クラフトビールとは何?地ビール・市販のビールとの違いや原料も紹介!

クラフトビールとは何か知っていますか?クラフトビールとは、簡単に言えば職人たちのこだわりがつまったビールのことを指します。日本ではかつて地ビールのブームがあり、現在のクラフトビールのブームはその再来といっても過言ではないでしょう。しかし、クラフトビールは地ビールや市販のビールと何が違うのでしょう?ラガーやエールなどの種類の違いや原料など、クラフトビールについて紹介します。

クラフトビールとは何?地ビール・市販のビールとの違いや原料も紹介!のイメージ

目次

  1. 1クラフトビールを知ろう
  2. 2クラフトビールの地ビール・市販ビールとの違い
  3. 3クラフトビールの原料や種類
  4. 4クラフトビールの日本での歴史
  5. 5クラフトビールを飲み比べて自分の好みのビールを見つけよう!

クラフトビールを知ろう

ビール瓶で乾杯する二人

クラフトビールとは何でしょう?クラフトとは、日本語で手技・技術・職人芸と言です。簡単に言ってしまえばクラフトビールとは、ビール職人たちのこだわりが詰まったビールと言えるでしょう。クラフトビールは発泡酒や第3のビール登場以降、伸び悩んでいたビール業界の救世主とも言われています。

クラフトビールには様々な種類が揃っているのが特徴で、炭酸やビールが苦手な方にも飲みやすい銘柄があるのもポイントです。昨今ではクラフトビールを楽しめるお店が続々とオープンしています。今回はクラフトビールについて、さらに詳しくクラフトビールとは何か、地ビール・市販のビールとの違いや原料などについて紹介します。

日本での定義

泡が溢れるビールとそれを持つ日本人男性

世界各国で作られているクラフトビールですが、その中でもアメリカは特にクラフトビールが注目されており、クラフトビールに明確な定義づけがされています。日本のクラフトビールはどうでしょう?今のところ、日本ではクラフトビールの明確な定義づけがありません。あえていうならば、クラフトビールとは個性豊かなビールであることと言えるでしょう。

アメリカでの定義

ビール瓶でビールを飲む外国人

本場アメリカでは、クラフトビールは次の3つの条件を満たしていることと定義づけられています。一つ目は、年間生産量が600万バレル(約70万キロリットル)までの小規模であることです。二つ目は、酒造メーカーなどにコントロールされず独立していることです。三つ目は、麦芽100%のビールを主力商品としているか、その大半が麦芽100%のビールであることです。

総合すると小規模で、独立していて、伝統を守っているビールということです。アメリカのクラフトビールブームは、工業化以前のビール生産を見直す動きから始まりました。日本と比べると個性的であることより、伝統的なビールを守ることが重要視されています。

職人の拘りが詰まっている

ビール工場

定義が決まっていない日本のクラフトビールは、製造するのに様々な方向から拘ることができます。つまり、日本のクラフトビールはビール職人たちの伝統を守ったり、改革を目指したりする拘りが詰まっています

テイストの濃淡による違いや、酸味・甘み・苦み、香りの違いなど、多種多様な種類が揃えられています。日本にはクラフトビールの会社が現在141社存在しており、クラフトビールの種類は日本だけでも数にして100種類以上あるといっても過言ではないでしょう。個性豊かな職人たちの拘りが詰まったビールを楽しめる、それが日本のクラフトビールです

クラフトビールの地ビール・市販ビールとの違い

地ビールとクラフトビールは同じ?

悩む男性

日本国内には地ビールと呼ばれる銘柄もあります。地ビールと言われイメージするのは、地域密着・小規模醸造のビール会社による地方ローカルブランドのビールではないでしょうか?クラフトビールとあまり変わりがない印象をもつと思います。

地ビールとクラフトビールは、ほぼ同義と思ってしまって差し支えありません。地ビールブームが起きたのが1994年頃です。

市販のビールとの違いは?

では、市販ビールとクラフトビールの違いはあるのでしょうか?市販とは、市場に売られているものという意味なので違いとは?と思う人もいると思います。ここでは市販ビールとは、アサヒビールやキリン、サッポロビールなど大手ビール会社の製造するビールのことと定義します。

実は、ビールは種類分けすると沢山種類があります。上の画像は多種多様なビールをマッピングしたもので、これを見るだけでも世界にはたくさんのクラフトビールがあることがわかります。その中で、日本の大手ビールメーカーが作っている主要のビールは、99%がピルスナーという種類です。

個性がより濃く出せるのは?

