「豆腐よう」は沖縄の珍味!クセのある味・臭いや食べ方を紹介

豆腐ようは沖縄の珍味!と言われています。その豆腐ようを見たことはありますか?あるいは食べたことはありますか?けっこう、謎の食べ物なのです。そんな豆腐ようの見た目や味、臭いなどを詳しく紹介していきます。また、豆腐ようの歴史やカロリー、栄養などヘルシー、健康に関する点や、発酵食品としてのクセや食べ方や作り方など、泡盛ととても相性の良いことも含めて、すべてを網羅して紹介します。

「豆腐よう」は沖縄の珍味!クセのある味・臭いや食べ方を紹介のイメージ

目次

  1. 1豆腐ようは沖縄の珍味で有名!
  2. 2豆腐ようを詳しく解説
  3. 3豆腐ようの食べ方
  4. 4豆腐ようの作り方
  5. 5豆腐ようの予備知識
  6. 6豆腐ようから沖縄の健康パワーを得よう!

豆腐ようは沖縄の珍味で有名!

見た目はや味は?

「豆腐よう」は、白色をしたものと、赤みがかった紅色をしたものと二通りあります。白麹で漬けたものを白麹漬け、紅麹で漬けたものは紅麹漬けと、なります。使用する麹によって、仕上がりの色も味も異なるものとなっています。紅麹漬けの方が一般的に良質で高価なものとなっています。豆腐ようは発酵食品ですから、その味は特有の味に仕上がっていて、熟成されたチーズのようなとか、ウニのように濃厚な味だとかと、例えられます。

基本的な材料として使用されている泡盛の強いアルコール度数も、豆腐ようの風味に強く影響を与えています。したがって、豆腐ようをつまみにして飲む酒は、泡盛が一番に相性が良いものとなっています。たしかに、豆腐ようには臭いやクセがありますが、そのクセはひとたび慣れるや病みつきになるほどの、中毒性も秘めているのです。わずかに舐める程度に食べ進める食べ方も含めて、豆腐ようは沖縄の珍味です。

臭いがきつい?

沖縄の珍味である豆腐ようは発酵食品です。発酵食品というものは、一般的にいわゆる臭いクセというものがあります。この豆腐ようも例外ではありません。チーズやウニの味や臭い、食感によく例えられたりしますが、クサヤが焼酎に合うように豆腐ようも泡盛によく合います。どちらも好きな人と嫌いな人では、臭いクセの評価が真二つに分かれます。珍味としての発酵食品の宿命と言っても、大げさではないでしょう。

沖縄の珍味、豆腐ようは箸や楊枝などで、小さく削り取ってちびりちびり口に運ぶ食べ方が一般的です。ねっとりとした舌触りや濃厚な味や臭い、香りといったものをじっくり味わった後、泡盛で口中を洗い流すのが豆腐ようの一番の楽しみと言えます。食べ物の評価は、つまるところ好みの問題に帰しますから、強制をするようなことではありませんが、アルコールが飲める人にはぜひとも、豆腐ようと泡盛のマリアージュをおすすめします。

泡盛・米麹・紅麹を使った発酵食品

沖縄の珍味である豆腐ようの作り方は、通常は冬に製造される発酵食品です。硬めの豆腐(沖縄島豆腐)を切り分けて陰干しに掛けた後、泡盛や米麹、紅麹などと合わせて長期熟成させる作り方になります。熟成中に、豆腐のたんぱく質が分解発酵することで、豆腐よう独特の臭いや味、食感ができあがります。熟成が進むと豆腐の味は消えます。麹に白麹を使用したものと紅麹を使用したものとがあり、それぞれの麹の色に仕上がります。

豆腐ようは珍味として酒のつまみに重宝がられていますが、発酵食品であるため栄養価が高いものとなっています。琉球王朝時代には上流の人々のあいだで滋養食として愛用されていたり、最近ではヘルシー食としての食べ方も人気になってきています。
 

豆腐ようを詳しく解説

中国から伝わった

沖縄の豆腐ようは、琉球時代に明の中国から18世紀頃伝わった「腐乳」が原形のようです。ただ、当時の中国や台湾で作られていた腐乳は、紅麹を使用してはいたが、雑菌の繁殖を防ぐために塩漬けをしていました。琉球王朝の宮廷料理人がこの製法を改良したのです。沖縄の豆腐ようは塩漬けではなく泡盛漬けの製法を取り入れました。この作り方が、豆腐ようを沖縄独自の珍味として成り立たせた理由ともなっています。

沖縄の珍味豆腐ようは、泡盛で漬け込むことによって、独自の作り方や食べ方が確立されていったわけです。琉球文化と言ってよいでしょう。琉球王家秘伝の豆腐ようが、一般的になってくるのは20世紀も後半になってからのことです。

カロリーや値段は?

