを添えて完成です。

アカザエビのソテー

  • アカザエビ(鮮度の良いもの)2尾
  • 小麦粉少々
  • バター適量
 
  1. アカザエビを頭から尻尾にかけて半分に切ります。切った面に小麦粉を軽く振りかけます
  2. フライパンにバターを溶かしたら、切った面を下にして焼いていきます。
  3. 片側に焼き色が付いたらお皿に焼いた面を上にして盛り付けます。片面しか焼いていないため中は半生ですが、ふわふわでアカザエビの美味しさを堪能できます。

アカザエビを使えば料理がワンランクアップ!

アカザエビはなかなか手に入れることのできない高級エビですが、その見た目と美味しさで料理の格を引き上げてくれること間違いなしの最高のエビです。アカザエビを手に入れる機会があったら、ぜひ一度さまざまな料理でその最高の味を堪能してみてください!

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