茎茶の味や香りが引き立つ入れ方とは?効能や栄養成分も解説!

茎茶を飲んだことがありますか?チャノキの茎の部分を集めたお茶で、若々しい香りと爽やかな味わいが特徴の美味しいお茶です。価格が安いことから味が悪いのでは?と思われがちですが、苦みも少なく煎茶より好きだという方も多いようです。茎茶はその香りと味だけでなく、甘みとなる栄養成分が多く含まれリラックスや記憶力アップといった効能もあることから注目されています。今回はその茎茶の特徴や味と香りの秘密、美味しい茎茶の入れ方を紹介します。

茎茶の味や香りが引き立つ入れ方とは?効能や栄養成分も解説!のイメージ

目次

  1. 1茎茶の特徴とは?
  2. 2茎茶の栄養と効果効能
  3. 3茎茶の美味しい入れ方のコツ
  4. 4おすすめの茎茶3選
  5. 5茎茶を飲んでみよう!

茎茶の特徴とは?

茎茶というお茶を知っていますか?緑茶の一種で、雁り金や棒茶と呼ばれることもあります。煎茶や玉露など茶葉でできたお茶より安価なため、二級品で美味しくないのでは?と思われがちですが、若々しく爽やかな香りと苦みの少ない味わいで「茎茶が一番好き」という方も多いです。最近では茶葉より栄養素が多く含まれていると話題にもなっています。今回はこの茎茶の特徴や栄養素、美味しい入れ方を紹介します。

茎茶とは玉露や煎茶の茎を集めたもの

茎茶とはその名の通り、チャノキの茎の部分を集めてできたお茶です。一般的な緑茶は、採取した茶葉を蒸す、揉み込む、乾燥させる、選別するという大きく分けて4つの工程を経て出来上がります。茎茶は最後の仕上げ工程である茶葉の選別の時に出てくる出物(でもの)になり、安価な理由はここにあります。お寿司屋さんで出てくる粉茶も茎茶と同じ工程で出てくる出物です。

地方によって呼び名が違う

茎茶は雁り金や白折(しらおれ)、棒茶と呼ばれることもあります。雁り金や白折は玉露を選別した際に出てくる茎を集めたお茶のことを指します。京都では高級な白折を雁り金と呼び、高級茶に位置付けられています。また石川県ではほうじ茶の茎茶のことを棒茶と呼びます。昭和天皇に加賀棒茶を献上したことから全国的に定着しました。

甘みの強い味が特徴

茎茶は茶葉のお茶より甘みが強いことが特徴です。茎茶にはお茶の旨味と甘みを感じさせるテアニンという成分が茶葉でできたお茶の2倍も含まれています。テアニンは光合成によって渋み成分であるカテキンに変化しますが、茎は光合成をしないため茶葉と比べてテアニンの含有率も高くなります。高級茶として有名な玉露は、人工的に遮光することでカテキンの生成を防ぎ、甘みの強いお茶にしているのです。
 

香り

明るい茶畑の写真

茎茶は、若々しく爽やかな香りが特徴です。茎には葉より香りの成分が多く含まれており、香ばしい香りがする成分は1.5倍、甘い香りの成分が4倍となります。茎というと茶葉より劣るイメージがありますが、実は旨味成分も香りの成分も葉より多く含まれているというのが意外な事実です。

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茎茶の栄養と効果効能

茎茶は他のお茶より栄養素が多く含まれており、旨味と甘みの成分であるテアニンが茶葉でできたお茶の2倍も含まれていると紹介しましたが、このテアニンの効能には現代人に嬉しいリラックスや記憶力アップなどがあります。

リラックス効果

白いセーターを着た女性が手を広げ伸びをしている

そもそもテアニンとはアミノ酸の一種で、昆布などに含まれているうまみ成分(グルタミン酸)とよく似た構造をしています。このテアニンには神経細胞の興奮を鎮める働きがあると同時に、神経の興奮を抑える効果があるGABAという物質を増加させる作用もあります。テアニンを摂取した30~40分後にはリラックス効果が認められたという臨床実験のデータもあり、安眠やリラックスの効能があるサプリも販売されています。

記憶力アップ効果

英語の勉強をしているところ。シャーペンを盛った手や広げられたノートや辞書などが写されている

このテアニンの効能は他にも、PMS(月経前症候群)時のイライラや集中力の低下の改善といった様々なものがあります。脳内の興奮を抑えてくれるため集中力や記憶学習の向上なども促進してくれるようです。テアニンを継続的に摂取した場合に認知症の改善につながったという実験データもあります。

口内炎や下痢の予防に

口を開けた子どものアップ写真

茎茶の中でも玉露の出物である雁り金や白折は葉酸が多く含まれています。葉酸は細胞が再生するときに必要な栄養素です。口内や体内の粘膜は細胞の再生が非常に多く、そのため口内炎などの炎症が起こっても、皮膚の炎症と比べると早く治ります。しかし、この葉酸が不足すると細胞の再生がうまくできず、炎症が治りにくくなってしまいます。葉酸を多く摂取することで口内炎や下痢の予防、改善につながります。

