マデラソースとはどんなソース？肉料理に合う味や作り方を解説

フレンチ料理には多彩なソースが登場します。その数は、数十いや数百種類に及ぶかもしれません。肉料理向きの代表的なソースだけをみても「オレンジソース」「バルサミコソース」「ぺリグーソース」「ヴァン・ルージュ・ソース」などがあり、そして「マデラソース」です。

マデラソースは肉料理との相性が抜群の、フレンチの代表的なソースになります。マデラソースは、ポルトガル領のマデラ島で造られるマデラ酒を使って造られる、甘みのある味で「牛ステーキ」や「フォワグラ」「ジビエ」などの、肉料理にピタリと合います。

マデラソースはフレンチ料理において、定番的な存在のソースです。ここではマデラソースとは？について、由来や歴史までを含めて解説します。

フレンチを味わったことのある方なら、「マデラソース」という言葉を一度は耳にしていると思います。それほど、フレンチ料理の世界では、基本的なソースで人気の味です。特に肉との相性が良いことで知られていて、牛ヒレステーキやフォワグラ、ジビエなどの料理には、定番的なソースとして登場します。

本格的に作る場合には、少しテマは掛かりますが難しい作り方のソースではありません。材料もレシピもシンプルです。

マデラソースは、マデラ酒とフォンドヴォ―、エシャロットなどの材料で作ります。肉料理によく合う、甘みのあるソースになります。その甘みはマデラ酒に由来していて、ソースのネーミングもマデラ酒に由来しています。

マデラ酒は肉料理のソースとしてばかりでなく、デザート作りにも活かされています。あるいは、食後酒としてそのまま飲むこともできます。

マデラ酒は、ポルトガル領のマデラ島で造られている「酒精強化ワイン」です。ワインと言っても、マデラ酒は一般のワインのように醸造酒には分類されなくて、酒精強化ワイン故に「混成酒」として扱われます。酒精強化ワインにはシェリー酒やポートワインがあり、マデラ酒とともに世界三大酒精強化ワインとして数えられています。

独特の製法によって、ブドウ果汁の甘みが残るタイプのワインに仕上がります。この甘みは調整が可能で、マデラ酒には辛口から甘口までいろいろな種類があります。マデラ酒のアルコール度数は、一般的なワインより高めになっています。また、マデラ酒は公的機関によって、ブドウの産地や品種と熟成期間などが細かく規定されています。

マデラ島の「マデラ」とは「木」を意味する言葉で、開拓者がびっしりと島を覆っていた樹木を焼き払ったために、火山岩の上に焼けた木が重なることで、マデラ島の独特の土壌が生まれたのです。マデラ酒の歴史としては、15世紀以降、世界航路の中継基地として栄えていたマデラ島は、ワインが主要な輸出品でした。

イギリスとインドを往復していた船に積まれたマデラ島産のワインが、赤道付近を通過する際に暑さのために独特の風味が出て美味くなったことにヒントを得て、マデラ酒の特徴である人工的に加熱処理をする製法が生まれたわけです。

マデラソースの味は、主な材料であるマデラ酒とフォンドヴォーによって決まります。甘みを秘めたマデラ酒や、肉や野菜の旨みが凝縮された出汁である、フォンドヴォーを煮詰めることによって、醸し出される甘みや旨みが、マデラソースとして各種の肉料理との相性を引き出しているのです。

マデラソースの作り方は、けっしてむつかしいことはありません。弱火で煮詰めるという、テマが少々掛かるだけです。ここでは、マデラソースの基本的なレシピを紹介します。

マデラソースの材料は、料理のレシピ手順から並べると「エシャロット」です。エシャレット（らっきょう）とよく混同しやすいですが、ここで使用するのはニンニクと玉ネギの中間くらいの風味がある、エシャロットになります。エシャロットを炒めるための「バター」も用意します。次に「マデラ酒」と「フォンドヴォー」です。

フォンドヴォーは一から作り上げても良いのですが、さすがにテマが掛かりすぎます。市販品を使用します。最後に、仕上げ用の「無塩バター」です。以上が、マデラソースの材料になります。

マデラソースの作り方のレシピは、始めにみじん切りのエシャロットをバターで炒めます。エシャロットは焦げ付きやすいので、ごく弱火で水を少量ずつ足しながら炒めます。エシャロットから香りが出てきたら、マデラ酒を加えます。これも弱火でじっくりと煮詰めます。マデラソースのポイントは焦がさないことに尽きます。

エシャロットとマデラ酒をフォトのような状態まで煮詰めたら、フォンドボーを加えます。全体がトロッとした濃度になるまで、弱火で煮詰めます。仕上げに塩で味を調えたら、火を消して無塩バターを落とし入れたら完成です。最後に加えるバターが、マイルドで風味のあるマデラソースにします。
 

