ココアとチョコレートの違いは製造方法?原料はどっちもカカオ豆!

ココアとチョコレートには、どんな違いがあるか知っているでしょうか?どちらも同じカカオ豆を原料としており、似たような色をしていますが、いったいどんな違いがあるのでしょうか?今回は甘くて美味しい人気の食品であるココアとチョコレートについて、原料であるカカオ豆からどんな製造方法で作られ、その加工工程でどんな違いがあるのか、材料にどんな違いがあるのか、ココアとホットチョコレートの違いやカフェインの影響についてまで、詳しく紹介していきます。

ココアとチョコレートの違いは製造方法?原料はどっちもカカオ豆!のイメージ

目次

  1. 1「ココア」と「チョコレート」の違いは何か気になる!
  2. 2「ココア」と「ホットチョコレート」の違いは?
  3. 3ココアの製造方法
  4. 4チョコレートの製造方法
  5. 5カカオの歴史は古い
  6. 6ココアとチョコレートを飲む時の注意点
  7. 7ココアとチョコレートの違いは加工と材料!

「ココア」と「チョコレート」の違いは何か気になる!

受け皿にココアパウダーがたっぷりとのったココア

ココアとチョコレートは、どちらも甘くて同じ色をしていて原料も同じです。飲み物と食べ物であること以外に、違いがあるのでしょうか?同じ原料であるココアとチョコレートがどんな製造方法で作られ、その加工工程でどんな違いがあるのか、詳しく紹介していきます。
 

「ココア」と「ホットチョコレート」の違いは?

ココアとホットチョコレートは、どちらも飲み物で、味も香りもよく似ています。いったいどんな違いがあるのでしょうか?原料や加工工程などから、ココアとホットチョコレートの違いについて調べてみましょう。

原料はカカオ豆

ココアホットチョコレートは、どちらも原料はカカオ豆から作られています。カカオの木は中央アメリカから南アメリカの熱帯地方を原産とし、標高300mほどの丘陵地に自生しています。カカオの実であるカカオポッドは主に卵型で、色は赤、黄色、緑などいろいろな色があります。

カカオポッドを割ると、中にはカカオ豆と呼ばれる白い果肉で覆われた種子が20~60個ほど入っています。カカオ豆を7日ほど放置して発酵させると、チョコレート色に変化し独特の香りを放つようになります。さらに乾燥させて水分量を7%ほどまで減らしたものをカカオ豆と呼びます。

加工工程は途中まで同じ!

ココアやチョコレートの加工工程は途中までは同じです。カカオ豆を砕いて皮などを取り除いたものを、カカオニブと呼びます。カカオニブを細かくすりつぶしてペースト状にしたものがカカオマスです。

このカカオマスかをさらに粉砕して練ると、カカオバターが出てきます。このカカオバターを抽出した残りココアカカオマスにさらにココアバターやミルク、砂糖などの材料を加えたものチョコレートと呼びます。

厳密な区分はない

ココアとチョコレートは原料が同じで、加工過程もカカオマスを使用するところまで同じです。なので厳密に区分されているわけではなく、ココア豆をすりつぶして材料を何も加えていないものココアココアバターや砂糖などの材料を加えたものチョコレートを呼びます。

チョコレートはバターにより固まるので固形になり、そのままで食べることができます。ココアはそのままでお菓子の材料に使われたり、砂糖や牛乳などを加えて飲み物として楽しむことができます。

ココアパウダーから作ってもホットチョコレートと呼ぶ

ココアホットチョコレートは、どちらもココアパウダーを使用する飲み物で、厳密な区別はないようです。区別するとしたら、ココアはココアパウダーをお湯や牛乳で溶いたものであり、ホットチョコレートはココアパウダーをより多く含んだクーベルチュールチョコレートを牛乳で溶かしたもの、と区別することができます。

実際ホットチョコレートは、ココアパウダーにチョコレートを溶かして牛乳や水で溶いただけでも作ることができるので、ココアとの違いを簡単にまとめると、チョコレートが入っているどうかの違いということができるでしょう。その分ホットチョコレートは、ココアよりも濃厚な飲み物といえます。

ココアの製造方法

ココアとチョコレートの違いを簡単に紹介してきましたが、ここからそれぞれの製造方法を具体的に見ていきましょう。まずはココアの製造方法を紹介していきます。

ココアパウダー

カカオ豆を砕いてできたカカオニブをすりつぶして、カカオマスを作ります。さらに練ってペースト状にして、ココアバターを抽出した残りを粉末状にしたものがココアパウダーです。ココアパウダーには2つの製法があります。

1つはプロマプロセスといい、カカオマスを油圧圧搾する製造方法で、香りが強く酸味や苦みがあります。主にチョコレートブラウニーのような糖分の多い料理を作るのに向いています。もう1つはダッチプロセスといい、アルカリで中和して作る製造方法で、穏やかな風味と滑らかさがあります。こちらはチョコレートや焼き菓子に向いています

