西洋梨「ルレクチェ」とは?ラフランスとの違いや追熟など解説

ルレクチェという名前の洋梨を知っていますか?洋梨と言えばラフランスがよく知られていますが、ルレクチェとラフランスには違いがあります。幻の西洋梨とも言われるルレクチェとは一体どのようなフルーツなのか、その特徴や歴史、そして気になる味や値段について紹介します。またルレクチェは西洋梨の中でも長い追熟期間が必要な種類です。食べ頃の見極め方や美味しい食べ方もぜひチェックしてみてください。

西洋梨「ルレクチェ」とは?ラフランスとの違いや追熟など解説のイメージ

目次

  1. 1ルレクチェは幻と呼ばれる西洋梨
  2. 2ルレクチェの特徴
  3. 3ルレクチェの歴史
  4. 4ルレクチェはなぜ「幻の洋梨」なのか?
  5. 5ルレクチェとラフランスとの違い
  6. 6ルレクチェの食べ頃
  7. 7ルレクチェの食べ方
  8. 8芳醇な香りのルレクチェをぜひ食べてみて

ルレクチェは幻と呼ばれる西洋梨

幻の西洋梨とも言われるルレクチェですが、そう呼ばれるには理由があります。芳醇な香りと濃厚な甘みでファンも多いフルーツでありながら、原産地であるフランスではその生産の難しさからほとんど生産されていない希少な洋梨だからです。その希少性から、お歳暮や贈答品として使われることの多い,、幻の西洋梨ルレクチェについて紹介します。

ルレクチェの特徴

まずはルレクチェの特徴について紹介します。気になるルレクチェの味や値段についても、ぜひチェックしてみてください。

洋梨の一種

ルレクチェは西洋梨の一種で、フランスが原産国です。芳醇な香りと濃厚な甘さが特徴で、西洋梨の貴婦人とも呼ばれていますが、ルレクチェは生産に手間がかかる上、栽培が難しいことから希少性が高く、洋梨の中でも値段が高めの類に入ります。

主な日本の産地

ルレクチェは、日本では主に新潟県で栽培されています。日本のルレクチェの歴史は、実は新潟県から始まっています。日本のルレクチェの8割は新潟県で生産されていて、その大半は信濃川下流域で栽培されています。新潟県はルレクチェ原産国であるフランスと緯度が近くて気候が似ていることもあり、栽培に適していると言われています。

味と食感

ルレクチェは西洋梨の中でも糖度が高く、濃厚な甘さが特徴です。ルレクチェの中でも糖度が高いものは18度もあり、またなめらかな食感もルレクチェの特徴の一つです。

旬の時期と値段

ルレクチェの収穫は、大体毎年10月中旬頃に行われます。ルレクチェは追熟が必要なので、出荷はそこから約40日後の11月下旬から12月にかけて、年末の前の時期に行なわれることが多いようです。

ルレクチェの値段は、青果店で約600~800円で販売されていることが多いようです。百貨店などでは1000円を超える値段の大玉もあり、季節柄お歳暮にも利用されています。最近は、栽培技術の向上により流通量が多少増え、スーパーなどで小玉のルレクチェが300円程の値段で販売されていることもあります。

ルレクチェの歴史

ここからはルレクチェの歴史について紹介します。原産国フランスのルレクチェがいつ日本にやってきたのか、その歴史を調べました。

始まりは生産者のロシアへの旅

日本でのルレクチェの歴史は明治時代から始まります。新潟県で庄屋を営んでいた男性がロシアのウラジオストクを訪れた際にルレクチェに出会い、そこでルレクチェの苗を日本に持ち帰って栽培することを決意したそうです。そこから試行錯誤で栽培を繰り返して、現在ルレクチェは新潟県の特産品の一つになっています。

新潟市にはルレクチェ発祥の碑がある

新潟市には、ルレクチェの栽培を開始した時に植えた歴史のある古木が残っています。その横にはルレクチェ発祥の地の碑が建てられています。そこには日本でのルレクチェの歴史が刻まれています。

ルレクチェはなぜ「幻の洋梨」なのか?

ルレクチェはなぜ、希少性が高く幻の西洋梨と呼ばれているのでしょうか?その理由を説明します。

他の洋梨より栽培が難しい

ルレクチェは、黒斑病など果物の病気が出やすく、またそんな病気にも弱いという特徴があります。さらに実が風で落下しやすいなど栽培も難しく、ほかの洋梨と比べても出荷にいたるまでに非常に手間がかかります。そのため原産国であるフランスでも今はほとんど栽培されていません。日本でもその栽培の難しさからあまり生産量が多くはありません。

追熟に手間と時間がかかる

ルレクチェは追熟してから味わう食べ方をします。そのため栽培者は追熟のための広い保管場所が必要となります。さらにルレクチェの追熟期間は約40日と長く、その分栽培者は手間がかかることになります。