前章のマデラソースのレシピの中で、フォンドヴォーを加える際に、これをコンソメで代用することもできます。フォンドヴォーが入手しにくかったり、手元にない場合にはこの代用方法で対応します。

マデラソースの基本的な作り方に続いて、マデラソースのアレンジした作り方を紹介します。家庭にストックがある材料を使って、マデラソースを作ります。

デミグラソースを使用してマデラソースを作るレシピです。エシャロットはすりおろして、バターで焦げ付かないように炒めます。香りが出たらマデラ酒を加えて煮詰めます。マデラ酒が半量くらいになったら、デミグラソースを加えて少々煮詰めたら完成です。

赤ワインとコンソメで作るマデラソースになります。赤ワインと少々の砂糖を鍋にかけて煮詰めます。半量くらいになったらコンソメを加えて、さらに煮詰めてから水溶き片栗粉を加えて塩・コショウで調味し、無塩バターを落とし入れて完成です。

和風のマデラソースを作るレシピです。みじん切りの玉ネギを炒めます。玉ネギが透き通ってきたら、マデラ酒と醤油を加えて煮詰めます。半量くらいに煮詰めたら火を消して、レモン汁を加えたら完成です。

マデラソースを使用した、本格的なフレンチ料理のレシピを紹介します。「牛ヒレステーキ」や「フォワグラ大根」「鴨のロティ」などマデラソースを活かしたレシピになります。

• 牛ヒレ肉120g４枚
• マデラ酒150cc
• 赤ワイン50cc
• 固形コンソメ1個
• バター適量
• レモン汁少々
• オリーブオイル適量
• 塩・粗挽き黒コショウ各少々

1. 鍋にマデラ酒と赤ワイン、コンソメを入れて、弱火で1/5くらいに煮詰めます。とろみがついてきたら、火を消してバター・黒コショウ・レモン汁を加えておきます。
2. 牛ヒレ肉は冷蔵庫から出して、あらかじめ常温に戻しておきます。
3. ヒレ肉に塩・黒コショウをしておきます。フライパンにオリーブオイルとバターを入れて加熱します。
4. 十分に熱くなったら中火に落として、牛ヒレ肉を加えます。
5. 両面に焦げ目がつけたら、肉の中に火が入らないミディアムレアで皿に移します。
6. マデラソースを回し掛けて、付け合わせを添えたら完成です。

家庭で本格的なフレンチ「牛ヒレステーキマデラソース」を食べるレシピです。豪華ですが、テマはそれほどでもありません。マデラソースを堪能することができます。

• フォワグラ50g1枚
• 大根2cm厚さ（面取りをしておく）1個
• コンソメ1個
• 塩・コショウ少々
• 小麦粉適量
• 片栗粉適量
• マデラソース（マデラ酒・フォンドヴォー各大さじ1・バルサミコ酢小さじ1・バター・醤油各小さじ1/2）

1. 大根は下茹でしてから、コンソメと水300ccで煮て、味を含ませておきます。
2. フォワグラは塩・コショウをして、小麦粉をまぶします。
3. フライパンを熱してバターを溶かし、フォワグラの両面をこんがり焼き上げます。同時に大根も軽くソテーしておきます。
4. 器に大根を並べ、フォワグラを載せたら、温めておいたマデラソースを回し掛けます。

これも本格的なフレンチの「フォワグラ大根マデラソース」のレシピになります。フォワグラとマデラソースの相性を堪能できる定番料理です。

• 鴨の胸肉1枚
• マデラソース（マデラ酒200cc・デミグラソース200cc・バター10g・塩少々）

1. 鴨胸肉は塩・コショウをして、一度温めてから火を消したオーブンに入れて、低温加熱しておきます。
2. フライパンを熱して、鴨の脂身を下にしてこんがりと焼き上げます。鴨から出た油で側面や裏側も焼き上げます。全体がきつね色になったら、火を消して蓋をして鴨肉を休ませておきます。
3. マデラ酒を鍋で煮詰めて、デミグラソースを加え、とろみがつく程度になったら火を消して、バターを溶かします。
4. 鴨肉を適当な厚さに切って、器に盛ります。マデラソースを掛けて完成です。

オシャレな本格的フレンチ料理「鴨のロティマデラソース」のレシピです。鴨の胸肉を焼きすぎないようにするのが、本格的な鴨ロティのためのコツになります。

マデラソースについて、いろいろな角度から詳しく解説をしてきました。マデラソースがどんなソースかも分かりました。また、その作り方も紹介しました。この記事を参考にして、マデラソースは肉料理に合うソースだった！と、お分かりになったでしょうか。