調整ココア

調整ココアは、ココアパウダーに砂糖や牛乳を加えて飲みやすくしたものです。ココアパウダーは砂糖や牛乳を加えていないので料理に向いていますが、調整ココアは砂糖が加えられているため甘く、お菓子作りには向いていません。調整ココアはそのまま飲むために作られており、市販品ではミルクココアと表示されているものが多くあります。

チョコレートの製造方法

チョコレートの製造方法は、カカオニブを粉砕してカカオマスを作るところまでは同じ工程です。その後カカオマスからどのようにチョコレートが作られるのかを紹介していきます。

ビターチョコレート

チョコレートは、カカオマスにカカオバターや砂糖、ミルク(粉乳)を混ぜて作られます。カカオバターが加わることで、滑らかな口溶けの食感になります。ビターチョコレートには、基本的に原料にはミルクが使用されていません。また少量のミルクが入っていても、苦みが多ければビターチョコレートというようです。

市販のビターチョコレートにはミルクが少量入っていることも多く、最近ではカカオ分が70~90%程度ならビターチョコレートといわれているようです。

ミルクチョコレート

一方ミルクチョコレートは、原料にミルクが使用されたチョコレートのことをいいます。一般的なチョコレートは基本的にミルクを原料として加えているので、大半のチョコはミルクチョコレートであるということがいえます。

カカオの歴史は古い

ココアやチョコレートの原料であるカカオは、現在ではコートジボワールやガーナなどアフリカで主に生産されていますが、実はカカオの原産地はアフリカではありません。紀元前までさかのぼるカカオの歴史について紹介していきましょう。

始まりはいつ?

カカオの起源は、紀元前1200年頃のメソアメリカ、現在のメキシコから中央アメリカあたりになります。メソアメリカではオルメカ文明が栄えており、肥沃な低地で農耕文化が発達していました。栄養価が高く上流階級だけが口にできる飲み物として神聖視されていき、その後発達したマヤ・アステカ文明まで受け継がれていきました。

当時は果肉、繊維、豆を生で食べていた

当時はカカオ豆をすりつぶして、果肉や繊維まで生で食べていたといわれています。マヤ・アステカ文明では貴重品だったため、通貨としても使用されていました。上流階級の人々はカカオ豆をステイタスシンボルとして崇め、知恵とパワーを得られるとしてドリンクとして愛用していました。

その後スペインによって植民地として支配されるようになると、カカオはスペインからヨーロッパ全体へ広がっていきます。ヨーロッパでココア飲料が流行し始めるとカカオ栽培が拡大していき、西アフリカなどで栽培されるようになりました。そして病害などでメソアメリカの生産量が激減し、アフリカが主な生産地となっていったのです。

ココアとチョコレートを飲む時の注意点

古い歴史を持つカカオ豆から作られるココアとチョコレートですが、飲むときにはどんなことに注意したほうがよいでしょうか?ココアとチョコレートを飲むときの注意点について紹介します。

カフェインが含まれている

ココアやチョコレートにはカフェインが含まれているので、特に子供や妊娠中、授乳中の方は注意が必要です。ココアパウダー100gあたりのカフェイン量は200mg、調整ココアには微量のカフェインが含まれています。ココア1杯のカフェイン量は、30mg程度です。またチョコレート1枚では10mgのカフェインが含まれます。


コーヒー1杯で60mgのカフェイン量なので、ココアやチョコレートのカフェイン量は多くはありませんが、子供はカフェインの影響を受けやすく、また妊娠中のカフェイン摂取は胎児の発達を妨げる可能性も示唆されているので、多量に摂取しないよう心がけましょう。

お腹が緩くなることも

ココアやチョコレートに含まれているカフェインは、交感神経を刺激します。摂取しすぎると腸の活動が活発になりすぎ、またカフェインは体を冷やす作用があるので、お腹が緩くなることもあります

またココアやチョコレートには食物繊維も含まれています。腸内の環境を整えて便秘解消効果がある一方で、摂りすぎると体質によってはお腹を壊してしまうこともあります。ココアやチョコレートを摂取するときには、体質や体の調子に気を付けながら摂取するよう注意が必要です。

寝る前や夜遅い時間は控えた方が良い

ココア1杯に含まれるカフェイン量は、実は緑茶や紅茶よりも多く含まれています。緑茶や紅茶には、カフェインの働きを抑えるテアニンが含まれていますが、ココアには含まれておらずカフェインの効果がより高まります。

カフェインの覚醒作用には集中力や記憶力をアップさせる効果がありますが、寝る前や夜遅い時間に飲むと寝つきが悪くなったり、利尿作用により寝ている間にトイレに行きたくなったりして睡眠の質が悪くなる可能性があります。寝る前のココアやホットチョコレートはなるべく控えたほうが良さそうです。

ココアとチョコレートの違いは加工と材料!

いかがでしたか?ココアとチョコレートの違いについて、原料や材料、製造・加工方法まで詳しく調べ、その古い歴史や摂取する際の注意点まで詳しく紹介してきました。

ココアとチョコレートは同じカカオ豆を原料としていて厳密な区分はなく、途中まで加工工程が同じものの、その後の加工工程や加える材料に違いがあることがわかりました。今回紹介した注意点に気をつけて、ココアやチョコレートの違いを楽しみながら飲んでみましょう!

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