流通があまり多くない

ルレクチェの栽培は手間がかかる上に難しいため、生産農家が少なく流通量があまり多くありません。そのためルレクチェは西洋梨の中でも比較的高い値段で販売されています。

ルレクチェとラフランスとの違い

日本では洋梨と言えばラフランスが有名ですが、そのラフランスとルレクチェにはどのような違いがあるのかを紹介します。

ラフランスより生産量が少ない

まずラフランスとルレクチェは生産量が違います。日本でのルレクチェの生産量はラフランスの1/8~1/10ほどで、まだまだラフランスと違いルレクチェは希少な洋梨の一種と言えます。

見た目は似ているが味や香りが違う

ラフランスもルレクチェも、見た目の形はいわゆる洋梨型をしています。違いの一つとして、まず味が挙げられます。ラフランスは口に入れた時に、なめらかであるものの多少のざらつき感がありますが、ルレクチェはかなりなめらかな食感です。

ルレクチェは果肉がきめ細かいことが特徴で、果糖をたくさん含んでいるため糖度が高く甘味が強いという特徴もあります。

また香りの違いもあります。ルレクチェの香りはラフランスよりもかなり強く、熟すにつれて包装していても漂うほど甘い芳醇な香りが漂います。ルレクチェは味だけでなく香りも楽しむものだという意見も多くあります。
 

ルレクチェは追熟に時間がかかる

ラフランスとルレクチェの違いとして、追熟期間の長さの違いも挙げられます。ラフランスの追熟は約2週間くらいとされていますが、ルレクチェの追熟期間は約40日と、洋梨の中でも長い追熟期間が必要です。

ルレクチェの食べ頃

ルレクチェは、ラフランスなどほかの洋梨と同じように、収穫してからそのまま放置しておくという追熟が必要なフルーツです。ルレクチェの食べ頃はいつなのか、そしてその食べ頃の見極め方も紹介します。

収穫時期

ルレクチエの収穫時期は、10月下旬頃から11月にかけてです。収穫するルレクチェは、まだ黄緑色で実も固く、皮にサビと言われる斑点もほとんどありません。つるりとしたきれいな状態です。

収穫後に追熟が必要

ルレクチェの追熟には、ほかの洋梨と比べてもやや長めの40日ほどかかります。美味しい食べ頃を迎えるために必要な追熟ですが、注意点がいくつかあります。

まず、ルレクチェを購入した時に付いていたビニールなどの個包装はとらないでください。ルレクチェの特徴として乾燥に弱いという点があります。また同じ理由で、追熟期間は室内で保管しましょう。冷蔵庫は乾燥を進めてしまいます。

食べ頃のサイン

ルレクチェの食べ頃の見極め方には5つのポイントがあります。まず1つ目として、ルレクチェの皮が鮮やかな黄色に変わってきます。さらにサビと呼ばれる斑点も皮に出てきます。そして2つ目は、ビニールなどの包装をしていても分かるほど甘い芳醇な香りが出てきます。3つ目はじくの部分の変化で、茶色のじくがシワシワになってきます

4つ目はじくに近い、実のくびれの部分の変化で、ここが茶色に変色してきます。5つ目のポイントは固さです。収穫したてのルレクチェはまだ固いですが、追熟すると次第に指で押すとへこむほど柔らかくなってきます。ここまでのポイントが揃えば、ルレクチェは食べ頃ということになります。

ルレクチェの食べ方

ルレクチェが手に入り、しっかりと追熟して食べ頃を迎えたら、ぜひ美味しい食べ方のポイントを押さえてルレクチェを食べましょう。ここからはそんなルレクチェの食べ方を紹介します。

冷蔵庫で冷やしてから

ルレクチェは乾燥を嫌うので、追熟のために保存する時はできるだけ冷蔵庫に入れない方がよいでしょう。ただし、ルレクチェを食べる時は冷たい方が美味しいので、食べる少し前に冷蔵庫に入れて冷やしてから食べる食べ方をおすすめします。

切り方

続いてルレクチェのおすすめの切り方を紹介します。まずは、じくの部分を切り落とします。そして縦半分に切ります。そこからは好みの大きさのくし形に切りましょう。そしてりんごのように芯を取って皮を剥けば、美味しく食べることができます。ルレクチェは果汁がふんだんにあるので、先に皮を剥いて切る方法はあまり適していません

酸化しやすので注意

ルレクチェは、ラフランスなどほかの洋梨と同じように酸化しやすいという特徴があります。ルレクチェは切ったらできるだけ早く食べることをおすすめします。どうしても少し時間をおかないといけない場合は、0.5%程度の薄い塩水に漬けると酸化を防ぐことができます

芳醇な香りのルレクチェをぜひ食べてみて

ルレクチェはまだまだ希少性の高い洋梨ですが、明治時代から試行錯誤しながら栽培方法を向上させてきたことで、最近は生産量が安定してきています。ルレクチェを手に入れることができた時は、食べ頃の見分け方や食べ方を参考にして、ぜひ芳醇な香りと味わいが楽しめるルレクチェを食べてみてください

Thumb【洋梨の切り方】ラフランスの食べ方・剥き方はりんごと同じ? | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

関連するまとめ

新着一覧

最近公開されたまとめ