さまざまなクラフトビール

市販ビールのほとんどがピルスナーときいたらすぐにわかるでしょうが、やはり個性がより濃く出せるのはクラフトビールです。次の章ではクラフトビールの原料や種類について説明します。

クラフトビールの原料や種類

原料

まずはビールの4大原料についてです。ビールはモルト・ホップ・酵母・水を原料に、製造されます。モルトとは、発芽させた大麦のことです。ホップとは、ハーブの一種でビールに苦味や香りを付けます。 酵母とは、簡単に言うと生きている菌類のことで、お酒を造るのに重要な発酵を行ってくれる原料です。

さらに、この4大原料の他に使われるものが副原料です。日本では、酒税法によりビールに使える副原料が定められています。定められている副原料は、米やトウモロコシ、デンプン、ばれいしょ、こうりゃん(雑草の一種)、着色料、糖類です。果物やスパイス、ホップ以外のハーブなどを副原料に使用すると、ビールに見えても日本では発泡酒という分類になります。

ビールの仕込みをする職人

ここからはクラフトビールの種類の話になります。ビールはざっくりと3種類に分けることができます。エールラガー、そして自然発酵です。ここからさらに枝分かれして種類が増えていきます。日本では自然発酵のものはほとんど見られないため、まずはエールとラガーを理解すれば大丈夫です。
 

ビールは仕込み、発酵・貯酒、充填の3つの工程で生み出されます。仕込みとは、麦芽からビールのもとになる麦汁をつくりだす工程です。発酵・貯酒とは、麦汁に酵母を加え発酵させる工程です。充填とは、不要な成分などを取り除き、缶に充填する工程になります。エールとラガーは、原材料や製造工程は基本的に同じですが、ビールを製造する際に使用する酵母の種類発酵の方法が異なってきます

エールの特徴

エールとは、エール酵母を使用して、20~25℃とやや高めの温度で時間をかけずに発酵させたビールのことです。タンクの上の部分で発酵するため、上面発酵とも呼ばれます。高温で発酵するため、芳醇な香りを持ち、まったりとしたコクのある味わいになるのが特徴です。

ちなみにエールとは、元来ビールを表す言葉です。上面発酵を指して言うのは現代の基準であり、エールから分類されるバリエーションの豊富さが、1000年を超えるエールの長い歴史を表しています。クラフトビールや海外のビールでは数多くみられる種類です。

ラガーの特徴

ラガーとは、ラガー酵母を使用して約5℃から10℃の低温で長期間熟成させるビールのことを言います。ラガーではタンクの下の部分で発酵するため、下面発酵とも呼ばれます。低温で発酵させるため雑菌が繁殖しにくく管理がしやすいため、19世紀以降世界的に主流となりました。ラガーはスッキリとキレのある味わいと、爽快な喉越しを楽しめるのが魅力で、日本で飲まれているビールのほとんどがこのラガーです。

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クラフトビールの日本での歴史

年間製造量の規制緩和

沢山のビール樽

最後に、クラフトビールの日本における歴史を簡単に紹介します。日本におけるクラフトビールブームの始まりは1944年、改正酒税法が施工され、最低製造数量基準が2000klから60klに緩和されたことがきっかけです。これにより、全国各地に小規模醸造所が誕生、クラフトビールの元祖、地ビールが生産されるようになりました。

地ビールブーム

全国各地の小規模醸造所は大量生産で安い大手5社のビールと区別するため、質の違いを競い合いました。全盛期には300社もの地ビールの会社がありました。しかし2003年頃、価格が高い上に賞味期限も短く、製造量も少ない、その上格安の発泡酒が発売されてしまい、地ビールに大打撃を与えました。

個性的な味を求め始めた近年

アサヒビールのビルとスカイツリー

クラフトビールの元祖、地ビールのブームは大手ビール会社によって収束してしまいました。その後ビール業界は目新しい改革もなく、伸び悩みを見せ始めました。そして2015年頃、大手ビール会社が新たな改革としてクラフトビールの自社生産に乗り出しました。大手の参入が盛んになって以降クラフトビールは新たな盛り上がりを見せ、近年ではさらに個性的な味を求め様々なクラフトビールの開発が進められています

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クラフトビールを飲み比べて自分の好みのビールを見つけよう!

クラフトビールの試飲会

注目されているクラフトビール、今ではクラフトビールを飲み比べられるお店が多くまります。ぜひ、エール・ラガーなどの違いに着目してクラフトビールを飲み比べ、自分好みのクラフトビールを見つけてください。

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