珍味の豆腐ようは、栄養素が豊富な食べ物です。カロリーは食品100g当り189kcalとなっています。三大栄養素は、たんぱく質が10.0g、脂質8g、炭水化物19gです。食物繊維が1gとなります。ビタミンやミネラルも多種類豊富で、ほぼ完全な栄養食です。欠けているのはビタミンC、Dぐらいです。189kcalという数値は高いほうとも言えますが、食べ方の量は一度に1個(10g)として、それほどの栄養価やカロリーにはなりません。

豆腐ようは珍味であることから、高価なイメージをもっているかもしれません。1個当たりの単価を見てみると、メーカーによってバラつきはありますが、200~300円が平均です。ただ、豆腐ようを1個売りしているわけではないので、5個とか10個の単位で包装されています。送料の問題もからみますし、一度に購入する量によって、単価はずいぶん変動します。いずれにしても、豆腐ようはそれほどの高価格品ではありません。

栄養や健康効果はある?

前章で触れたように豆腐ようは、栄養素も豊富で栄養価も高いものがあります。琉球王朝時代には高貴な人々の間で、病後の滋養食として重宝されていました。また、たんぱく質が豊富で胃壁の保護作用もあり、アルコール度数の高い泡盛と一緒に食べるのは、この意味でも好都合となります。豆腐ように使用されている紅麹には、コレステロールの合成を防ぐ効果もあって、健康食品としての食べ方も増えてきています。

豆腐ように含まれる個別の栄養素としては、高い含有率のモリブデンがあり、貧血防止や糖質や脂質の代謝をサポートします。比較的に多く含まれるマンガンは骨形成に関与し、糖質やたんぱく質、脂質の代謝に関与する酵素物質になります。また、n-6系脂肪酸やn-3系脂肪酸は認知機能改善に有用とされています。

豆腐ようの食べ方

極少量をゆっくり味わう

完成された豆腐ようを目の前にしたとき、誰もがその材料を豆腐とは想像できないかと思われます。いや、一切れ口に含んでも、まだ分からないでしょう。豆腐が素材なのに豆腐とは異なる存在になっているのが、沖縄の珍味豆腐ようなのです。豆腐ようを小皿に取って、そのサイコロ大の形に凝縮された豆腐ようを、どのように食べたらよいか、ふと思案したくもなります。間違っても一口でパクリという食べ方はNGです。

豆腐ようの臭いや塩気は強いものがあります。一口でパクっと食べる食べ方は、豆腐ようを嫌いにさせる効果しかありません。豆腐ようを楽しむ食べ方は一つです。爪楊枝か竹スティックなどで、ごく少量を一切れ削り取って、なめるようにして口に含みます。濃厚でかつ繊細な旨味が口中にひろがります。人はその味や食感をウニのようだとか、チーズのようだとか評します。発酵食品が口の中で核爆発のように充満してきます。

長い時間を掛けて小さな粒に閉じ込められた、豆腐ようの旨味が口の中で解き放たれます。後は、泡盛を流し込むだけです。至福の時が訪れます。ごく少量をゆっくりと味わうのは、間違ってもケチな根性からではありません。豆腐ようにゆっくりと凝縮された時間は、ゆっくりとほどいてやるしかないからです。

ご飯と一緒に

豆腐ようで注意しておきたいことがあります。豆腐ようには漬け込んだ泡盛の影響で、9%程度のアルコール度数が含まれています。したがって、酒が飲めない人や子供にはおすすめではありません。ここでおすすめする、ご飯と一緒に食べる食べ方も、一度にたくさんは避けたほうがよいでしょう。豆腐ようの塩気や濃厚な風味は、白ご飯との相性が抜群です。ご飯やおかゆに入れたり、丼物の添えたりする食べ方がおすすめになります。

調味料として炒め物やパスタに

中国や台湾で、あるいは沖縄で豆腐ようを調味料として使用するのは、きわめて一般的です。日本で醤油や味噌を使う感覚になります。ここで紹介する作り方は、炒め物やパスタに調味料として和えるものです。たとえば、野菜炒め2人前分にたいして、豆腐よう1cm角くらいを使用します。中華風な料理ばかりでなく、パスタなどの洋風な作り方にも適しています。

パスタのペペロンチーノなどを作る場合に、仕上げに豆腐ようを加えるといつもよりコクが加わってひと味違ったペペロンチーノになります。

薬味として鍋に

鍋料理の調味料もしくは薬味として、豆腐ようを活かす作り方もあります。豆腐ようはまろやかで濃厚な風味が特徴の食材なので、柚子胡椒風に薬味として鍋料理に添えるのもよいでしょう。小皿に豆腐ようを取り置いて出汁を少し溶かしながら、具を浸して食べるのもおすすめです。また、鍋のツユに溶かし込ませて、ツユに深いコクをもたせるのもよいでしょう。具もツユもいっそう箸がすすみます。