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茎茶の美味しい入れ方のコツ

茎茶の美味しい入れ方を紹介します。まず急須に茎茶をティースプーン2杯ほど(8g)入れます。次に沸騰したお湯を茶器に注ぎ、手で何とか持てる程度に冷めたら急須にお湯を急を注ぎます。しばらく待ち、茶器にお茶を入れて出来上がりです。緑茶の入れ方というと難しく感じますが、煎茶などの日本茶(玄米茶とほうじ茶を除く)はこの入れ方が一般的です。違うのはお湯の温度です。お茶の苦みと旨味の成分は抽出温度が違います。

抽出時間は長めに

お茶は種類によって含まれている成分量が違い、渋みと旨味をバランスよく抽出するには種類によって温度を変える必要があります。煎茶は80℃、甘みと旨味を味わう玉露は50℃でゆっくりと抽出します。玄米茶やほうじ茶は沸騰したお湯を注ぐことで高い香りを味わえます。茎茶の場合は、煎茶を原料としているものは80℃、雁り金は低温で、棒茶は高温でと言うように、種類によって温度を変えるとより美味しくなります。

そして煎茶などより抽出時間を長めにするのもポイントです。一般的に抽出時間を長くすることで香りや甘み、渋みが多く抽出されます。茎茶は渋み成分が少なく、旨味や甘みの成分が豊富という特徴があるので、抽出時間を長くしても渋みが出づらく存分に旨味や甘みを感じることができます。また、茶葉は表面に甘みや旨味がありすぐに抽出しますが、茎の場合はうまみ成分が抽出されるのに時間がかかるというのも理由にあります。

最後の一滴まで注ぐ

美味しいお茶を入れるためには、最後の一滴まで入れることもポイントです。急須に残る最後の一滴は、紅茶ではゴールデンシロップと呼ばれお茶の旨味成分が凝縮されています。最後まで湯呑に入れることで、お茶の旨味を余すところなく味わうことができます。またお茶を最後の一滴まで注ぐことで二杯目もおいしく飲めるようになります。

急須に水分が残っているとお茶の成分が抽出され続け、えぐみも出てきてしまいます。二杯目も美味しく飲みたいという場合は、必ず最後まで注ぎ切ってから二杯目のお湯を入れるようにします。

2杯目の方がより美味しい

二番煎じという言葉があるように、通常お茶は1杯目のお茶の方が味も香りもよいとされています。2杯目のお茶は色は良いが、香りや旨味が出てしまっていて味気ないものです。しかし茎茶の場合は、茶葉のお茶より旨味成分の抽出に時間がかかるため1杯目をいれてもまだ茎内に十分残っている場合があります。1杯目の入れ方にもよりますが、茎茶は1杯目ではなく2杯目が美味しいと感じることもあるお茶です。

水出し茎茶の美味しい入れ方

茎茶は水出しして飲んでも美味しく飲むことができます。苦みの素となるカテキンは60度以上で抽出されます。反対に旨味成分であるアミノ酸は低温でも抽出されるため、苦みが少なく豊富な旨味をしっかりと感じることができる入れ方なのです。

茎茶の水出し方法ですが、まず急須に大さじ1杯程度の茶葉と氷を入れ、水1/2カップを注ぎます。急須を水平に円を描くように回した後、冷蔵庫で1時間~一晩ほどおけばできあがりです。飲んでみて味が薄いようなら茶葉の量を増やすなどして調整します。

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おすすめの茎茶3選

献上品にもなった最高級茎茶「丸八 献上加賀棒茶」

こちらは昭和天皇にも献上され、加賀棒茶を全国に知らしめたお茶です。新芽を摘み取って作る上質な一番茶の茎を集め作られています。茎の旨味を活かすため試作を重ね、浅焙りしたこのお茶は、香り高くすっきりとした渋みを感じることができます。沸騰したお茶を急須に直接入れ、サッと湯呑に注ぐだけという手軽さで献上品の味が楽しめるのもポイントです。

香りや甘みのバランスが良い「特上かりがね 味覚」

こちらは香りや甘み、そしてお値段のバランスまでよい一品です。香り、甘み、旨味のバランスをとるために茎茶以外に数種類の茶葉をブレンドして作られています。毎日のむお茶には玉露ではなく雁り金を、というお茶通の方もいるようですが、そんな方にもピッタリのお財布に優しい価格帯もポイントです。

お洒落なお茶缶で気分もあがる「カネ十棒茶」

こちらは静岡県牧之原市にあるお茶農園の棒茶です。ファッション雑誌の贈り物特集でも紹介されたことがあり、美味しいお茶というだけでなくスタイリッシュなお茶缶から贈り物としても人気があります。昔ながらのお茶缶だとほっこりした雰囲気になりインテリアに合わないと棚の中にしまわれがちですが、こちらのお茶缶なら見えるところに置いてもお洒落です。

茎茶を飲んでみよう!

ここまで茎茶の紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?茎茶は茶葉ではなく、緑茶を選別するときに出てくる副産物で茎の部分を集めたお茶です。玉露からできるお茶は京都で雁り金と呼ばれ親しまれ、石川県ではほうじ茶の茎茶のことを棒茶と呼び日常的に飲まれています。茎茶は値段の安さから二級品で美味しくないと思われがちですが、若く爽やかな香りと苦みの少ない味から愛飲者も多くいます。

また旨味の栄養成分であるテアニンが多く含まれて、リラックス効果や記憶力アップの効能があるため注目され始めています。茎茶の独特な味わいと効能にあやかるために一度飲んでみてはいかがでしょうか?

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