豆腐ようの作り方

材料

沖縄の珍味豆腐ようの作り方を紹介します。豆腐ようは豆腐の発酵食品になります。材料は沖縄の豆腐ようを作る時の一般的なものを使用します。豆腐を木綿豆腐に変えたり、泡盛を焼酎に変えたりなどは適宜に対応してください。豆腐ようの仕込みは寒い冬の時期に行います。

  • 沖縄豆腐(シマトーフ)3丁
  • 泡盛(40度以上のもの)適量
  • 塩120g
  • 米麹1kg
  • 別に泡盛6カップ
  • 紅麹小さじ2
  • 砂糖少々
  • 別に塩小さじ2

作り方

  1. 米麹を泡盛に浸けて10日くらい置きます。米麹が柔らかくなったらすり鉢でつぶし、別に泡盛で戻しておいた紅麹も加えてさらに混ぜ合わせます。
  2. すり鉢に砂糖と塩を加えて、漬け汁を仕込んでおきます。
  3. シマトーフは周りの硬い部分を切り落として、3cm角に切ったら塩をまぶします。
  4. 目の粗いざるにシマトーフを広げて陰干しにし、2時間おきくらいに裏返して乾かします。
  5. 豆腐が乾いて表面が黄色っぽくなったら、泡盛に泳がせて2~3回洗います。
  6. 煮沸消毒をほどこした器に、シマトーフと漬け汁を加えたら密封して熟成させます。
  7. 2ヵ月め頃から食べられますが、6ヵ月頃が一番美味しい時期となります。

ポイント

豆腐ようの作り方のポイントは、発酵食品の基本である発酵をうまくさせることになります。まずは、泡盛と米麹をしっかりとなじませます。豆腐はシマトーフでなくてもよいが、水分の少ないものをしっかりと乾燥させることが必要です。使用する酒は泡盛ではない場合には、アルコール度数は40度以上あることが微生物を発生させないためにも大切です。

熟成は、煮沸消毒をほどこした器で行うこと、漬け汁の量は豆腐が完全に浸る量であることが必要になります。これらのことを考え合わせると、豆腐ようの作り方には夏場ではなく、温度が低い冬場が適していると言えます。

豆腐ようの予備知識

どこで買える? 

珍味豆腐ようの予備知識として、沖縄の発酵食品豆腐ようはどこで買える?かを紹介します。沖縄以外で購入となると、やはり通販しかありません。ただ、株式会社沖縄県物産公社が経営する「わしたショップオンライン」は、通販と共に東京をはじめ全国各地にアンテナショップを展開していまして、豆腐ようだけではなく沖縄産の物品を数多く販売しています。

通販としてはAmazonyaや楽天などで、豆腐ようはたくさんのメーカーが各種商品を出品しています。価格もけっこう幅広いものになっています。また、通販での購入で注意しなければならないのは送料です。豆腐ようは単価としてはそれほど高価ではないので、逆に送料が大きく跳ね返る要素をもっています。

沖縄で人気のお店

沖縄に豆腐ようを専門に販売する店があります。沖縄県庁の向かいにオープンした「龍の蔵県庁前店」です。豆腐ようの専門店としては沖縄初となります。豆腐ように使用する泡盛や島豆腐、紅麹、塩まですべて沖縄産にこだわって作り上げた豆腐ようは、鍾乳洞で長期熟成させることが特徴の逸品です。沖縄で豆腐ようの、もう一つの人気店は「あさひ」になります。あさひの豆腐ようは、沖縄では旨いことで定評があります。

有限会社インターリンク沖縄

食べると酔う?

前にも述べましたが、豆腐ようのアルコール度数はハンパなものではありません。9%ほどあります。奈良漬けが4%程度ですから、奈良漬けの倍以上と思ってください。よく「奈良漬けでも酔う」などと、自分のアルコールに対する弱さを表現する人がいますが、豆腐ようは奈良漬けどころではないのです。下戸の方や子供さんはもちろん、これから運転をするという時にも、配慮が必要になります。

豆腐ようを食べると酔う?かどうかは個人差があって、一概には言いきれません。ただ、豆腐ようには間違いなくアルコール度数9%が含有されているのも事実です。酒気帯び運転の基準は、呼気1L中のアルコール濃度が0.15mg以上となっています。これも個人差がありますが、豆腐よう2個程度で酒気帯びの基準に達するはずです。酔わなくても、そのことに留意してください。豆腐ようの臭いも、この場合には問題になります。

豆腐ようから沖縄の健康パワーを得よう!

沖縄の珍味である豆腐ようについて、探ってきたことを詳しく紹介してきました。臭いや栄養素から食べ方や作り方まで、ここまでの記事を参考にしていただいて、栄養満点の発酵食品豆腐ようから沖縄の健康パワーを得よう!

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